文月 和奏

創作小説を書いている、「文月和奏」といいます。 「創作」を形にしていきます! note…

文月 和奏

創作小説を書いている、「文月和奏」といいます。 「創作」を形にしていきます! noteの方では、カクヨムで出来ない活動をしていく予定です。 主に、キャラクター設定や世界感などをマガジンなど、できるといいなと思っています! カクヨムプロフィール(@fumitukiwakana)

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    創作小説が出来るまでの投稿をこちらにまとめていきます! 投稿が出来た時に、徐々に追加していきます。 #文月和奏の進歩 #小説

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桔梗話譚 ~花のしらべ~ 序章 彼女と彼 出会い

あらすじこの話譚は、獣士の一角「五統家」『神楽家の神楽 桔梗』の生き様である。 『妖』それは、人や生き物、現世へと害をなすもの達である。 『獣士』とは、獣神を使…

第二十一話 夢幻

先ほどまで明るく照らしていた日が山へ落ち始める頃、梅との再会を終え集落を後にし屋敷へ向かう道中。 「桔梗、梅だったか……友達とは会えたのか?」 兄さまはなぜ梅の…

文月 和奏
11か月前

第二十話 梅との交流

さて、再会をしたのはいいのだけど。 私は梅の事を全然知らないよね。逆もしかりなんだろうけれど。 う~ん。っと一人唸りつつ梅を観察してみる。 私より背はやや低め、1…

文月 和奏
11か月前

第十九話 お供と再会

太陽の心地よい木洩れ日が部屋の中へ差し込む中。 「……刀よし。甲冑よし。札もよし。そして、おにぎりよし!」 《桔梗。ずいぶんとはりきって準備をしておるようだが、…

第十八話 見極めの試練

「はぁ……もう数日梅と会えてないな。お供ぐらいさせてくれてもいいのになぁ…」 天刃を取得して数日、刀の鍛錬もしたし座学もそこそこ終えた頃。 布団の上で、だらーっと…

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第十七話 新たなる術 天刃

「こほんっ。話が脱線してしまいましたな。お時間よろしければ儂がお教え致しますが、どうなされますかな?」 「朝餉も終えたので体力気力ともに万全です。爺や是非、教え…

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第十六話 相談と二人の師

「爺や。術に関して教えて頂きたいことがあるのですが、今お暇はありますでしょうか?」 朝餉を終え席を外そうとした爺やを引き留め伺いをする。 「おや? 座学と武術だ…

第十五話 桔梗の事情と友達とは

昨日は、自分が思っていた以上に疲れていたみたいだ。 ——身体がずしりと重い。全身に鉛を付けられたかのように重いのだ。 「初めての出来事が多すぎたよね。決意が初日…

第十四話 桔梗の決意

揺れている……私の体が宙に浮いているような錯覚を覚える。 どうやら担ぎ上げられ野山を高速で移動していたようだ。 「——? 父上あの後、どうなりましたか!?」 私は…

第十三話 妖殲滅戦

「キィーシャァー!」 兎のようなそれは血肉を獲ようと父上に飛び掛かかる。 冷静に妖を自身に引き付け、妖の脳天から縦の一閃で真っ二つにする。 数多の生業を成し遂げて…

第十二話 遭遇

「桔梗、狛の扱いは慎重に。主の意向を示すのは良いが、善悪の区別が神には理解が出来ぬのだ。日夜対話を怠らぬようにな」 集落怪奇現象こと狛暴走騒動が鎮火されたあと、…

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第十一話 梅との出会い

「——ちち~うえ。!歩くのが遅いですよ!これでは日が暮れてしまいます!」 今、私達は集落に向けて二人で野山を下山している。 今日の格好は生業用の戦闘装束を着こん…

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第十話 お祝いと家族との団欒

獣神との契約を終え、肩に乗りそうな大きさのちんまりした狛と祭壇の間を出る。 父上は出入口付近で待っていてくれたのだが、落ち着きのない子犬のように出入り口で回って…

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第九話 獣神降臨の儀

今私は五の刻迫る中―― 白と赤を基調とした巫女装束を身に纏い、脇に刀を添え足早に祭壇の間へ向かっている。 ついに、この日がきた。  ――獣神との契約の日だ。 昨…

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第八話 母の思いと妙案

今日は、慣れないことをして疲れたな。 そう一日を振り返り、肉体的に精神的にと疲れ果てた桔梗であった。 彼女がそんな怠惰な衝動に駆られつつ布団の上で横たわっている…

第七話 護石と桔梗の刀

……何だろうこの石?玉のような形をしているけど少し突起部分もある。 爺やから手渡されたそれは、小さい三日月のような形をしており、透明で透き通った緑生い茂るような…

