わいさく

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【消化器】腸間膜動脈虚血

どんな時に想起するか(急性腸間膜動脈塞栓症の場合)高血圧・不整脈・心血管疾患の既往のある高齢者に、突然発症の激しい腹痛・血便・腹部膨満が出現した場合 症状 激しい腹痛・腹部膨満・血便を呈するが、特異的な所見はないので、常にこの疾患を頭において診療することが重要。 腸管虚血が進行して穿孔をきたすと、反跳痛や筋性防御などの腹膜刺激症状を呈する。 対応 問診・身体診察で特異的な腹部所見が取れない高齢の腹痛患者では、高血圧・脂質異常症・糖尿病・不整脈・心血管疾患の既往を必ず確認し

    • 【皮膚】多形滲出性紅斑

      どんな時に想起するか感染症後・薬剤内服開始後に、四肢に左右対称性に紅斑が出現したとき 症状 おおよそ、両手背(軽症)→両四肢→顔面・体幹(中等症) の順に進展するイメージで、左右対称性に円形の浮腫性紅斑が出現する。重症化すると水疱を伴うこともある。疼痛はあったりなかったり。  発熱・粘膜疹・結膜炎を伴うと、Stevens-Johnson症候群に進展していると考えられ、緊急の対応(ステロイド内服・入院・眼科コンサルト)が必要となる。 対応(重症度別) 2~4週間ほどで自然消

      • 【救急対応】頭痛編

        はじめに 頭痛は器質的障害によらない一次性頭痛と、器質的障害が原因の二次性頭痛に分類され、救急対応で対処すべきは二次性頭痛である。ただし、既往で一次性頭痛がある患者においても二次性頭痛の除外を怠ってはいけない。 ①除外必須な疾患 頻度高めな疾患(太字は特に) くも膜下出血 急性・慢性硬膜下血腫 急性硬膜外血種 脳出血 脳動脈解離 髄膜炎 脳炎 頭蓋内占拠性病変 緑内障発作 巨細胞性動脈炎  まれな疾患 高血圧性脳症 褐色細胞腫 下垂体卒中 脳静

        • 【救急対応】腹痛編

          はじめに 腹痛の訴えに対しては、一般にイメージしやすい消化管病変のほか、心血管系の病変や妊娠の可能性も考えなければいけない。 緊急度別に下の3グループに分けられる。 ①除外必須な疾患 腸閉塞 消化管穿孔 腹膜炎 急性膵炎 急性心筋梗塞 大動脈解離 大動脈瘤破裂 腸間膜虚血 異所性妊娠(緊急度というか胎児被ばくの関係!) ②次に考えるべき疾患 虫垂炎 胆嚢炎 急性胆管炎 尿路結石 骨盤内炎症性疾患 胃・十二指腸潰瘍 ③それでもないなら、、

        【消化器】腸間膜動脈虚血

          医学学習(息切れ・呼吸困難の鑑別、肺血栓塞栓症、肺高血圧症)

          1.息切れ・呼吸困難  呼吸困難は、①気道、②ガス交換、③循環のいずれかが障害されることで、全身に十分な酸素を供給できなくなった病態である。  鑑別では、まず急性発症なのか、もしくは慢性発症なのかを確認する。 急性の場合は、まず急性心筋梗塞・気胸・肺血栓塞栓症を除外するところから始める。 急性の場合は急性気管支炎・気管支喘息・心不全が頻度が高く、 慢性では気管支喘息・心不全・COPD・間質性肺炎の頻度が高い。  間質性肺炎の背景として、膠原病など自己免疫疾患が絡むことも多い

          医学学習(息切れ・呼吸困難の鑑別、肺血栓塞栓症、肺高血圧症)

          医学学習(COPD、喘鳴、循環器疾患の概要、結節性硬化症)

          1.COPD  中高年の喫煙経験者の慢性進行性の湿性咳嗽・痰・労作時呼吸困難で疑う。 しかし10%は非喫煙者に発生し、小児喘息での肺の低発育も一因か? ほかに喘息とCOPDが混合した病態もある。  呼吸困難は急性期のものと異なり、気づかないうちに進行。  末梢気道閉塞と気腫性病変が混在し、肺胞壁破壊による気腫性病変により肺胞表面積が減少し、拡散障害(O2交換機能の低下)も併存する。  診断では気管支拡張薬投与後の呼吸機能検査(スパイロメトリー)で一秒率70%未満が必須であり

          医学学習(COPD、喘鳴、循環器疾患の概要、結節性硬化症)

          医学学習(咳嗽、肺炎、SBS、肺結核、呼吸器疾患のイメージ)

          1.咳嗽  咳嗽は呼吸器疾患での外来で最も多い訴えのひとつである。  持続期間で、急性咳嗽(~3w)・遷延性咳嗽(3w~8w)・慢性咳嗽(8w~)に分けることが有用である。 ACE阻害薬などの服薬歴は必ず聴取する。  急性咳嗽では急性上気道炎や感染後咳嗽を念頭に、発熱や咽頭痛、鼻汁の有無を確認する。咽頭痛と漿液性鼻汁が伴った場合、多くはウイルス性上気道炎である。 呼吸数の増加や聴診所見があれば肺炎を疑い胸部単純写真を撮る。  慢性咳嗽は非感染性疾患が主な鑑別となり、多いもの

          医学学習(咳嗽、肺炎、SBS、肺結核、呼吸器疾患のイメージ)

          医学学習(帯状疱疹、皮膚筋炎、偽性腸閉塞、胸痛の鑑別、背部痛の鑑別、咽頭痛の鑑別)

          1.帯状疱疹 疾患の概要 神経節に潜伏したVZVが加齢や免疫低下の背景で再活性化し、デルマドームに一致した疼痛・皮疹をきたす。皮疹は紅斑・丘疹・水疱・膿疱・痂皮の各段階が混在。水疱を認めた患者にはワクチン接種の有無と周囲の感染状況を聴取。 2.多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM) 疾患のイメージ 中高年女性の近位筋筋力低下で疑う。問診では発熱・関節痛・筋痛・レイノー現象ありを聴取する。 DMは悪性腫瘍の合併多く(30%)、中には皮膚症状のみを呈するものもあり、その場合間質

          医学学習(帯状疱疹、皮膚筋炎、偽性腸閉塞、胸痛の鑑別、背部痛の鑑別、咽頭痛の鑑別)

          医学学習記録 (ギランバレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー、多発ニューロパチー、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、Lambert-Eaton症候群)

          1.ギランバレー症候群(GBS) 疾患のイメージ 先行感染(胃腸炎・上気道炎)の1~2w後に急性(日単位)発症する運動障害メインの多発ニューロパチー(急性四肢筋力低下・四肢麻痺) 症状 ・軸索型(カンピロ感染後)腱反射亢進しうる:四肢麻痺のみ ・脱髄型(EBV、CMV感染後):四肢麻痺+自律神経障害も伴いやすい この2つは日本では頻度半々 麻痺で下半身動かせないと、深部静脈血栓症から肺塞栓合併有り 鑑別 周期性四肢麻痺、亜急性発症Lambert-Eaton症候群 2.

          医学学習記録 (ギランバレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー、多発ニューロパチー、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、Lambert-Eaton症候群)