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まとめ : 野口悠紀雄 Twitter 「アベノミクス とは何だったか」


まとめ : 野口悠紀雄 Twitter「アベノミクス とは何だったか」

#アベノミクス とは何だったか(1) 2012年、#中国 のGDPは、日本の1.4倍だった。2019年、中国は日本の2.9倍になった。アベノミクスの期間、#日本経済が停滞 して中国が成長したから、こうなった。

#アベノミクス とは何だったか(2) 成長したのは中国だけでない。2012年、#米国のGDP は日本の2.6倍だった。2019年、米国は日本の4.0倍だ。アベノミクスが何をもたらしたかについて、こうした数字ほど雄弁なものはない。

#アベノミクス とは何だったか(3) 毎月勤労統計調査によれば、2012年の #実質賃金指数 は104.5。これが2019年には99.9となった。7年間で4.4%の下落。GDPは低率とはいえ成長したが、#実質賃金はマイナス成長。

#アベノミクス とは何だったのか(4) #人件費 を圧縮したので、#企業利益 が増加した。#利益剰余金 (よく内部留保といわれる)は2012年の250兆円が、18年には450兆円を超えた。しかし、使い途がないので、#現金・預金 の保有を増やした。残高は、150兆円が200兆円程度に増加。

アベノミクスとは何だったのか(5) 企業利益の増加で #株価 が上昇し、年金積立金と #日銀のETF購入 がこれを支えた。ETFを購入している中央銀行は日銀だけ。

#アベノミクス とは何だったか(6) #日銀 は、国債を年80兆円程度買い上げるとしていたが、購入額は2017年頃をピークに減少し、19年末には12-15兆円程度に縮小している。つまり、#異次元金融緩和の量的緩和は、すでにひっそりと終了している。

#アベノミクス  とは何だったのか(7) #日銀のETF購入 について、#OECD の2029年4月の「対日経済審査報告書」は、「市場の規律を損ないつつある」と批判している。

#アベノミクス とは何だったのか(8)2012年の国際経営開発研究所( IMD )の #世界競争力ランキング で、日本は27位だった。2020年版では、日本は過去最低の34位となった。

#アベノミクス とは何だったのか(9) #円安#異次元金融緩和 のためと言われることが多い。しかし、円安はすでに2012年10月から始まっている。これは、ユーロ危機の収束で、リスクオフ(円に投資)の流れが終わったからだ。

#アベノミクス とは何だったのか(10) 2013年から20年の間に #雇用者 は約500万人増えたが、その43%は #非正規 だ。これによって賃金上昇を抑えることができた。それによって企業利益が増加した。

アベノミクスとは何だったのか(11) アベノミクスの期間での企業売上高は、8.4%増。あまり高い伸びではないが、人件費伸びを4.9%に抑えられたので、営業利益は約40%増加した。

#アベノミクス とは何だったのか(12)生産性を上げるのでなく、#非正規・低賃金労働 に頼る構造は、労働市場の不安定化をもたらす。事実、今年1月から6月の間に、非正規は約100万人減(正規はむしろ増えている)。

#アベノミクス  とは何だったのか(13)アベノミクスの期間に増えた #非正規労働者 217万人のうち100万人はすでに職を失った。失業率がさほど高まらないのは、求職活動をしないからだ(1月から6月の間に、失業者は30万人増。非労働力人口は62万人増)。

#アベノミクス とは何だったのか(14) #生産性 を向上させることなく、#非正規の低賃金労働 に依存して #企業利益 を増やし、#株価 を上げた。負の遺産として、低生産性が放置され、労働市場が不安定化した。

#アベノミクスの誤解 (1)「#金融緩和 で #マネー がジャブジャブ供給された」は誤解。日銀が国債を買った代金は当座預金に積まれたままだった。これは「マネタリーベース」(マネーの元)であり、貸出が増えなかったので、マネーにならなかった。

#アベノミクスの誤解 (2)「#金融緩和 で #円安 になった」は誤解。円安は安倍内閣発足前の2012年10月から進行している。これは、#ユーロ危機 収束で、リスクオフ投資が止まったから。

#アベノミクスの誤解 (3)#金融緩和 で消費者物価を引上げることはできない。日本の消費者物価は為替レートと原油価格で決まる。だから、#インフレ目標 はもともと無意味なものだった。消費者物価が上がらなかったのは、経済が成長しなかったから。 

#アベノミクスの誤解 (4) 「#金融緩和 で企業の #カネ余り が生じた」は誤解。増加した利益の使い途がなかったので企業は現金・預金の保有を増やし、そのため貸出が増えなかった。そのため金融緩和が機能しなかった。

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