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桔梗話譚 ~花のしらべ~ 序章 彼女と彼 出会い

桔梗話譚 ~花のしらべ~ 序章 彼女と彼 出会い

あらすじこの話譚は、獣士の一角「五統家」『神楽家の神楽 桔梗』の生き様である。

『妖』それは、人や生き物、現世へと害をなすもの達である。
『獣士』とは、獣神を使役し、妖を狩ることを生業にしている者達である。

桔梗は、とある山岳の屋敷の狭い世界で家族と過ごしていた。
だが、その日常が刻々と変わっていく。

十二歳の頃より座学・武術と学んでゆく、獣士となる為に。

彼女が自身の出生を知る日が来た時

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第二十一話 夢幻

第二十一話 夢幻

先ほどまで明るく照らしていた日が山へ落ち始める頃、梅との再会を終え集落を後にし屋敷へ向かう道中。

「桔梗、梅だったか……友達とは会えたのか?」
兄さまはなぜ梅のとの再会をこれほど気にしているのだろうか。

「えぇ。無事再会して楽しくお話が出来ましたよ。我が屋敷へ行ってみたいと言っていたので、父上と母様に相談してみようと思っています」
最初の重苦しい会話の内容が一度、脳内に再生され言葉に詰まるが嘘

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第二十話 梅との交流

第二十話 梅との交流

さて、再会をしたのはいいのだけど。
私は梅の事を全然知らないよね。逆もしかりなんだろうけれど。

う~ん。っと一人唸りつつ梅を観察してみる。

私より背はやや低め、150ぐらいであろうか? 体は華奢ではあるが年相応の肉付き。
顔は梅の実のように真ん丸、目は透き通った深紅、髪は顔を強調するかのようなおかっぱで深紅の色、実に小柄で可愛らしい子である。

「……桔梗様? 何か考え事ですか? 小さくて愛ら

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第十九話 お供と再会

第十九話 お供と再会

太陽の心地よい木洩れ日が部屋の中へ差し込む中。

「……刀よし。甲冑よし。札もよし。そして、おにぎりよし!」

《桔梗。ずいぶんとはりきって準備をしておるようだが、今日は何用か?》
私が朝からお供の支度をしていると狛が珍しい物を見るかのように問うてくる。

「ふふっん。今日は久方ぶりのお供の日なのですよ。しっかり準備をして赴くのです!」
少し膨らんできかたかもしれない? 胸を反り謎の自信を見せるの

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第十八話 見極めの試練

第十八話 見極めの試練

「はぁ……もう数日梅と会えてないな。お供ぐらいさせてくれてもいいのになぁ…」
天刃を取得して数日、刀の鍛錬もしたし座学もそこそこ終えた頃。
布団の上で、だらーっとしつつ虚空に向かって深いため息をつく。

残すは実戦経験のはず。
実戦に勝る経験はなしっと言葉があるぐらいだし。ね?

もしかして、父上に現状を見て頂き納得させる事が出来れば、集落へ行けるのではないか? そう考え思い立ったら動く!
『ダダ

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第十七話 新たなる術 天刃

第十七話 新たなる術 天刃

「こほんっ。話が脱線してしまいましたな。お時間よろしければ儂がお教え致しますが、どうなされますかな?」

「朝餉も終えたので体力気力ともに万全です。爺や是非、教えてください!」
強くなる為の努力は惜しみたくない、いつまでも足手纏いになってはいられないし。
何より、梅に会うには力を付けないとお供も許してくれ無さそうだし。
っと強くなる為の理由が少しばかり――私欲的だけどいいのだ。

「では、準備が出

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第十六話 相談と二人の師

第十六話 相談と二人の師

「爺や。術に関して教えて頂きたいことがあるのですが、今お暇はありますでしょうか?」
朝餉を終え席を外そうとした爺やを引き留め伺いをする。

「おや? 座学と武術だけでは足りませぬか? そうですな。午前は桔梗様の疑問にお付き合いしましょうかな。奏様は自習ということで……さぼらぬ様に。」
自習と聞こえた時は解放された。と自由を謳歌するぞ! といった顔をした兄さまであったが最後の言葉で。
一瞬「……ビク

