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わかおの日記146

きのうはいいことがまるでなかった。髪の毛が伸び放題になっていたので、さすがに切りに行こうと思って近所の床屋に行った。顔剃り込みで2000円の激安床屋である。髪型に関心のある人間はそんなところに行くわけがないので、待合室の椅子に座っている人たちはみな、今後の髪型の発展に関してまるで将来性のない人たちばかりだ。そんな人たちのカットばかり担当するので、理容師たちの顔も死んでいる。そんなよどんだ空気のところで髪を切ってもらった。意外といい感じに仕上がった。

入院している祖母のところに行った。ほぼ寝たきりで、喋ることもほぼ出来ない、なんなら目も開いていないような祖母だったが、ぼくが来るとにっこり笑ってくれた。覚えてくれてるんだ、と思った。多分ぼくは彼女にとってよかったころの思い出の象徴なのだろう。感染対策のガラス越しに祖母を見て、切なくなった。

帰りにお店で冷凍餃子を買って帰った。冷凍餃子を12コ頼んだつもりだったのに、なぜか焼かれた完成品のやつが4×3コ出て来た。正直最初からちょっと怪しいなとは思っていた。冷凍餃子にしてはすごい時間がかかってるし。でもぼくは、そこで「すいません、ぼく冷凍餃子を頼んだんですけど」と言う勇気がなくて、ニンニク臭い完成餃子をとぼとぼと持ち帰ってしまった。

おれ、情けないよおばあちゃん。


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