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暑いから…「阪急うめだ本店」の和菓子 大解剖

ニュースで「危険な暑さ」と伝えられる毎日です。
昔ながらの和菓子屋さんに足を運び、ちょっぴりお話を伺いながら買い物できたら楽しそうと思いつつ…暑い。

そんなときには、全国の美味しいものを揃えてくれている百貨店ってやっぱりありがたい存在。
百貨店ごとに、セレクトする和菓子屋さんが違うところも、個性が出ておもしろいなと思います。

そこで第1回は、大阪で代表的&先端百貨店の「阪急うめだ本店」(大阪市北区)をチェックしてみようと思います。


「阪急うめだ本店」の和菓子屋さん

これまで取材させていただいてきて、洋菓子や限定商品に強いイメージがあった「阪急うめだ本店」。

和菓子はどうだろう?と調べてみると、
2024年8月現在、和菓子の分類に30店舗が出店していました。
そのほかに「日本の銘菓撰」「銘菓銘品催事 四季折々」「和菓子和のいろいろ」で販売されるものや、催事・イベントととして別のフロアで販売されるものがあります。

和菓子はそんなに多くはないのかな?なんて思っていましたが、そんなことはなかった!というか、めちゃくちゃ多い…

めげそうになる気持ちをおさえて、1店舗ずつチェックしていきます。

(店舗入れ替えがあるかもしれませんので、
行かれる方は、直前に、お店があるかフロアガイドで確認をお願いします)

※ 後日、実際にいただいたらリンクを追加していきます


・赤福 (三重県伊勢市)

ときどき無性に食べたくなる赤福餅。
柔らかいお餅となめらかな餡子がクセになります。
最近は白餡もあって、ついついセット買いしてしまう心理をついてるなぁと感心(笑)

赤福餅の誕生は、いまからおよそ300年前の宝永四年(1707年)。

赤福餅は、お餅の上にこし餡(あん)をのせた餅菓子です。形は伊勢神宮神域を流れる五十鈴川のせせらぎをかたどり、餡につけた三筋の形は清流、白いお餅は川底の小石を表しています。名は「赤心慶福(せきしんけいふく)」の言葉から二文字いただき、「赤福」と名付けたと言い伝えられております。

赤福


・& OKOSHI(アンド オコシ) (限定出店)

粟おこし・岩おこしで有名な文化 2年(西暦1805年)創業の「あみだ池大黒」(大阪市西区)による、モダンなプレミアムおこしのブランド。
おこしに「抹茶ミルク」「バターハニー」「アーモンドキャラメル」などのフレーバーがついています。

おこしはおこし米ともいい、
米や粟などを熱して干した後、
熱した砂糖や水飴に混ぜ、型に入れ乾燥させた干菓子のことをいいます。

あみだ池大黒


・一心堂 (大阪府堺市)

1952年(昭和27年)創業のフルーツ大福のお店。
あんことお餅に包まれる甘酸っぱいフルーツの組み合わせを発見した方ってどなたなんでしょうか、気になります。


・おさつどきっ (限定出店)

路面店でもさつまいもデザートのお店が増えましたね。
さつまいもは食物繊維も豊富で、自然の甘さが楽しめますし、蒸したり焼いたりいろいろ加工できて、なんといっても焼き芋の香りなんて漂ってきたら、もう買わずにいられない気持ちに…

って、脱線しました。
こちらは通常の「おさつどきっ」の1.5倍厚切りという、阪急さんが得意なタイプの限定商品です(2023年4月オープン)。


・小布施堂 (長野県上高井郡)

栗のお菓子で有名な老舗。
栗鹿の子、栗羊羹、栗もなか、栗あん生菓子などのほか、モンブランまであります。

特に小布施堂本店でしか味わえないという、期間限定の「モンブラン朱雀」は砂糖を加えていない栗そのもののクリームが、栗あんの上にふんわりのっていて美味しそう!

阪急うめだ本店では、渋皮栗と二種のクリーム、栗あん、スポンジ、生クリームをタルトにのせ、さらに栗あんをかぶせたという「朱雀モンブラン」が販売されています。


・叶匠壽庵 (滋賀県大津市)

こちらは関西のあちこちの百貨店で見るお馴染みの和菓子屋さん。
代表銘菓は、羽二重餅を「丹波大納言小豆」の餡で包んだ『あも』。
あもは、いただいたことがあるのですが、とろとろのお餅と餡が安定の美味しさでした。お餅だけど意外と日持ちする(1ヶ月弱)のも助かります。


・鎌倉紅谷 (神奈川県鎌倉市)

関西でもすっかり有名になった「クルミッ子」ですが、和菓子のカテゴリーに入っていたとは知らなかった!

