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「残業」は凡人を救うための救済策

「残業」という単語に対してマイナスのイメージを抱くのは私だけではないはずです。世の中の大半が避けたいことでしょう。

かつてのように、残業すればするほど昇進・昇格が確約されていた時代とは異なりますし無駄に会社で過ごすくらいなら家にさっさと帰りたいものですよね?

【残業OR自学習】


結論、「頑張って働くな、賢く働け」なんて言われますが、大半はそれが困難だから残業という手段をとっている訳です。世の中には、同一の文章を、1分で理解し他人にシェアすることが可能な人間もいれば、10分かけても理解が追いつかない人間がいるのです。

生来の知能指数・培った基礎学力を唯一取り返す方法は努力すること、すなわち残業しか手段はありません。

「定時で上がれば、家に帰って勉強することも出来るじゃないか!」

総務省が公開する令和3年社会生活基本調査で、労働者が自学習に充てる時間は週平均7分、回答者の96%は0分と発表されました。無論、大多数を占める凡人が回答者の96%を構成しているのは言うまでもありません。

残酷な真実ですが、定時で上がったところで凡人は、スキルアップや自学習に時間を投資しないことは証明済みです。因みに、勉強をしている人だけで平均値を出すと週平均123分らしいですね。

仕事中心の生き方(Work as Life)が絶対正しいとは言いませんが、地主のボンボンでもなければ経営者でも無い大多数にとって「労働」は避けられない運命です。自学習にリソースを割いて良い労働環境、報酬を求める努力をした方がより良い人生を送れるのは言うまでもありません。

【ホワイト企業病】

時代の煽りを受けてか、どこもかしこも”残業の少なさ”をアピールする会社ばかりです。一見すると、非常に良い社会ムーブメントですね。

他方、成果を残せないのに、権利主張だけは強く定時で上がる。”ホワイト企業”にぶら下がることだけが目的の社内フリーライダーの創出を助長することにもなります。

「会社が認めたんだったら、いいんじゃないの?」

基礎能力が高く、自己研鑽が出来る優秀な人間が自動的に集まる優良企業であれば問題ありません。与えられた時間できっちりパフォーマンスを残す人たちが多数を占めますからね。少数派のフリーライダー、働かないおじさんが居たとしてもそれを補う企業体力があります。

ですが、とりわけ地方にあるような凡人又はそれ以下の社員で構成された中小企業などにとって、このようなトレンドは、企業の競争力・持続力が損なわれる一方です。

「残業が無いと生き残れない企業なんて存在しなくていいじゃん?」

企業体力が無い中小企業が淘汰されることで社会機能が停止することはありません。ですが、労働者の「働き場所」が損なわれることで無職が大量発生し、社会はディストピアへと変貌するでしょう。

いわゆるブラック企業や成長性がない中小企業というのは、凡人かそれ以下の労働者の受け皿になっているという残酷な真実があります。

何も、最初から経営方針でブラック企業を目指す会社は少数派です。ブラックな人材しか集まらないが故にブラックな経営方針を取らざるを得ないということの方が多々あるのです。


慈善団体やNPO法人であればまだしも、資本主義社会の営利企業である以上、機能的価値・競争力が求められて当然なんですよね。それらの価値を提供できない労働者は、他者より時間をかけて価値提供をしないといけないだけです。

世の中って残酷なんです。

【さいごに】

「なんでそんな残業推進するの?」

残業を推奨したい訳ではありません。自助努力が出来ない人間にとって、社会で機能的価値を提供する方法は、強制的に「人より働く」環境に身を置くしか無いという真実を知りましょう。

現代社会は、急速な個人主義化に伴い誰でも自己利益を優先することが容易になりました。youtuberを筆頭にフリーランサー職が拡大したことで自己実現が出来る労働スタイルを正義とするトレンドが世間に跋扈しています。

「自由な働き方」が強調される一方で彼らは結果・成果が完全直結するという多大なリスクを負っていることが矮小化されています。

結果を残さずとも、長く働くだけで割増賃金が保証される制度は、社会機構が与えてくれた凡人に対する唯一の救済策だと言うことを理解すべきです。

余談ですが、残業は反吐が出るほど嫌いです。

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