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組織の存在意義を高めるリーダーシップ

人は、目的を果たす上で、一人で成し遂げることができることには限界があります。
そのため、同じ目的を持った人たちと共に組織を形成します。
しかし、目的が同じとは言え、個々の人格や能力、成し遂げるための手段も異なります。

組織には、必ず果たすべき目的や目標があります。
そして、その目的や目標を果たすために必要な機能がマネジメントです。
そして、そのマネジメントを司るのが、マネジャーでありリーダーです。

組織にとって不可欠な存在がマネジャーやリーダーですが、混同される場合があります。
しかし、明らかにマネジャーとリーダーは異なります。

最も違うことは、その影響力の源である存在意義ではないかと思います。
諸説ありますが、私なりに定義化してみました。

マネジャーとは、理念・目的を達成させるために具体的な目標・戦略・戦術を立案し管理推進する存在。
対して、リーダーとは、組織の理念・目的を掲げ、その遂行のために士気を高め鼓舞する存在。

また、影響力にも違いがあると思います。
例えば、マネジャーとは、トップダウンで職務に対して与えられた権限であり、その権限で指示、命令を出します。
対してリーダーとは、人望や属人的な個人的な要因などからボトムアップで形成された権威ではないかと考えます。

組織の成果を高めるためのマネジャーやリーダー像を論理的に分析したリーダーシップ理論は多数あります。

マネジメントで知られるドラッカー氏は、その著書の中で、リーダーには、組織の方向性を示す指導力、優先順位を決める判断力、基準を定める決断力などが必要としています。
また、仕事の責任を自らが負う責任感と部下からの信頼感が高いことが大切と訴えています。

また、優れたリーダーシップを発揮する人とそうでない人とを行動のパターンでまとめた「PM理論」を学びました。

「PM理論」とは、リーダーの機能を大きく「目標達成行動機能」と「集団維持行動機能」の2つの能力要素に分けて考える理論です。

「目標達成行動機能(P:Performance function)」は、目標、戦略、KPIなどを設定して、トップダウンで行動を徹底させ、成果を向上させる能力の高いリーダーとなります。
対して「集団維持行動機能(M:Maintenance function)」とは、人間関係を大切にして組織力を高めることで、ボトムアップにより成果を向上させる能力の高いリーダーです。

そして、それぞれ、Pを縦軸、Mを横軸に置き、リーダーを、Pm型、PM型、PM型、pm型の4つに分類します。

この中で、目標達成行動機能(P)が高く、逆に集団維持行動機能(M)が低いタイプをPm型は、目標を達成させる能力は高いが組織を機能させる能力は低いタイプです。
逆にpM型は、目標達成行動機能(P)が低く、集団維持行動機能(M)が高いタイプであり、組織を機能させる能力は高いが、目標を達成させる能力が低いタイプとなります。
説明の必要はありませんが、pm型は、リーダー失格としか言えません。

そして、理想のリーダー像が、PM型です。
そもそも論に戻りますが、組織とは、一人では成し得ることの出来ない目的や目標を達成するために存在します。
その組織を活かさずに成果を上げても、それは組織の存在意義がなくなるとも言えます。
つまり、組織を機能させて、目標を達成させ続けられるリーダーこそが、リーダーの理想であると考えます。
そして、その理想のリーダー像が、PM型であり、PとMを状況によって使い分けられる存在でなければならないと言えます。

その上で、Pm型、pM型であれば、低い機能を自分自身で養うことも大切です。
しかし、Pm型のリーダーであれば、反対のpM型の補佐役を側に置く。
同様に、自身がpM型なのであれば、反対のPm型の補佐役を側に置くことことで、自分自身の低い機能を補完させることも組織ならではの機能なのだと思います。

リーダーシップと言えば、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の大谷翔平選手は印象的でした。
特に、決勝戦を前にして、「今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて勝つことだけ考えて行きましょう」と意気込み、「さあいこう!!!」と叫びんでチームを鼓舞した姿が印象的です。

対して、リーダーには、カリスマ性が必要で、リーダーシップは資質、素質であって、自分には向いていないと考える方も多いかと思います。
ところが、ドラッカー氏は、「リーダーシップは資質ではなく仕事である」と断言されています。
つまり、元々、備わったものではなく、高めようと意識して行動することで養われるものです。
是非、立場に関係なく、リーダーシップを養い組織の目的や目標の達成の貢献を目指してはどうかと思います。

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