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エッセイ集 もりの化身

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一般人の僕が思うことをただただ書いています。 綴るほどでもないが、綴らないよりはマシだと思い綴ります。 思ったことや実体験を書いた僕なりのエッセイです。 読んで欲しい欲求の化…
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記事一覧

超当たり前ワールド

超当たり前ワールド

幼い頃は公園に遊びに行くのも、ご飯を食べるのも、行ったことのないはじめましての場所を歩くのも全ての明度が高く新鮮な心持ちだった。

いつからだろう。

それが当たり前の公園、当たり前のご飯、当たり前の場所にそれぞれ姿を変えたのは。
それは決して悪いことではなく、それだけ世界に僕が中和しているということ。慣れとはそういうもの一種である。

もしもその当たり前に対し摩擦を感じたのなら、その当たり前は恐

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エッセイ/金色の畦道

これは僕が小学2年生の頃の話。
クラスメイトはだんだんと自転車に乗れるようになっていった時期だった。
周りは皆、膝に傷をつけてはケタケタと笑っていた。
僕も自転車に乗れるように放課後や休日は自転車の練習に躍起になっていた。

そもそも自転車ってあんなにも細いタイヤで補助輪も付いてないってよくよく考えたら結構リスキーな乗り物なんじゃないかと考えたりもする。
でも少々リスキーだからこそ、当時の僕は乗っ

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エッセイ/赤色の憂鬱

エッセイ/赤色の憂鬱

僕の好きな色は赤である。
代々の携帯電話やスマートフォン、自転車、バイクなどももれなく赤色だ。
ビタミンカラーに力を貰える様で好きだ。
もしかしたら自分に無いパワーを感じられるから好きなのかもしれない。

しかしながらふと気づいたことがある。
僕は赤色の衣類をどの季節も着ていない。

赤い服を持っていないのだ。

情熱や愛情を示す赤。
そんな赤を小物や乗り物で満たしては、自分自身には身に纏っていな

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エッセイ/イケメン

エッセイ/イケメン

先日サッカーのワールドカップ予選を観た。
友達の家で2人で観戦。普段はサッカーの“ッ”の字も話しの話題に上がらないのに。大層にポップコーンまで買ってやった。
いざ試合が始まるとそれなりに盛り上がる。
普段はサッカーの”ー“の字も話しの話題にならないくせにだ。

日本代表の10番南野選手がゴールを決めた。
イケメンエースストライカーのゴールだ。
友達はイケメンで日本代表のエースでゴール決めるってずる

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エッセイ/着信履歴

エッセイ/着信履歴

居留守ってたまにしてしまうのですよ。
ピンポーンとチャイムがなるとビクってしちゃって。
荷物届く予定のない日は特に。
なんかソワソワしちゃって結局ピンポーンを聞いていないふりしてしまうこともあって。
でもたまにその方が本当の宅配業者の方で、再送してもらうという大迷惑をおかけするのですが。申し訳ない。
僕は居留守常習犯には違いないですね。

そんな僕が常思うのは携帯電話、スマホについてなんですが、着

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エッセイ/勝手にアンバサダー

エッセイ/勝手にアンバサダー

数人で宅配ピザを注文する際、僕はいつも嘘をつく。
自分を偽り、相手に合わせる。
大概、複数人で宅配ピザを注文する際は、色々な味を楽しみたいから1枚のピザに何種類かの味が混合し合っているのを頼む。王道のマルゲリータや和風照り焼きのソースなど味に飽きが来ない様振り幅を効かせる。
しかし本当に僕が食べたいのはいつもそのラインナップにはいない。

パイナップルのピザ

僕は1番これがスキ。
昔は注文時毎回

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エッセイ/そこT病

エッセイ/そこT病

よく晴れた日曜日にUNIQLOに行った。
テレワークでなまっただらしのない身体に喝を入れるべく、運動用の吸水加工のジャージを買いに出掛けた。

日曜日って流石だ。UNIQLO店内には、平日の倍以上のお客さんで賑わっている。
晴れも流石。客足が遠退かない。重なる流石に後押しされた店内で、僕はお目当てのジャージを探し始めた。
しかし広い店内。なかなかジャージの在処が見つからない。僕は忙しいなか恐縮極ま

