「で『私』は、なにをするの?」からの「ゆうドリ」(7)星とコストのカンケイ
RayArc(レイアーク)、ならびにRayArc Astrolabe(アストロラーベ)の皆さま、おつかれさまです。新規事業ユニットです!
ボードゲーム🃏制作プロジェクトからお伝えします。
「で、結局『私』は、なにをするの?」
ゲームマーケット2023秋の新作(のひとつ)、「勇者駆動開発案件~すべての現場に祝福を~」は、理想のチームをつくる協力★競争の競り式チームメイキングゲームです。
ゲーム全体の俯瞰した流れや進め方は、すでにnoteでもゲムマサイトのゲームページでも公開中です。
今回は、細かい部分(例えば手札が増えるケースとか、行動回数が増えるケースとか)はあえて割愛して、基本動作としてひとりのプレイヤーの視点から、だいたいどんなことをするかをお伝えします。
(7)星とコストのカンケイ
前回「(6)「交渉」に応じる」の説明の流れの中で、
と紹介しました。そうです、各エンジニアのコストは、熟練度の星の数と完全に一致する値に設定してあります。
じつはここ、開発時にチーム内で議論した争点です。
星が示すものはなにか?
星は、そもそもコストそのものを表現しているのではありません。「新米」「一般」などの称号に相当する部分の視覚化です。
称号は今回の世界観等色々考慮して「漢字」にしている
ヒトによっては、直感的に処理できないかもしれない
であれば、熟練度を把握できる情報をより普遍的にも載せたい…
その思いから、魔人が追加したものでした。しかし…。
コストと値は同じ? ならば…
魔人も(パンプさんもだが)本業は開発に携わるエンジニアですので、冗長な情報にはもともと敏感です。そして今回、星は本来コストを示してはいないのですが、結果的にコストの値と「同じ」になります。
パンプさんから、
漢字情報の「補完」として数値が必要なら、コストの値がまさに同値だから、それだけにできないか?
と、デザインの変更提案がありました。
そのココロとして。過剰な情報は、基本的にはゲームの邪魔になります。できるのであれば、情報量は無駄なくシンプルな方がよい。プレイ体験を大切にしたいから、ということでした。
これはね、魔人にもよくわかりました。でも…。
それを『いっしょくた』にしてよいのか?
エンジニアなればこそ、冗長な情報にはもともと敏感…と先ほど書きました。しかし、なればこそ…、
「たまたま」同値になるが、本質的に意味するところが違うもの
をうかつに混ぜるのが危険なことも知っています。
そして、プレイ体験を考えて…というなら。数字の情報が潜在的に与える印象は相対的に強い、ということも無視できません。それは、潜在的に世界観のメッセージにもつながるのです。(と、少なくとも魔人は考えています)
このゲームの骨格のデザイン、そもそもの発案者はパンプさんです。魔人としてもそこにはリスペクトがあり、とくにこのゲームにおいては、パンプさんの意見は極力尊重したいのも事実です。
ただ、この件では、強く思うところがあり魔人も食い下がりました。
「熟練度」で示すものは、
このエンジニアの価値そのものですよね。
なら私は、
エンジニアに価値があるから、対価があって
それが結果的にコストになる
というゲームであってほしいと思う。
…………!
それが「逆に」伝わるような
情報量や、伝え方にはしたくない。
つまり、
コストが高いから
このエンジニアはすごいんだ
というメッセージにはしたくない。
…………。
「そんなの、結果的に同じ」
という価値観もあるかもしれない。
けど。
私はこのゲームを通じて、
エンジニアとコストの因果関係
をそうは伝えたくない。
矢印の方向を逆には伝えたくない。
なるほど……。
あのエンジニアは
高いから、価値がある
そうは伝えたくない。
価値があるから、高い
と伝わるゲームにしたい。
それが、
いくばくかのあそびやすさと
引き換えになることだとしても。
そのためにあえて…
というなら、
それはアリです。
じゃあ、ここは
このままにしましょう。
まとめ(ゆずれない思い)
実際にあそんでいただいた結果、もしかしたら、
との声が出てくる可能性もあると思います。
ただ、それでも。
そのエンジニアに提供できる価値があるから、それに見合った対価が必要なのです。絶対に、絶対に逆にはなりません。少なくとも、このゲームにおいては!
勇者駆動開発案件は、そんなちょっとメンドクサイ、あるいはどこまでも青臭いエンジニアの思いを込めたゲームです。
ゲムマブログにも公開しました。
(新規事業ユニット・ワクワク魔人S)
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