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今日から使える準備の力 野村克也氏/佐藤可士和氏を参考に

さて、今年は、働き方や生活様式がガラッと変わった、変えざるをえない年でした。
少しずつ、新しい働き方や、生活様式に慣れてきましたが、もう一度基本に立ち返ることも大事なのかなと思いました。

であるので、日々の仕事で必ず出くわす「打ち合わせ」や「準備」で大事なことや意識しておくべきことを
・今年2月に亡くなられた、野村克也氏の「超二流」という書籍
・アートディレクター佐藤可士和氏の「佐藤可士和の打ち合わせ」という書籍

から考えていきたいと思います。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

野村克也氏の準備の一流になればよいとは?

まず、野村克也さんについてです
今年2月に亡くなられましたが、言わずとしれた球界を代表する、名選手、名監督でした。

・現役時代はキャッチャーとして初めての三冠王を獲得、通算試合出場数と通算ホームラン数でも歴代2位を記録します。
・監督としても、南海ホークス、ヤクルト、阪神、楽天の監督を務め、平成時代の勝利数1位に輝きます。常勝軍団というよりも、Bクラスで低迷しているチームを率いることが多いです。

また、「成績が低迷している選手を蘇らせる野村再生工場」「データを駆使して戦うID野球」という言葉は、野球に詳しくない方でも聞いたことあるのではないでしょうか?

そして、多くの書籍を出版されたり、コメンテーター、解説者としても活躍しました。

こんな輝かしいキャリアを誇りますが、実は相当の苦労人です。
幼少時代は決して恵まれた環境で育ったわけではなく、なんとか高校進学はできましたが、そこのチームも弱小校。なんとか、野球選手になって貧困を脱出したいとう一新で野球に取り組みます。そして、運良くテスト生からプロ野球選手としてのキャリアをスタートして、球界を代表する選手に上り詰めました。

今回紹介する「超二流」という書籍でも取り上げられてた言葉で、
「二流だからこそ謙虚でいられるという強みがある。」という言葉があります。

努力を積み重ねることで、一流を負かすことも出来るこの考えは、本人が経験したことによるものです。そして教え子も突出した一流ではなく、努力を重ねた超二流と評している選手が多いです。
例えば、現ヤクルトの監督である高津監督、現在の西武の監督である辻監督、元ヤクルト監督古田敦也氏、元ヤクルトヘッドコーチの宮本慎也選手などです。

この「超二流」という考えはスポーツだけでなく、ビジネスシーンなどでも応用出来ますので、お時間のある時に見ていただけたらと思います。

さて、本チャプターでは、この超二流のなかの「物事の本質を考える」という章の、「準備の一流になればいい」という節が印象的だったのでこの節を中心に「準備や仮設力」を考えていきます。

野球とは特別なスポーツだ。一球、一球「間」というものがある。では、その間は一体何のためにあるものか。
ピッチャーが投げたボールがミットに収まるまで、時間にしたから一秒もかからない。150キロの速球で、0.41秒の到達時間というデータもある。
まっすぐだ、変化球だと一秒も立たないうちに見極めて対応するなんてことはどんな天才にだって難しい。
だからしっかり準備をしなければならない。だったら「準備」の一流になればいい。

野球の「間」はその準備をする時間、考える時間なのだ。それにも関わらず、多くの選手は何もしない、考えない。

野球選手は身体能力に優れているので、反射神経や天性の能力によるものなのかなと思ったけど、野村さんは、準備するという事を何より大事にしているようです。そして、具体的な例として元楽天、山﨑武司選手を例に出します。

山﨑はホームランバッターなので、そこに少し勝負心を加えてみたらどうだとアドバイスをした。「次は、絶対変化球だ!」と思って準備をしたところにズバッと真っ直ぐが来て、全く手が出なかったとしても私は何も言わない。
自分なりの確固たる根拠があって、備えたならそれでいい。
そして、次の打席までに「あの状況では絶対に変化球のはずだったのに、何故ストレートだったのだろう」と考える。この失敗を次に活かせばいいのだ。
このように、野球の本質は「準備にある」ということが分かる。

このように第一線で活躍する、トップアスリートは、自分の身体的能力や反射神経だけに頼らず、仮設を立てて準備をしてその結果を見返して、改善に活かします。

野村さんは、
・野球は間のスポーツという風に捉えており
・その間から、野球の本質は準備である、
・この準備を有意義に考える時間に使う、
・そしてその考えから行動に移す、
・その行動に移し努力をした者が超二流であり、一流にも勝てるという事
を体感したのではないでしょうか。

ここまでは、スポーツ選手の例でしたので、よりビジネスシーンでも考えていきたいと思います。
次のチャプターでは、アートディレクター佐藤可士和さんの「佐藤可士和の打ち合わせ」という書籍を中心に、準備や仮設力について考えていきたいと思います。

アートディレクター佐藤可士和氏が大事にしている打ち合わせに対する心構えとは?

