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#10 傾聴は話を聞くことではない

マネジャーはもちろん、人とコミュニケーションを取るときはよく【傾聴】が重要ですよ!という記事や本はよく見ると思います。

確かに相手の話に耳を傾けたり、注意深く聞いたりすることは信頼関係を作ることにおいて重要だなと日々感じています。

当たり前かもしれませんがそれと同時に【傾聴=話を聞くだけ】ではあまり意味がないことも感じています。

傾聴とは話を聞くことだけではなく、相手がどんなことを思っているかを考え抜き、それを共有することが大切です。ようは相手が訴えたいことを読み取れるかが鍵です。

今日はそんなお話です。

傾聴とはどういうことか

定義としては以下の通り。

傾聴とは相手の話を深く聴いたり、話し方や表情、姿勢、しぐさといった言葉以外の部分に注意を払ったりすることで、相手を理解します。
(傾聴とは? 意味、ロジャーズの3原則、実践方法8選、ビジネスで効果を出すには? カオナビ人事用語集)

傾聴をしてくださいと言われると相手の話をよく聞くことに集中するために自分からは話さない、自分の意見を言わないなど意識されます。

ただやってみるとわかりますが、相手がどんなことを考えているか、会話聞きながらどんなことを相手が考えているか、感じてるのかを想像しながら行うのは簡単ではありません。

だからと言って、傾聴を怠ると聞いてる側と話してる側の意見や思いが違っていたり、私はこう言った、自分はこう受け取ったなど、双方の考え方や受け取り方によっては全く違うように受け取ってしまい、トラブルにもなったりします。

難しいからやらない!だと意味はないので、まずは相手がどんなことを考えたり、感じたりしているかを簡単に意識しながら聞いてみてください。

こんな感じなのかなー、こうなのかなーと自分ではなく、相手の立場だったらどんな風に思うかを想像するといいと思います。

最初は難しいですが、慣れてくるとだんだんできるようになってきます。地道な積み重ねが大切です。

例えば、

彼女とデートの最中、綺麗な夜景を見るために歩いてみようと自分は思っていたとします。ですがなんだか彼女は釣れない様子。あれだけ見たいと言ってたのになぜだろう。

このときどう考えますか?

もしかしたら彼女はヒールを履いていて、1日中歩いて疲れたと思っているかもしれません。もしかしたら、寒くて、ちょっと体調が悪いかもしれません。

上の定義にも含まれておりますが、話を聞くだけではなく、相手の行動やしぐさから理解しようとすることも傾聴の一つです。

まずは相手をよく見て、話してみましょう。

傾聴の意味はわかる、だけどうまくいかないときは

傾聴はわかるし、理解できるけど、なんかうまくいかない、そんなときは相手に聞いてみることも対応の一つです。

傾聴まではできたけど、なんとなく様子がおかしい。あまり納得していない様子があるというのは表情など見れば結構わかったりします。

私も経験がありますが、そんなときは自分が感じたことと、相手が発信した意図が違うことが多いです。

前章のデートの例題から考えると、ヒールを履いてるから足が痛いと思って、やっぱりやめようと言って、なんだか不満そうな顔をしてるとしたら、


・もしかしたら、絆創膏貼って、夜景を見たいのかもしれない。
・夜景を楽しみにしていたのかもしれない。
・自分のせいでいけなくなり、申し訳ないと思っているかもしれない


など、不満な顔から考えられることを捻り出し、相手に聞いてみるといいと思います。

このとき重要なのが、【具体的】に聞いてみることです。


抽象的になんか不満?とか疲れてる?などいうと「私の気持ち、わかってないなー」と思われがちです。

夜景見たかったよね。
ヒール大丈夫?痛くない?
などなるべく具体化して聞いてみるといいと思います。

事例から考えてみよう

最後に事例から考えてみましょう。


★事例
訪問リハビリステーションの管理者のFさん。管理者になってから2年経つ。
もともとうまくコミュニケーションをとることが苦手でどうしたらいいか悩んでいた。上司からとにかく【傾聴を!!】と言われていたのでスタートの話を聞くことに徹することにした。
Fさん「最近体調どう?」
スタッフ「体調まあまあいいです。」
Fさん「そうなんだ。前よりはいい感じかな?きつかった言ってね。」
スタッフ「はい。お気遣いありがとうございます。また何かあったら言いますね。」

この会話は決して悪くはないと思います。ですが、もう少し掘り下げていけそうですね。

スタッフはどんな風に思っているか、感じているかを考える必要があります。

本当に調子が良かったら、「はい、元気です!」とか「良くなりました!」などもう少しはっきり大丈夫だと言うことを伝えそうですよね。

この会話のみから考えられることは

・前よりはいいけど、まだ本調子じゃないかもしれない
・体調面はいいかもしれないけど、業務負担が大きいかもしれない
・調子は悪くないけど、寝不足であんまり元気がないかもしれない
・また別のことが気になってるのかもしれない
・悩みや不安を抱えているかもしれない

などこの言葉の裏に隠されたものがありそうな予感がします。

なので、この会話で深掘りするとしたら
【まあまあいいです】の後に、
「まあまあってことはまだ調子が本調子ではない感じかな?」や「なんか調子以外で気になることある?」


など言えるかなとも思いますし

【また何かあったら言いますね】の後に、
「〇〇(具体的な物事や仕事)はどう?」などその人がネガティブになってしまっていることを具体的に聞く
のもいいかと思います。

まとめ

傾聴は簡単そうに見えて難しく、奥が深いものです。日々コツコツ、やり続けて、うまくなっていくことが大切です。

傾聴ができるようになると、マネジャーとしても大きな強みになります。

それでは。

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