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株式会社コペル 民事再生からみる児童発達支援・放課後等デイサービスの現実

関連する方々にはいろいろ情報がでていると思いますが、、、、
児童発達支援事業所・放課後等デイサービス事業所の現実もお知らせしたいと思います。

医療福祉得意のはしご外し

私が当事業に出会ったのは2023年です。
そのタイミングで事業計画を立案し、利益も出せるし、とてもいい事業だなと思い着手。
0~6歳の「受給者証」を持つ発達に特製のあるお子さん(LD、ASD、ADHD等)への療育を行うことで、あれこれ加算要件をこなすと、およそ1回あたり約15,000円が収入となるイメージだった。ただし、人数の上限設定があり、1日10までなら〇単位。11名以上は〇単位など設定されており10名ピッタリで設定するのと、14名で設定する収入がほぼイコールだったことから、10名定員を想定した。
1日10名MAXで、@15,000円だから、15万円。25日稼働して、月商375万円。
年商なら4500万円。
仮に8割程度稼働だったとしても、年商3600万円。
家賃が400万円。人件費が50%として1800万円。その他経費が360万円かかったとして、1000万円くらいは利益がのこるのかなと。
てことは、赤黒のボーダーは6割稼働の、週6日稼働かなと。1年くらいで赤黒転換して、3年くらいで投資回収できるかな?
幼稚園保育園じゃみきれない、発達グレーの子たちを支援して、保護者支援して、めっちゃいい事業じゃん。利益はでないけど。また福祉だからそれもアリよね。
そう計算して開始したわけです。

驚きの人件費率

実際に開業へ向けて採用をしようと思ったが、これが結構きつい。
というのが、「児童指導員」または「保育士」が、常時2名教室内にいないと、壮絶な減点が待っている。しかも、ではなく「児童発達支援管理責任者」ではなく「直接支援員が」である。
となると、利用児童もまだいないのに常時3名、週6日待機させなければならない。
しかも、「0~6歳療育のメインとなるべき保育士の採用」が難易度が高い。なぜかというと、競合するのが保育園求人。保育園は、補助金で「保育士の給与の一部」と「住宅手当」が出ているわけだ。
それに比べ児童発達支援事業は、職員に対する補助金が一切でない。
人件費がやばい。
給与以外の経費も混ぜると、1人当たり30万円は飛んでいく。月150万円は消えていくわけだ。
その他の経費としては、家賃と、水道光熱費と通信費くらいか。あと雑費。月40万円くらい。
開業費用は約1000万円。回収できんのかこれ。。

実際に開業6ヵ月で黒字転換・・・・のはずだったが。。

初月50日利用=15000×50=75万円。人件費だけで真っ赤。
2か月目150日利用=225万円。なかなかよいじゃないか。まだ赤。
このあたりで常時3名では足りなくなってきて、常時4名に変更していく。
基本点数の他、児童指導員加算を追加していく。
給与費は月220万円へ。

3か月目=262万円。ギリギリ赤。でも来月は単月黒字化ぽい。
4か月目=270万円。冬突入でキャンセル多い!ぐぬ!
5か月目=300万円。うぉぉ黒転した!!

からのはしご外しですよ。

3年ごとの報酬改正というものがあって、2024年4月が報酬改定だった。
15000円と思っていた単価が、いきなり12000円になった。

は?

事業計画をゼロからやりなおし

をしたいが、正確な報酬改定の情報がでてこない。3月になっても、4月になっても、なにをどう算定していいのかすらでてこない。マジできれそうになる日々。
で、やっとちゃんと理解できたのが7月1日ですよ。
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等(障害児支援)に関する Q&A VOL.6 (令和6年7月1日)(PDF/198KB)

マジで「シネヨカス」って言葉が自然とでてきましたよ。
なんで、4/1に実行・発表になる報酬の内容が、7/1までちゃんとわからないんだよ。
先に発表してから実行しろよ。マジでこれ決めたやつ死ねって思ったわ。

じゃぁ気を取り直して計算しなおしてみましょう。
今まで通りの運営で、体制加算として算定できるものを乗せていきます。

基本901単位。児童指導員加配加算187単位。専門的支援体制加算123単位。
延べ200日として、、、263万円じゃん。
え、まって。給与費だけで220万かかるんだけど。
家賃と電気水道ガス通信費払ったら、もうすでに赤字なんですけど。

え、損益分岐点どこよ。。。。月245日か。。。
つまり、25日稼働だとすると、定員としている10名をフルで預からないと赤字なわけですか。
だれかが「今日風邪で休みます」って言ったら赤字だわ。

つまり、今の人員で週7稼働させろと。あ、無理やわこれ。
しゃーない職員の給与さげるしか ➡ 処遇改善加算(給与を下げないことという縛りがある)

・・・・・・・・

安西先生、あきらめてもいいですかね。。

ってのが、株式会社コペルの民事再生の本質じゃないの?って話。

要するに、「投資型」のほうでお金預かっちゃってるけど、ぜんぜん教室展開できなくて、仮にできたとしても赤字運営じゃ、もう無理っすね。投資してくださったかた損切します。すんまそーん。って話じゃないのかなと。

わかりますよ、福祉だから、そんなに利益を求めるものでもないってこと。でもさ、、、投資回収もできない事業ってなんなのよ。。

なので、割り切れる経営者さんはこうするしかないです。
まず、高給取りの専門職を速攻で解雇。
で、保育士・幼稚園教諭で、5年以上経験がある、近所のおばちゃんを見つけてくる。療育?全然必要ないんでどうでもいいっス。

いてくれるだけでいいから、はたらかなくていいから。1日6時間週5日子供を見張るだけでいいよ。アハハウフフっておやつ食べながらさ、DVD一緒に見て、黒ひげ危機一髪とかしてくれればいいよ。8:30~14:30の6時間で、週5勤務で社保完備!月16万円でどう?

といって、人員加算が取れる体制だけ作ったら、子供14人を朝から夕方まで預かって、療育支援はDVD鑑賞。14人にしときゃ風邪でキャンセルしてもいいし、定員超えちゃったらいなかったことにすりゃいいよ。
おばちゃん保育士が子供とDVD鑑賞したり、ゲームしたりして一日過ごしてくだけ。
加算を理解している児発管が支援計画、支援記録、支援実績、子サポをガンガン書いていく。子供なんて見ている暇もなく、取れる加算を死ぬほど取っていく。
これですね!これしかないですわ!これじゃなきゃ投資回収できないもん。

こども庁はこんな支援がさせたいんか。


とりあえずあがきますよ。今のところは。
ちゃんと支援して、高度な療育を行って、職員にもちゃんと給与だして、どうやって黒字だすか考えて、社会貢献できる方法を考えて。。

とりあえず、市と、こども庁にガンガンクレームいれとこ。
それしかやれることないわ。

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