佐藤可士和さんですが、「広告、デザイン」の業界では、知らない人がいないというぐらいの有名人です。

博報堂在籍時は ホンダ ステップワゴンの発売キャンペーンで広告の章の栄誉であるADC賞を受賞。
「子供と一緒にどこいこう」というコピーは聞いたことあるというリスナーさんも多いのではないでしょうか?

その後、独立してからは、
・SMAPのベストアルバムのデザイン
・ユニクロやTSUTAYAや楽天のブランディング

など、多くのプロモーションに携わっています。

一見すると、アイデアやひらめき等に優れているから、多くの人の印象に残ったり、心を動かすようなものを作れていると思われがちですが、書籍「佐藤可士和の超整理術」や今回紹介する「佐藤可士和の打ち合わせ」にあるように、実は、ロジカルで、言語化する力、打ち合わせ、整理、準備することを重視しているなと今回調べてみて思いました。

もちろんクリエイティブに物事を考えたり、センス的なところもありますが、このような第一線で活躍している人たちも、打ち合わせや準備する心がけなどは、参考になるし再現性も高いと思ったので、取り上げてみました。

今回は、「佐藤可士和の打ち合わせ」という書籍を中心に考えていきたいと思います。

本のタイトルにある通り、佐藤可士和さんが打ち合わせ時に意識していることや、打ち合わせをどのように捉えているかが触れられていて、とても参考になります。

例えば
・打ち合わせの質が成果物の質を決める
・仕事の能力は打ち合わせですぐに出てしまう。
・打ち合わせは、すべてが「あなた自身のプレゼンテーションの場」であり、毎秒毎秒が真剣勝負の場
などなどの言葉があって結構ハッとさせられます。

・ただ何の目的を持たず、打ち合わせをすることが目的になっていたり、
・とりあえず打ち合わせってなっていないだろうか
とか結構考えさせられます。。。

色々紹介したいのですが、このチャプターでは収まらなくなってしまうので、今回は「イメージの徹底が打ち合わせの準備である」という章を中心に取り上げます。

まず、打ち合わせにおいて、最も大事な能力とは「イメージ力」であると佐藤可士和さんは考えているようです。
打ち合わせとは、みんなで一緒に作り上げる場であり、「作ること」=イメージすることから始まります。どんなに素晴らしいアイデア、デザイン、プロダクトもすべて「こんなものがあったらいい」「こういうことが起きればいい」といったぼんやりとしたイメージから始まるとも言っております。

そのイメージを打ち合わせで出しあい、ぶつけ合う、そして方向性を導き出しながら、より良いアイデア、プロダクトに仕上げていく、そのための場が打ち合わせである。であるので、そういった目的意識を持った打ち合わせこそが大事であるということかなと。

そして、この「イメージをするという行為」についても佐藤可士和さんが大事にしていることがあります。
それが結構「なるほどな」って思ったのでポイントを3つほど紹介します。

1)準備をやりすぎない
クライアントの事を調べすぎないということを意識しているようです。
準備の徹底こそが打ち合わせの質を決めると言っているのに、矛盾していなかと思われるかもですがこれには理由があります。
クライアントの事を調べすぎてしまうと、
・一番大切にするべきユーザー目線というのがなくなり、ユーザーから離れてしまう
・そして、その商品の良さや驚きを感じなくなってしまう
からです。

クライアントからの要望の多くは「ユーザーの意識を変えること」であり、ユーザー視点は極めて重要です。であるので、さじ加減は難しいですが、イメージは膨らませつつも、調べすぎないということが大事ということです。

2)なるべくたくさんのイメージを持っておくということです。
打ち合わせは、イメージをぶつけ合い、そこから正解に導いていく行為なので、イメージや仮設は多く持っておいた方が良いということです。
一つのイメージに固執してしまうと、気づきが得られない、面白いアイデアがでない、みんなで作り出すことができないからです。

3)何を質問するかで打ち合わせの深さが決まる
打ち合わせを盛り上げるためには「問いかけ」が大事であるということです。ぼんやりしている課題が、質問をすることにより、明確になり話が前に進みます。この時にも「どういう質問をするべきか」というイメージをする力、準備をする力という能力が必要となります。