戦前、東京神楽坂に山手一といわれた和菓子舗紅谷がありました。戦後、腕利きの職人たちは、その看板を背負って全国各地で新たな紅谷を開きました。のちに有井弘臣と共に鎌倉紅谷を創業することになる有井鉄男も、その中の一人でした。昭和二十九年十月、鎌倉市雪ノ下一丁目十二番四号の北条泰時小町邸跡地に二人は力を併せて菓子処紅屋を創業し、同三十年一月には合資会社紅谷となり現在に至ります。

鎌倉紅谷


・京煎堂 (本店:京都市東山区)

京都祇園に本店があるお煎餅屋さん(本店には茶房も)。
お茶の葉や豆のお煎餅が有名なようです。
餡と求肥をお煎餅で挟んだ「菜宝楽」は見た目もかわいいし、お煎餅だけど生菓子というのもおもしろいと思います。


・共楽堂 (広島県三原市)

マスカットなどのフルーツを、薄い求肥で包んだ「ひとつぶのマスカット」が有名なお菓子屋さん。
フルーツの旬に合わせて、販売期間が異なります。
苺大福もありますが、いちごが包まれていなくて、上に刺さって?います。


・くら吉 (秋田県仙北市)

化学肥料を使わない赤倉栗園の栗を使ったお菓子が有名なお店。
阪急うめだ本店では販売していないようですが、大きな栗が丸ごと入った「善兵衛栗一粒大福」が美味しそうです。

あまり見ない気がするほおずきのお菓子があってこちらも気になります。

↓ 実食レポはこちら


・桂新堂 (名古屋市熱田区)

エビそのものが味わえるえびせんべいの有名店。(百貨店の定番であちこちに入られています)
こちらは何度もいただいていますが、香ばしくて美味しいですよね。
しかし、代表作品だという高級な「車海老姿焼き」というのはいただいたことがありません…。


・鼓月 (本店:京都市中京区)

昭和20年創業。
「千寿せんべい」が有名ですね。
サクフワ食感のクッキー生地に、フワッとしたシュガークリーム。
見たら口の中に味が蘇るお菓子です。


・琥珀糖Okada (東京都中央区)

宝石みたいな見た目と名前の琥珀糖を販売するお店。
銀座に店舗を構える「宗家 源吉兆庵」のブランドです。
琥珀糖には、岐阜県産の糸寒天と北海道産のてん菜糖が使われています。


・コメマリ (大阪府池田市)

あられやおかきを販売する「とよす」の新ブランド。
おかきをころっと丸く可愛らしく、パッケージもモダンにして、若い人も手に取りやすくするという挑戦を感じます。


・萩月 (京都市東山区)

あられやおかき、おせんべいのお店です。
贈答品パッケージが多く、米菓が好きな方には安定の贈り物。


・仙太郎 (京都市下京区)

「おはぎ」や「ご存じ最中」が知られている京都のお店。季節限定商品もいろいろ用意されています。
過去に、「もち最中」をいただいたことがあります。

↓ 実食レポはこちら


・たねや (滋賀県近江八幡市)

こちらは説明いらないかな?と思うくらい関西で知名度の高いお菓子屋さん。
「クラブハリエ」も展開されています。

フラッグシップショップの『ラ コリーナ近江八幡』は、もう天晴れです(テーマパークのようで楽しいです。建築好きも楽しめます)。


現在も進化中の「ラ コリーナ近江八幡」
(こちらはある年の9月の写真です)
設計は藤森照信さん
自然の温もりがいっぱいの楽しい施設です


・珍々堂 (本社:大阪市西成区)

おかきやあられのお店。
ここでいつも買うのは「錦マヨネーズ」。食べる手がとまらなくなります。


・辻利兵衛本店 (京都府宇治市)

お茶屋さんなので、お抹茶系のお菓子が人気です。
わらび餅やどら焼き、バームクーヘンなど。


・鶴屋八幡 (大阪市中央区)

大阪にお店を構える老舗の和菓子屋さんです。
江戸時代の「菓子絵図帖」が残されているなど歴史のあるお店です。

生菓子のほか、どら焼き、「百楽」という粒あんとこし餡がある最中、羊羹などが知られています。


・鶴屋吉信 (京都市上京区)

1803年創業の京都の老舗和菓子屋さん。
小倉羹を村雨(小豆と砂糖と小麦粉などを蒸したもの)で巻いた「京観世」などが有名です。
個人的には、昭和天皇が買われたという「柚餅」(ゆうもち)」をいただいてみたいと思っています。
滋賀羽二重糯でつくる秘伝の「求肥」で作られているそうです。


