チャレンジを続ける我が社にとって新しい刺激を得られる場所|ニッティド株式会社 井戸端 康宏さん、井戸端 佑磨さん
昨年11月に開催された和歌山ものづくり文化祭2022に出展したニッティド株式会社 代表取締役 井戸端 康宏さん、井戸端 佑磨さんのインタビューを紹介します。
(聞き手:和歌山ものづくり文化祭事務局長 吉田圭吾)
―ニッティドさんといえば、5本指靴下のパイオニアで、ドイツにも拠点を持つなどグローバルに活躍する企業なので、あまり地場の企業というイメージがないのですが、どういうきっかけで和歌山ものづくり文化祭を知りましたか?
(井戸端 康宏社長、以下社長)元和歌山よろず支援拠点コーディネーターの矢埜さんが実施する勉強会があり、実行委員長の菊井さんもその勉強会のメンバーということで、菊井さんのことは元々知っていました。
その縁があり、和歌山ものづくり文化祭にお誘いいただき、二つ返事で出展OKと即答しました。
―即答ですか!もしかして、弱みでも握られていますか・・?
(社長)いえいえ(笑)
私のポリシーとして、声をかけていただいたことには基本的にはOKとしているんです。初めて内容を聞いたときは面白そうなイベントだなという印象で、純粋に活動を応援したいという気持ちから即答していましたね。
トレーラーガーデンの認知度を上げたいという思いもありました。
(井戸端 佑磨さん、以下佑磨)トレーラーガーデンは、地元のJR加茂郷駅前に私が入社する半年ほど前の2022年4月にオープンした複合施設です。
3台のトレーラーハウスをウッドデッキでつなぎ、カフェ、スタジオ、ショップを展開しています。
(社長)きっかけは、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大して、日本全体がマスク不足に陥った当時、マスクが買えなくて困っている地域の人たちのために、本社の一角にマスクを販売するストアを開設しようと思ったら、これが、建築基準法の関係で建物を建てられなくて…。そこでトレーラーハウスに目が向きました。
―トレーラーガーデンをオープンしてから変わったことはありますか?
(社長)それまでは和歌山ではあまり事業活動はしておらず、海外市場を意識して事業を行ってきたのですが、それでは地域での自社の認知度は低いままでした。
トレーラーガーデンをオープンしてからは、地域内外から人が集まってくるようになり、会社の認知度が上がり、ありがたい反応としては、採用の応募数が増加したというところもあります。
トレーラーガーデンをやっていると、自分事になってくれる、会社への親近感が湧くという気づきがありました。海外だけやとうまくマッチングできないことが多かったので、これからは「ものづくり」「グローバル」「ローカル」の3つの軸を意識しています。
―最近採用された方への印象はどうですか?
(佑磨)トレーラーガーデンで5本指靴下を買って使用して、営業できる商品であることを認知してから入社してもらえるので、ミスマッチが減り、非常に印象が良いです。
最近入った方は非常に前向きで、思想に共感してくれていますね。発信拠点・コミュニケーションの場として小売りはチャレンジしてよかったです。
―和歌山ものづくり文化祭に話を戻します。トレーラーガーデンとは違った雰囲気だったと思いますが、実際に出展してどうでしたか?
(社長)トレーラーガーデンの感触が非常に良かったので、地元の方に知ってもらう良い機会だと考えていました。
そして、ちょうど和歌山県庁主催のデザイン経営を学び・実践するプログラム「VALUE」に参加していたタイミングで、ビジョンとブランドの見直しに着手したところでした。ウチは5本指靴下のブランドを複数展開しているのですが、それをどうやってお客様にわかりやすく伝えるかという課題がありました。もの文では複数のブランドを一緒に並べたのですが、機能や使用シーンに注目して購入されるお客様が多かったです。ブランドを掲げた方がわかりやすいと思っていましたが、お客様はブランドで商品を購入されるのではなく、ライフスタイルに合わせて商品を選ばれていることに気づきました。お客様と直接コミュニケーションが取れるもの文でこそ得られた価値です。
(佑磨)お客様からのフィードバックをもらって、自分たちが作っている商品に自信を持つことができましたし、社員のモチベーションアップにもつながりました。私自身を含め、もの文でお客様の生の声を聴く機会が得られたのは非常に良い経験になりましたね。
もの文きっかけでトレーラーガーデンに改めて来ていただいたお客様も多くいらっしゃり、もの文の影響力をまざまざと見せつけられました。
また、同じ製造業・ものづくり企業であっても、中々他の企業の方と交流する機会はなく、ましてや南海オープンファクトリー交流会で他地域との横のつながりができたのは、良い刺激をいただいています。
―ニッティドさんは製造工程の多くで自動化が進んでいるので、体験ワークショップの内容を決めるのは苦労されたんじゃないかなと思いますが…?
(佑磨)体験内容は、初めは5本指靴下をデザインしてもらうという案がありましたが、色々なハードルがあり、最終的にはみ出ている糸を処理するという工程を体験してもらうことになりました。来年は5本指靴下を実際に体験してもらうというコンテンツを考えています。
―早くも来年に向けての抱負が聞こえてきましたが、最後に2023開催に向けてチャレンジしたいことがあれば、教えてください。
(佑磨)来年は従業員をもっと巻き込みたいと思っています。
2日間という短い期間で多くのお客様とコミュニケーションをとれる場というのは貴重です。
そこで、U-35もの文プロジェクトチームを社内公募しました。なんと、5名の精鋭が手を挙げてくれました。もちろん私がリーダーです!今年はビジョンとブランドの見直しをとことんやる予定なので、お客様目線での視点を取り入れられるよう、もの文という場で新たな気づきを得たいと思います。
(社長)あとは、エイガールズさんに売り上げで勝ちたいですね!昨年は惜しくも2位でしたから。佑磨なら売上という結果もきちんと残してくれるでしょう(笑)
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