集中できる環境にあえてせず、細切れに集中するという選択肢もある
「まとめて集中できる時間を確保して効率を上げましょう」「集中を乱すものを視界から取り除いて集中力を高めましょう」という仕事術を、読んだことがある方は多いかと思います。
では質問です。
集中力を乱すものを視界から取り除いた環境を整えることはできたでしょうか?
環境を整えられたとして、実際にまとまった時間、無理なく集中して仕事や作業にあたることができたでしょうか?
「集中できる環境を整える」「まとまった時間を確保する」は思った以上にハードルが高い
理論的には仕事術で言われていることが"正しい"のですが、環境とまとまった時間を確保できている人は意外と少ないでしょう。
なぜか?
1つは、自分の意思だけで環境を決められる人は少ないということ。
同僚や家族などに合わせざるを得ないので、理想の環境をつくろうにもどこかで妥協しなければならない。
2つ目は、集中できるまとまった時間を確保しようとしても、1日の中で集中できる時間数には限りがあること。
3つ目が、まとまった時間で連続して集中することは、思った以上にストレスを受けるということ。
このいずれか、もしくは複数が該当することで、理想としては正しくとも、実効性が乏しいという現実にぶち当たることになってしまいます。
自然の流れに任せつつ、集中できる「瞬間を捕まえる」という方法もある
では、どうすればいいか?
集中できない時間帯やシチュエーションでは集中することをあえて諦めて、流れに任せてしまうのです。
「せばならぬ」を手放せば、まずは「でもできない」というストレスから解放されます。
これでひとつ、ハードルがひとつ下がりました。
ただし、本当に流れだけに任せてしまうと、その日何もできなかったとなってしまうので、流れに任せる前に5分だけ集中します。
5分だけの集中であれば、これもハードル高くなく行えるでしょう。
例えば、企画書を作成するという仕事であれば、その前に5分だけ集中して、素材となる原稿に手当たりしだいに目を通す。
そのあとは、集中が途切れてしまっても気にしない。
無理に原稿に集中しようとすると高い負荷がかかるだけなので、流れに逆らわないようにします。
雑談なり、何となくのメールチェックなり、ちょっとしたネットサーフィンなり、お好きなように。
流れに任せていると、脳が集中できるタイミングがスポット的に訪れます。
先ほどの例で言えば、企画書の構成が見えてくる、コンセプトのフレーズが思い浮かぶ、など。
この瞬間だけは、集中力をフルに稼働させます。
あらかじめ素材を意識下にインプットしておけば、無理に集中力を働かせようとしなくとも無意識下で脳は働き続けて思考が醸成されます。
あとは、無意識下からアウトプットされる瞬間を待てばいいということになります。
特に、企画書や提案書作成、あるいは問題解決策を立案するなどのクリエイティブな知的生産活動にこの方法は向いています。
まとめ
とはいえ、集中力が低い時でも仕事を進めないのは気が咎めるという方は、出張の精算や資料整理など、集中しなくても手を進められることに振り向けてみてください。
いずれにせよ、まとまった時間で集中しようと、細切れで集中しようと、1日の中で集中できる時間数にはそんなに差はありません。
その上で、まとまった時間でやるほうが向いている「スパートタイプ」ならそうすればいいですし、やってみたけど合わなかったり、あちこちに興味が向きやすい「寄り道タイプ」なら、あえて流れに任せて細切れで集中することを選択すればいいと思います。
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