このように、第一線で活躍している、アートディレクターにおいても、準備する、イメージをふくらませる、打ち合わせという場をとても重要視しています。

さて、これまでのチャプターでは、野村克也さんと佐藤可士和さんを例に上げましたが、プロセスは異なりますが、両者ともに準備をとても大事にしているということです。
結果を出すために、何をするか、そのプロセスを重要視するという本質は同じなのではないでしょうか?
次のチャプターでは仕事や日常生活に使えるTipsについて考えていきたいと思います。

Tips 自分のアタマで考えよう

さて、野村克也さん、佐藤可士和さんを例に出しましたが、トップアスリートや第一線で活躍している方は準備をする達人とも言えるのはないでしょうか?
今回取り上げた、野村克也さんの「超二流」や「佐藤可士和の打ち合わせ」ですが、準備する力やもう一度基本に立ち返る大事さが感じられる書籍でした。
私も社会人になって、15年以上になりましたが、結構ドキッとさせられました。

さて、今回のTipsですが、「自分のアタマで考えよう」です。
Voicyの人気パーソナリティである「ちきりん」さんの書籍タイトルと、かぶっちゃいますが、今回まとめてみて感じたことです。

イメージを膨らませる、きちんと準備をする大事さを前のチャプターでは述べましたが、結果を出すためには、やはり自分なりに仮設をたてて、それをぶつけてみる、その結果を受けて、次の対策を考えてみるという一連のPDCAが必要です。このベースにあるのは、テンプレートとかに頼らずに「自分のアタマで考える」ということかなと思います。

なので、最短ルートとか最適解や答えは求めるものではないし、相手が持っているのではなく、自分で導き出すものである。そしてその答えは、時代によって、変わっていくもので、都度アップデートしていくものなのかなーと思いました。

今年も残り3ヶ月。
今年は、働き方や生活様式がガラッと変わった変えざるを得ない年だったかなと思います。
少しずつ、新しい働き方や、生活様式になった今だからこそ、もう一度基本に立ち返ることも大事なのかなと重い、今回は準備力をテーマに上げてみました。
また、10月に入ったので、下期がスタートしたというリスナーの方も多いかなと思いましたので、今回は実践に移しやすいテーマにしてみました。

おまけ 野村克也氏の書籍にはTipsが色々ありました!

さて、ここからは収録してみて気づいたネタでしたが、ちょっと脱線してしまいそうなので、おまけコンテンツです。
9月28日の放送「Eスポーツの進化に真のポジティブ思考を学ぶ」についてす。こちらは「リブランディング」の大事さについて取り上げられていました。リブランディングですが、ネガティブな点から視点をずらして、今まで気づかなかった魅力にフォーカスをあてるというマーケティングの考え
です。

マーケティングではないのですが、野村克也さんの野球に対してのスタンスも、リブランディングに通じるなと思いました。
例えば、40年以上前になるのですが、球界を代表するエースであり、ストッパーであった江夏豊さんのケースです。野村克也さんはこのように振り返ります。

江夏が南海にやってきたのは1976年だ。当時の江夏は血行障害も抱えていて、長いイニングを投げられる状態ではなかった。
しかし、江夏には抜群の制球力がある。私はリリーフに転向させるようとするが、その頃のリリーフの地位は低く、江夏は首を縦に振らない。それでも根気よく「野球界に革命を起こして、歴史を作ろう」と説得し江夏にリリーフを任せることに成功した。

このエピソードにあるうように、何とか選手の長所を見出し、そして活躍できるシーンはなにかを探し、更にその選手の自尊心も大事にする、そしてそのポジションの地位も上げる、まさに、個人ができるリブランディングだなと思いました。

他にも書籍「超二流」の第5章 超二流集団をどうリードするかの中に
「教えないコートが名コーチ」という説で、選手の自主性とか問題意識を如何にもたせるかが大事であるということに触れられていました。

これは、8月3日放送の吉井理人投手コーチの「選手を指導しちゃダメ」の真意 に共通する考えだなと思いました。
吉井理人選手コーチは現役時代の1995年〜1997年にヤクルトに在籍しており、当時の監督は野村克也さんでした。
自主性を尊重してくれたからこそ「選手を指導しちゃだめ」という考えにいたり「コーチの立場で指導ではなくあくまでサポートする」という考えに至った要因のひとつなのかなと、私の主観も入りますが感じたことです。

このように、調べてみると、過去のTipsと重なりあうのはまとめてみて面白いなと思うので、気づいたときにはちょっとした小ネタとして、取り上げてみようと思います。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。
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