プロテイン業界を分析してみた。

皆さんこんにちは。
今週から扱うのは「プロテイン」です。タンパク質補給食品は近年増加傾向にありますが、議論の簡略化のため、今回はプロテインを【プロテインパウダー】と定義します。

外部環境分析

プロテインを取り巻く環境

まず、プロテインを取り巻く環境についての分析を行っていきましょう。
前提として、プロテイン業界は近年伸びている市場であり、ここ数年は少なくとも伸びることが予測されていることが分かります。

では、プロテイン業界は今後も安定して伸びていくのでしょうか?
全く課題はないのか、PEST分析と5F分析を基に分析していくこととします。

PEST分析

ではその原因をマクロ的なトレンドをとらえるフレームワークであるPEST分析で紐解いていきましょう。ざっくりと分けるとこのようになります。これらのうち特に重要だと考えられる動向について解説していきます!

①健康志向
コロナウイルスのパンデミックにより、人々の間で自分自身の健康についての意識が高まりました。加えて、自粛要請の影響とYouTube・SNSの大衆化によりジムではなく家でも健康維持をするためのコンテンツが増加しました。
②筋トレブーム
コロナウイルスのパンデミック以前より、パーソナルトレーナーの認知などをきっかけとして筋トレブームが再来していました。その一方で、およそ9割が1年後にはジム通いを辞めているというデータもあり、筋トレブームは長期にわたって持続しにくいものであることが推測できます。

まとめると、現状プロテイン市場が伸長傾向にある理由として、健康志向・筋トレブームをはじめとした追い風が吹いていることが分かります。とはいえ、筋トレブームが持続しにくいものであること・コロナが落ち着くに従い、健康志向がいかに展開されているか不透明である、という点から、この状況に胡坐をかいていた場合、頭打ちになると考えられます。

5F分析

競争環境を把握するためにミクロ的な脅威をとらえるファイブフォース分析も確認しておきましょう。ファイブフォース分析は自社の脅威を「新規参入」「同業他社」「代替品」「売り手」「買い手」ごとにとらえるフレームワークです。

新規参入が多く、かつ代替商品も増加しているため、競争は激化することが予測される。

外部環境まとめ

以上をまとめると、数年は伸びることが予測されるものの、離脱層も多く、競争も激化する見込みです。離脱層の再取り込みの施策を打ったり、新規市場開拓したりする意義は十分にあります。

企業分析

ここまで、プロテイン市場の市場分析をしてきました。次に、今回取扱う、明治・SAVASについて分析を行います。

明治は、プロテイン市場において4割近くを占めます。ここから、競合との戦略というよりも、市場規模拡大の方に注力してほしい、と考えます。

企業理念など

<明治>
グループ理念:
私たちの使命は、「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、「健康・安心」への期待に応えてゆくこと。私たちの願いは、「お客さまの気持ち」に寄り添い、日々の「生活充実」に貢献すること。私たち明治グループは、「食と健康」のプロフェッショナルとして、常に一歩先を行く価値を創り続けます。
経営姿勢: 5つの基本
1.「お客さま起点」の発想と行動に徹する。
2.「高品質で、安全・安心な商品」を提供する。
3.「新たな価値創造」に挑戦し続ける。
4.「組織・個人の活力と能力」を高め、伸ばす。
5.「透明・健全で、社会から信頼される企業」になる。
行動指針:
meiji way
お客さまの、パートナーの、仲間たちの、「そばになくてはならない存在」であるために
1.お客さまと向き合って、お客さまから学ぶ。
2.先を見る勘を鍛え、先駆ける技を磨く。
3.仕事をおもしろくする、おもしろい仕事を創る。
4.課題から逃げない。やりぬく気概と勇気を持つ。
5.チームの可能性を信じ、チームの力を活かす。

4P分析

ここまでが市場・自社分析になります。

顧客分析

では、次に、顧客分析を行っていきましょう。
プロテインを購入する人には
A 筋肉をつける=筋力増大・筋肉維持(ボディビルダー~部活生)
B 健康維持を求める
=<B-1>筋肉をつける(ヨガ~ウォーキング~老後の心配)・<B-2>置き換えダイエット/腹持ち
C 大きな不足分を補う ←食事の代わり
の3層でグラデーションとなっていることが予測されます。

各目的に対して、プロテインは何を行えるものなのか、まとめると以下のとおりです。
A  プロテイン=筋肉の育成をMAX効率で行えるもの
B-1 プロテイン=筋肉の育成を補助してくれるもの
B-2 プロテイン=満腹感と栄養素を同時に提供してくれるもの
C  プロテイン=食事の代わりを提供してくれるもの

一方で、どの顧客にプロテインは届いていないのでしょうか。
横軸に当人が生活に求めるたんぱく質量をおき、縦軸に栄養に対する意識をとって非飲用者を含めてセグメント分けしました。結果は添付画像の通りです。〇は届いている層、✗は届いていないと想定される層、△はまちまちである層です。

プロテインがとどいていない理由

では、なぜプロテインが届いていないのでしょうか?ヒアリングを基にまとめてみました。
一番大きな理由は【自分事になっていないこと】が挙げられます。この要因をより深掘りしたとき、①プロテイン=筋肉 のイメージが強い ②自分自身(顧客自身)=運動に縁がないなどの理由でプロテインを飲む必要性を感じない という2点が大きな課題として浮かび上がってきました。
なお、他に上がった理由は、③タンパク質不足に対する自覚がない ④筋トレやプロテインに対して以前挫折した の2点です。ここについては、介入余地のあるポイントとして次週以降意識して議論を進めていきます。

次回予告

次回からは明治・SAVASの市場拡大を見込んだ売上向上施策を考えていきます。特に、プロモーション施策を論理的かつ徹底的に考えていくことを目標に、既存製品を如何に新規顧客に届けるか、という視点で施策立案に入ります。
それでは、次回もよろしくお願いします!







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