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勉強するときにはちょっとだけ傷つく

今回の冒頭の挨拶は手短に。「新しいことを学ぶときには、痛みをともなう」をテーマに書いていきます。

痛みと言っても物理的に叩かれている痛みではありませんよ。すでに知られていることを初めて知ったときって、ちょっとだけ“恥”が出てくるんですよ。その痛みです。

そのときに「そんなことも知らないからって馬鹿にしてるんですか!」と言っちゃうのか「なるほど!すげぇ!」と言うのか。拗ねたりすぐに感情的になってしまうと、そのお仕事を長くやっていくのは難しくなると思います。

・インタビュー記事

・noteメンバーシップ“声と喋り研究所”


やっちゃいけない2つのこと

1.ネットの声を鵜呑みにする

2.1つを信じすぎる

僕も含め、ノウハウや方法などを発信しているコンテンツはたくさんあります。「必ずできる〇〇な方法」「稼げる〇〇」など。僕はあんまりこういうタイトルはつけませんが、「【フリーランス声優・ナレーターの】誰も言わないリアルな営業方法」という体験談を込めた記事は書きました。

もちろん、自分の名前で書いています。Twitterやnoteのプロフィールに“プロで声の仕事をしています”とも書いています。しかしたまにですが(筆者の)実態がわからないコンテンツもありますよね。

プロで活躍しているのになぜ名前を出さないのか?実名でできないなど理由は様々でしょうが、情報としての信憑性は正直微妙です。自分の名前を出して何かしらを発信するのはもちろん、リスクもあります。

でも、リスクを抱えながらでも発信されているものには“力”があるんですよね。

声のお仕事に関する記事を散々書いてきましたが、「それをお前は出来ているのか?」と思われることはあるでしょうし。

安全圏からではなく、自分も何か言われるかもしれないと思って、思い切って言い切る。

批判とか文句を大胆に言えってことじゃないですよ。たとえば僕の場合、声のお仕事はこうやって獲得してきました〜ってことを有料記事に書いていますが、買った人から

「同じようにやったのに、仕事にもらえなかったじゃないか!」

と、言われることもあります。正直、そんなこと言われてもって感じですけど。だからといって記事の返金対応とかはしません。言い切ることってリスクですよ。でも、そうじゃないと“言葉に力”が出てこないんです。いつまで経っても。だから、傷ついてでも“僕は、こんなことをしてきました”と、言い切る。これからも。

自分が出来ること・やってきたことしか書いていません。と、いうより書けない。歌って踊れるようにするには?声の作り方は?などを聞かれても分かりません。

いろんな人の意見を聞いていろんな方法を試してみる。技術に関してはキリがないくらいたくさんありますが、リテラシーの部分に関してはある程度は決まっているので、クライアント様からギャラが払われない、ここの一般公募のオーディションは受けていいの?など不安なことがあれば、日本俳優連合法テラスに相談してみてください。

先生や養成所・事務所のスタッフさんでもわからないことはたくさんありますからね。あまり一つの教えを基準にし過ぎないように。ぼくの言葉も含め。


理解と解釈の違い

1.読書

2.伝えることを考え続ける

月に何冊読むとかノルマなんて決めなくていいんです。人によって、読書にさける時間は決まっていますから。読める時に読む。読書をしたほうがいいとよく言われますが、そもそも読書の何が良いんでしょうか?

僕は、理解と解釈を分けて考える力がついてくるからだと考えています。

理解とは、向こうからやってくるもの。解釈とはこちら側からするもののこと。台本や原稿を読み解く力がつくのはもちろん、フリートークや自分の考えを言葉にする力もついてくるので、やらない理由はないですね。

そもそも、理解と解釈の違いとは?僕が言っているのは、Wikipediaや広辞苑に載っている言葉の意味的なことではないんです。価値観とでも言いましょうか。

現場やレッスンで言われる“読解力”とは、制作側の意図を汲めるようになることを指す場合が多いんです。台本であれば脚本家がイメージしているキャラクター像を声にすること。ナレーションであればディレクターやプロデューサーが読んでほしい読み方を汲み取ること。


理解=“あちら側が言っていることを把握する事”
解釈=“こちら側がそれに対してどう思ったか?”


お芝居やナレーションで言葉を伝えるというのは、自分がどう思ったか?(解釈)を伝えることではなく、理解を出すことなんです。

ここにどれだけ早いタイミングで、感覚的に気づけるか?頭で考えていても、どうにもここの折り合いがつかなく、自分だったらこうやるとか、一生懸命やったからという“感情”を優先してしまうことになります。

なぜか?