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エッセイ/遅刻

エッセイ/遅刻

この話しをすることで僕の心の器がお通しの小鉢の様に小さいことがバレてしまうが、それに関してはなにも問題ないと僕の頭の中で判決がくだったため書いていく。

友人との待ち合わせ、僕は10分前に現地に着いた。友人の姿はまだない。約束の時間までイヤフォンで音楽でも聴きながら待っていると、気づけば4曲5曲とメロディーは色を変えていく。ようやく友人の顔を拝めたのは約束の時間から15分後のこと。

「ごめん、少

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エッセイ/なんか不安だよね

エッセイ/なんか不安だよね

僕はときどき、大きな不安に丸呑みされる。
仕事はうまくやれるかな。
天気がどんよりしているな。
身体が思うようにいかないな。
先々の将来がわからない。
別に不安な事案はないけどなんか漠然と不安だな。

など不安のもとを辿ればキリがない。
心と脳と身体が違う意見を言ってくる。頑張りたいけど身体が重い。心が重たいけど仕事の時間だ。根性ひとつで乗り越えなきゃ。
などといった訴えが僕の元に大きな荷物として

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エッセイ/ポッと出た哀愁

エッセイ/ポッと出た哀愁

友達のSNSのアイコンがサグラダ・ファミリアの写真だった。いつかの旅行先で撮ったであろう一枚だ。
そういえばあと数年でようやく建築が完走するのかと思いながらその友達のSNSを見ていたら、どうやらこのご時世、完成は延期らしい。そう綴ってあった。
僕自身、サグラダ・ファミリアを観たことも、サグラダ・ファミリアについて思考回路に思想を走らせたこともないが、完成が延期と聞いてはなぜだか少しホッとした気持ち

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エッセイ/深夜の

エッセイ/深夜の

久しぶりにガンプラを作った。小さなSDガンダム。二頭身のかわいいやつだ。購入したのは1ヶ月ほど前なのだが、疲れていたのかなかなか組み立てる気になれなく、ようやく先日の深夜に組み立てたいという衝動にかられ、取り憑かれたかの様にガンプラを組み立てた。

深夜にガンプラを作るという子供の頃ならば確実に母親に怒られるであろう行為を、堂々と自室の蛍光灯を全開にして組み上げるのは大人の特権である。はじめはガン

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エッセイ/ノスタルジー

エッセイ/ノスタルジー

埼玉県にある西武園ゆうえんちがリニューアルしたらしい。気になってヤフってみた結果、僕は次の連休にでも自室でひたすらにNetflixと戯れる友達を誘って、早々に足を運びたくなった。そこはまるで、映画【ALWAYS 三丁目の夕日】の様な昭和の街並みを再現しているテーマパーク。その時代を生きていないゆとり世代の僕からしても、ノスタルジックな空気感が画面越しにホカホカと伝わってくる。

バナナの叩き売りや

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エッセイ/近道

エッセイ/近道

山を歩いて越えるのはさぞ大変だろう。
川を泳いで渡りきるのは、ドーバー海峡横断部でも特番を何度も放送するほどの大仕事。

その煩わしさをスッキリ解消するために、膨大な人力と時間のもと、先人達は山に穴を掘りトンネルを作った。
川や海峡の向こう岸に行くために、知力と体力のマンパワーで橋を作った。

こうして僕が品川からのぞみでビュルっと静岡に行けるのもトンネルがあるから。多摩川の向こう岸に買い出しに行

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エッセイ/ナイト様

エッセイ/ナイト様

僕は湿気が苦手。
だから梅雨時期は堂本剛並みに正直しんどい
高い湿度の空間内では身体がムズムズ、ぞわんぞわんでね。
高校の修学旅行で高額の積立金のもとオーストラリアの熱帯雨林に行ったことがあるのだが、高湿度と高温度のケミストリーでナヨナヨしながらアボリジニのぶっといブーメランを買ったという高歯痒さ度の記憶がムズムズと残っている。

今年になって僕ってほんとうに阿呆だなと実感を搾り倒した出来事がある

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