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退職

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隔離ホテル③

前代未聞の、帰国時夫婦共々コロナ陽性発覚。隔離中の8日間はあっという間だった。毎食の弁当は充実していたし、毎日プログラムに沿ってやることをこなし、冬季オリンピックの主要なスポーツ観戦ができた。奥さんには申し訳ないが一人の時間を満喫させてもらった。1日に一回3時間限定で運動タイムがある。その時間帯だけ廊下で運動できるのだ。毎日決まった時間に廊下に出て奥さんと落ち合い、廊下の端から端まで歩く。かるーく

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隔離ホテル②

隔離ホテル②

隔離ホテル生活が始まる。未知の世界。ホテルのロビーで係員からのヒアリングや隔離生活のルール等のオリエンテーションがあってから、部屋に通された。同じく陽性の妻とは別部屋。部屋を大きめ。湯船もある。水に大ペットボトルが3本。まだ繋げていないがwifiもあり、まだ日本の携帯を持っていない身としてはありがたい。

昼時だったし、朝飛行機の中で食事した以来水分しか摂取していなかったので配給されたランチを口に

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Sayonara

ありがたい送別会をいくつも企画してもらった。それぞれに丁寧に、また再開できる含みを持ってお別れした。感謝しかない。最終日まで時間的余裕がなく、でもなんとか最低限の処理は終わったような気がする。家に仲の良い後輩家族が来てくれて何か言いたそうにしているが、こちらは出発の段取り特に犬と猫も一緒に旅立つのでそのあたりの心配があって、その家族との最後の時間をうまく過ごせなかった。すまんね。昨日朝に行ったPC

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旅立ち

旅立ち

20数年前、日本を飛び出した。その頃の心境は覚えていない。母国以外で暮らすことは初めてだったし、楽しみよりも不安のほうが大きかったんだと思う。そして今、母国に戻る。この数日憂鬱な自分がいる。日本でやっていけるのであろうか、会社を退職したのは正解だったのだろうか。自分は本当にこの地を離れていいのだろうか。

帰国に際しては準備が進んでいたため(私ではなく、妻が進めてくれたのだが)、最後はゆっくりでき

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去るということ。

去るということ。

契約期間も残すところ5日。仕掛かっていた大きなプロジェクトをなんとか開始させ、いい感じだったがここにきて大きなトラブル。自分ではどうにもできないトラブルだが、全ての責任は自分にある。最後しっかり対応して去らないと。

去るということ。先への不安と、引き継いでもらった人たちへの後ろめたさと、今の段階ではいいことが見出せない。最後のトラブルで、胸も張れなくなった。今できることを、丁寧に対応するしよう。

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退職10日後

退職10日後

退職して、新年を迎え、それから10日が過ぎた。普通に現地業務をしているので退職の実感がない。フリーランスという立場なはず、しかしこの実感もない。これから10日間はまた忙しくなるはず。しっかり最後の仕事を全うしよう。

退職日

退職日

退職届を出してから5ヶ月が経ち、遂にこの日がきた。12月31日。東南アジアに年末の概念はあまりなく、旅行など目的がはっきりしたことがなければ大晦日まで働くことになる。

本社はすでに年末休み。だから感慨深いことはほとんどなかったが、数人の友人からは、お勤めご苦労さまでした、と労ってもらった。ちょっとだけ実感。辞めたんだ。

とは言っても1月いっぱいはこちらに残り現地業務に勤しむ。か、な、り、ハード

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振り返る。

振り返る。

大きな決断をした年だった。一言なら、そう言える。もっと言うと、集中して考え動いた年だった。少々キツい時期もあったが、今年決めて動かなかれば後悔していたと思う。これから待っている苦難はさらに大変なモノやコトだと思うが、何をやったって楽ちんなことはないし、時代を考えると「先に」苦労できる最後のチャンスのような気がする。海外赴任して20年。これからも海外と関わり続けたい。なぜならそれが唯一の強みだから。

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退職まであと10日

年末から年始にかけて世界各国でカウントダウンが始まる。なんとなくだが、新年まであと10秒くらいから始まるような気がしていて、退職の場合あと10日くらいから始めるのがいいのかと勝手に思った次第。その後も少し業務が続くが、この会社の社員としては間違いなくあと10日。人事部から送られてきた退職の書類一通りにサインと捺印を終えた。

メールでのご挨拶をもうそうそろ始めないといけない。主要な取引先には直接挨

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感謝して生きるということ

感謝して生きるということ

退職まで○日。やるべきことはたくさんあるものの、そのそれぞれに感謝の意を込めて行動することにした。周囲に支えてくれている人やモノ、コトがあるからこそ幸せな日々を過ごすことができているのだ。退職してからのほうがはるかに大変なことが待っている。そこに向かうと決めたのも自分。目を逸らさず向き合うためにも、今目の前のことを思いを込めてしっかりこなし力をつける。力は50歳から必要なのだ。

よし、行動しよう

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Year2021 -L-

Year2021 -L-

このシリーズ、だらだらと、気が向いた時に書いていたら「L」まで進んでた。「L」だけに、この退職にまつわる投稿は「Last」としたい。まだ書くこよはあるが、自分がまだ会社に在籍し退職日まで2ヶ月あるし、実際に退職してから書いたほうがいいような気がする。

さて、結果から言うと私の退職は承認された。やはり難題が多かったこの件をまとめてくれたのは上司数名のご尽力に他ならない。人に迷惑かけ続けて50年弱。

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Year2021 -M-

Year2021 -M-

上司が言う。「今回の退職制度は、会社側が退職してもいいですよ、という人が優先されて、例えば要職に就いてるなど簡単に退職できない人はもしかしたら認められないかもしれない」。

そうなのか。希望すれば誰もが承認されるわけではないのか。いや、自分でもそれには気づいていたし、その上で申請したんだった。「自分で決断したことだし、その決断したあなたの人生を応援したいから会社とは掛け合うけど」。申し訳ないと思っ

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Year2021 -L-

Year2021 -L-

上司は電車で帰宅中だった。最寄駅に着いたら折り返すと。それまで残務処理をすることにした。あと戻りはできない。もう選択したのだ。

退職申請をしたこと、事前に報告できなかったこと、詫びた。向こうの動揺が伝わってくる。この上司の管理下の社員は少なくない。そのうちの数人から事前相談があったそうな。というか、私は事前相談なしで申請してしまった唯一の部下、そんな感じらしい。こういうのを親不孝と言う。

数分

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Year2021 -K-

Year2021 -K-

退職申請の提出期間は四日間。遅く提出したから受理されにくい、というわけではない(事前に確かめなかったけど勝手にそう解釈していた)。初日提出してもよかったが、業務が忙しくてそちらを優先。二日目は、大切な打ち合わせがありそちらに集中。今まで何人くらい提出したんだろう。速報があるわけではないので知る由もない。ところで、今回の募集は「40名」と記載してあったっけ。

三日目。明日は最終日だ。最終日に提出し

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