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第十五話 桔梗の事情と友達とは

第十五話 桔梗の事情と友達とは

昨日は、自分が思っていた以上に疲れていたみたいだ。
——身体がずしりと重い。全身に鉛を付けられたかのように重いのだ。

「初めての出来事が多すぎたよね。決意が初日からブレそうだな……はぁ……」
私は重い身体を強き意志で無理やり起き上がらせいつものを……っと思ったのだけど。

兄さまは起こさないでいいって言ってたね。

なんか物足りない気がするのだけど、やれることをしようかな。
そうなると、昨日思っ

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第十四話 桔梗の決意

第十四話 桔梗の決意

揺れている……私の体が宙に浮いているような錯覚を覚える。
どうやら担ぎ上げられ野山を高速で移動していたようだ。

「——? 父上あの後、どうなりましたか!?」
私は意識を取り戻し現状を知るため、獣神で移動している父に声をかけるのであった。

「桔梗、起きたか。屋敷へは数刻で着くはずだ。今は休め」

「良かった。無事帰れそうで安心いたしました。うっ……」
吐き戻したからだろうか? 口の中や喉が胃液の

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第十三話 妖殲滅戦

第十三話 妖殲滅戦

「キィーシャァー!」
兎のようなそれは血肉を獲ようと父上に飛び掛かかる。
冷静に妖を自身に引き付け、妖の脳天から縦の一閃で真っ二つにする。

数多の生業を成し遂げてきた父上にとって、この妖は小物に過ぎないのである。

「流石、父上! これで一安心ですね!」
私は一難去った事に肩の荷を下ろしつつ、狛へ指示を出そうとしたのだけど。

「桔梗こちらへ来い! まだいるぞ。奴らは群れを形成してることが多い、

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第十二話 遭遇

第十二話 遭遇

「桔梗、狛の扱いは慎重に。主の意向を示すのは良いが、善悪の区別が神には理解が出来ぬのだ。日夜対話を怠らぬようにな」
集落怪奇現象こと狛暴走騒動が鎮火されたあと、私は父上のながーい説教を受けつつ獣神の扱いに関してと日々の鍛錬の助言を受ける。

結果的には初めての友達が出来たので良しとする。
ちゃんと反省はしている。

次は起こさないはず――たぶん。

「精進します……父上?そろそろ帰るのですか?」

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第十一話 梅との出会い

第十一話 梅との出会い

「——ちち~うえ。!歩くのが遅いですよ!これでは日が暮れてしまいます!」
今、私達は集落に向けて二人で野山を下山している。

今日の格好は生業用の戦闘装束を着こんでいる。
万が一に妖に遭遇した場合、軽装では命の危険があるかもしれないからだね。
いざとなったら、父上が倒してくれるはずだとは思うけれど。

で、なぜ下山なのかというと。神楽の家は小高い山の中腹にあるので、最初は下山という形になる。

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第十話 お祝いと家族との団欒

第十話 お祝いと家族との団欒

獣神との契約を終え、肩に乗りそうな大きさのちんまりした狛と祭壇の間を出る。
父上は出入口付近で待っていてくれたのだが、落ち着きのない子犬のように出入り口で回っていたようで可愛らしい。
私は、父上の意外な一面が見れた事で緊張の糸が切れ頬を緩める。

「無事、契約は終わったようだな。桔梗も今日から獣士となる。これまで以上に精進するように。——よかったな」
最後の一言だけはいつもの威厳あるものではなく、

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第九話 獣神降臨の儀

第九話 獣神降臨の儀

今私は五の刻迫る中――
白と赤を基調とした巫女装束を身に纏い、脇に刀を添え足早に祭壇の間へ向かっている。

ついに、この日がきた。 

――獣神との契約の日だ。

昨日は、神事の滝つぼで禊も行い身体も清めた。
儀式のやり方も今日まで欠かさずこなした。
祝詞を覚える事に難儀し、少しばかり不安が残るけれど何とかなるはず。

いや……何とかするしかないんだ。

不安と緊張の混じった心情を拭い去るよう、頭

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第八話 母の思いと妙案

第八話 母の思いと妙案

今日は、慣れないことをして疲れたな。
そう一日を振り返り、肉体的に精神的にと疲れ果てた桔梗であった。

彼女がそんな怠惰な衝動に駆られつつ布団の上で横たわっていると。
『トントンッ』っと襖を叩く音がする。

「桔梗さん。入ってもいいかしら?」
そう言って私は訪ねる。
「は~い」っと少しばかりおざなりな返答をしつつ、招き入れてくれる。

「母様どうされたのですか?もう寝る時間を過ぎてると思われますが

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第七話 護石と桔梗の刀

第七話 護石と桔梗の刀

……何だろうこの石?玉のような形をしているけど少し突起部分もある。

爺やから手渡されたそれは、小さい三日月のような形をしており、透明で透き通った緑生い茂るような新緑の石であった。

「これは護石「勾玉」といいます。堀士が丹精込めて作っています、身を守るためには必要不可欠なので、肌身離さずお持ちくださいですじゃ」
これは、奏様が時間をかけて、桔梗様の為に作成したものですよ。

ほほっ。っと和やかな

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