【消化器】腸間膜動脈虚血

どんな時に想起するか

(急性腸間膜動脈塞栓症の場合)高血圧・不整脈・心血管疾患の既往のある高齢者に、突然発症の激しい腹痛・血便・腹部膨満が出現した場合

症状

 激しい腹痛・腹部膨満・血便を呈するが、特異的な所見はないので、常にこの疾患を頭において診療することが重要。
腸管虚血が進行して穿孔をきたすと、反跳痛や筋性防御などの腹膜刺激症状を呈する。

対応

 問診・身体診察で特異的な腹部所見が取れない高齢の腹痛患者では、高血圧・脂質異常症・糖尿病・不整脈・心血管疾患の既往を必ず確認し、既往があれば本疾患を疑い、造影CTを行う。既往がなくてもAFが隠れている可能性もあるので心電図を行い、不整脈の有無を確認する。
 造影CTでは、上・下腸間膜動脈の造影欠損や、腸管壁の造影不良を確認する。消化器外科にコンサルトする。
 輸液・アシドーシスの補正・広域スペクトラム抗菌薬・減圧のための経鼻胃管挿入を行う。
 

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