・とらや (本社:東京都港区)

こちらは説明はいらないくらい有名な老舗の虎屋さん。
伝統を守るだけでなく、新しいことも取り入れながら、前に進む姿勢も支持されているのではないかと想像しています。

羊羹はもちろんですが、あんペーストもいいですよね。


・中田屋 (石川県金沢市)

昭和9年創業の金沢のきんつば屋さんです。
きんつばは、ピカピカ大粒の粒あんが特徴。
大納言小豆は北海道の契約農家さんに作ってもらっているそうです。


・風雅 (熊本市東区)

平成2年(1990年)創業の有明海の海苔を使ったお菓子「風雅巻き」が知られるお店です。
元が海苔専門店なので、海苔にこだわりがあります。


・福砂屋 (長崎市川口町

1624年創業のカステラ屋さん。
福砂屋では、昔ながらの味と製法で、ミキサーを使わない「手わざ」にこだわって作っているそうです。

カステラもお店によって味が異なりますよね。
いつか食べ比べしてみたいな。


・ふくのたね (限定出店)

「1948年創業の福壽堂秀信がプロデュースする次世代おはぎと創作和菓子の新ブランド」(福壽堂秀信の所在地は大阪市住吉区)
季節の生菓子が可愛らしいです。

きなこではない「白のおはぎ」:焙煎発芽玄米粉(ファンケル発芽米使用)×十勝産小豆「雅(みやび)」こしあん×全粒道明寺(もち米)が気になります。


・まめ新 (本社:大阪)

明治38年に創業した豆新のショップ。阪急うめだ本店には、昭和25年にオープンしていて長いお付き合い。
豆菓子やナッツを販売しています。

編集者さんが買うときについて行ってから時々買っていますが、種類が多くていつもあれこれ買ってしまいます。


・満月 (京都市左京区)

江戸末期創業の阿闍梨餅が有名なお店です。
きっと阿闍梨餅が嫌いな人っていないですよね。

「阿閣梨餅」は、比叡山で修業する僧にちなみ命名させていただきました。この 菓子は、大正期に二代目当主が開発しました。餅粉をベースにして、卵などさま ざまな素材を練り合わせた生地に、丹波大納言小豆の粒餡を包んで焼いた半 生菓子でございます。

満月


・両口屋是清 (名古屋市中区)

寛永11年(1634年)創業の名古屋の老舗のお菓子屋さんです。
紅白の和三盆の干菓子「二人静」、北海道産小豆を使用した茶通「旅まくら」が有名です。

おっと!ここで半生菓子の焼き物「茶通」(ちゃつう)が出てきました。(以前、「和菓子とは?」でわからなかったお菓子の種類ですが、なんだ、食べたことありました)

(茶通とは)砂糖卵白とをすりまぜ、小麦粉片栗粉を入れてこねた皮でゴマ入りのあんを包み、その上に茶の葉をつけて焼いた菓子

コトバンク


・緑寿庵清水 (京都市左京区)

弘化4(1847)年創業の金平糖のお店です。
季節限定はもちろん、ワインや日本酒などで作った高価な「究極の金平糖」なるものもあるようです。


「日本の銘菓撰」で購入したもの

※ 商品が変わるセレクトスペースですので、実際にご購入の際は店舗にご確認ください


月毎の「美味1週間」で購入したもの

「日本の銘菓撰」の売り場の一角に、美味1週間のコーナーがあります。
こちらでは、毎月、曜日ごとに販売される商品が公開される仕組みになっていて、気になるお店の商品が並ぶ可能性がある要チェックの棚です。

というわけで、こちらに紹介する商品はいつも買えるわけではありませんので、実食レポはご参考まで。
HPの売り場ニュースで販売スケジュールを確認してください


「銘菓銘品催事 四季折々」「和菓子和のいろいろ」で購入したもの

※ 期間限定イベント出店スペースです。
過去にこんなものが販売されていたのだなぁという程度に参考にしていただければ…


調べてみて…思ったこと

ふぅ…(まとめるのに時間がかかりました)
洋菓子が強いと思っていた「阪急うめだ本店」ですが、和菓子もしっかり揃っていました。さすがです。

そして、食べたことがあるものが意外と多いことも驚きでした。
お店の名前や商品名は覚えていなかったけど、食べてた…みたいな(笑)
やはり、人は意識していないと、記憶に残らないのですね。

あらためて気になるお店やお菓子が出てきたので、これからどんどんいただいていきたいと思います!楽しみです。

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