個人が抱く感情には正解も不正解もないからです。今の自分を受け入れてほしい。受け入れてもらえる場所を探そうとする。これではなかなかは難しいんです。という僕も“伝えること”に関しては試行錯誤の真っ最中です。これに満足や終わりはないでしょう。

いろんな理解を深めるために“読書”が必要

自分以外の視点を知れるから。何もなしに自分以外の視点に立つのはなかなか難しいですか、本であればすぐに“他人の考え”に触れられます。

‥と、言ってもじゃあどんな本を読めばいいの?と思われる方もあるでしょう。おすすめの本を‥と、言いたいところですが、あなたがどんなことを必要としているのか?何が知りたいのか?わからないので、無闇にお勧めはできません。何かを勧めるということは、その人の時間をもらうということですからね。

今知りたいこと、勉強しなきゃいけないことくらいは自分で考える。学校や養成所では教えてくれないところです。レッスン生は先生に聞けば答えてくれると思っているから。少し偉そうな意見になってしまいますが、だからずっと通い続けることになってしまうんです。

今の時代、読書をする人は減っています。YouTubeで要約を見たり、簡単に人に聞けたりすることができてしまうので。だからこそ、読書をするだけでも人と差をつけられます。上手い下手ではなく、読むか読まないか。


学びを出す場所を作る

学校、養成所に通ってきて感じたことの一つに「成長しない人」には、共通する特徴がありました。それは何か?

“勉強になった”

これだけで済ませようとすること。これまでやってこなかったことを教えてもらうとめちゃくちゃ刺激になりますよね。でも、それだけで終わっちゃいけないんですよ。それをやらないと。

噛み締めるだけで、終わりにしていませんか?

教えてもらったことを参考にボイスサンプルを作ってみる。制作会社へ営業連絡をしてみる。次の収録の時に応用してみる。noteやブログにまとめて記事にしてみたり、YouTubeに読みを投稿してみたり何でもいいんです。

‥アドバイスをもらって終わりになっていないだろうか?

ぼくが毎回考えていることです。養成所、学校、レッスンはアドバイスをもらいに行く場ではなく、それを仕事にするために力をつけに行く場所です。

講師をやらせていただいているのですが、とある生徒さんから「今、養成所5年目で‥」と言われていて、最初にかけてあげる言葉をかなり選びました。

「それじゃ早く養成所を脱却したいですよね」

と、仕事につなげるためのお話をしようとしたら

「あ、いや別に脱却したいわけじゃなく‥」

と言われてしまい、これもまた言葉を選びに慎重になりました。

仕事にするためには、ここで何を学び、何をどれくらいやりたいのか?を明確にしなければいけません。

勉強していれば誰かが何とかしてくれると、思っていたらダメです。なんでもいいので、出す場所を作る。そして、アドバイスを噛み締めるだけではなく応用する。

‥わかっているんです。大きなお世話だってことは。習っている人がそこの養成所で勉強していることを楽しんでいるならそれでいいじゃないかと。

だから、1年後くらいには講師業は辞めようと思っています。今はまだ始めたばかりですし、講師の経験を積みたいのでやりますが、こういう現実を目にしてしまうと、その人が何とかお仕事に繋がるようにと指導してしまうので、辛いんですよね。

養成所で勉強をすることが目的になっている人もいる。そういう人からすると、余計なお世話。講師業でお金を頂いている以上、その人が先に進めるようにとアドバイスをしますが、みんながみんなにやる気を感じるわけではない。僕は、そういう人を指導するには向いてないんです。

勉強をすることで安心感を得たい人からすると、僕の指導内容はちょっと違う。リアルすぎるんです。

緊張で心拍数が早くなって、その影響で読みも早くなってしまい「もっとゆっくり」と言われているのに、なかなか遅く出来なかったり、プレッシャーでひらがなにもルビを振らなきゃいけないくらいになったり、読みがダメだったのか仮ナレーションが採用されてしまったり、そんな経験は聞きたくない。仕事につながる具体的な行動ではなく、楽しく勉強をしたい。

病気はあくまでたとえで書かれていますが、人の勉強の仕方までとやかくいうのは、ちょっと変かもしれません。言葉を伝えるのは、難しいですが僕も頑張りますので、自分のやっちゃいけないこと、やったほうがいいことを考えて、一緒に成長していきましょう。


ナレーター
有野優樹(ありのひろき)

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