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わかおの日記9

あれほど休みを切望していたのに、いざ明日から休みとなると、少し恐ろしいような気もしてくる。週に3回、時間でいうと6時間ほどのアルバイトが入っているが、それ以外は全くの自由である。去年の今頃、取りつかれたように勉強をしていたのが信じられないほどの自由である。友人が少ないことに加え、外界には疫病が蔓延し、日中の気温は35度にもなるという事実が、ぼくをますますアウトドアから遠ざける。自然と室内でできる暇つぶしを模索することになるが、ぼくは割合多趣味なほうなので、それには困らない。

ギターを適当につま弾き、それに飽きたらラジオを聴き、それにも飽きたら映画を見る。気が向いたときに小説を読み、日が暮れるころにトレーニングをする。そんなふうにして、たいていの休日は、まったく無為に吹き飛んで行ってしまうのだ。なんて恐ろしいことだろうか。ぼくの高校時代の友人はみな、東京から逃げるようにして、地方に散らばってしまった。彼らのことが恨めしい。

午前中にバイトが終わり、昼食にラーメンを食べてから帰宅した。わが最寄り駅、西武柳沢から歩いて1分ほどのところにある「一丸」という店だ。ここのラーメンは無類である。ぼくは高校のとき、女子から「インスタグラムにラーメンの写真を載せすぎ、キモイ」と蔑まれていたこともあるぐらいのラーメン好きである。そのぼくが言うのだから間違いない、ここのラーメンが西武線沿線では間違いなく一番である。シンプルイズベストな醤油ラーメンであるが、そのスープは驚くほどに芳醇であり、深みを感じる。そのスープに絡むように綿密に計算されたちぢれ麺は、変に気取っておらず、とても好印象だ。そして、昨今の低温調理チャーシューブームに中指を立てるかのような正統派の豚チャーシューは、まさに逸品。神豚である。これらが三位一体となったラーメンが、まずいはずがない。このラーメンが食べられる場所に住んでいるぼくは、なんて幸運なのだろうか。神に感謝したくなる極上の一杯である。今日はチャーシュー麺をいただいたが、言わずもがな最高であった。

昼寝をした後、映画「マトリックス」を見た。20年以上前の映画なので、CGなどが今見ると少し陳腐だったが、これが当時の最先端だったのだろう。シナリオは文句なしに面白かった。「逃走中」や「ソードアートオンライン」など様々なエンタメが「マトリックス」の影響を受けているということに気付いた。偉大な作品である。

追伸 友達のお母さんが森高千里だったらいいのに 

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