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食べたくなったのは粉もんの〈いか焼き〉だ

〈いか焼き〉が無性に食べたくて、スルメイカを買ってきた。

〈いか焼き〉と聞いて、どんなのを思い浮かべるだろうか。
多くの人にとって〈いか焼き〉とは、屋台でよく見かける〈いかの姿焼き〉のことではないだろうか。

しかし、食べたくなったのは粉もんの〈いか焼き〉だ。
〈たこ焼き〉がタコの姿焼きでないのと同様、大阪では〈いか焼き〉はイカの姿焼きではない。

お好み焼きの一種といってよいが、ペラペラの姿形はチヂミに似る。
チヂミは朝鮮の伝統食などではなく、日本からお好み焼きが持ち込まれてできあがったものというから、似ていておかしくないけど。

〈いか焼き〉は大阪・梅田の阪神百貨店の名物にもなっている。
いつ行っても結構な列だが、お好み焼きと違ってすぐ焼きあがるから、順番が回ってくるのは意外と早い。

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〈いか焼き〉にはもちろん、新鮮なイカが必要。

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皮を剥く。

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ゲソもろとも細かく刻み、水溶きの小麦粉に混ぜ込む。
卵は使わない。

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フライパンで両面を焼く。
店の〈いか焼き〉は専用の機械でプレスするが、さすがに家にそれはないので、ヘラで押しつけて焼き上げる。
関西人はたこ焼き器を必ず持っているといわれるが、加えていか焼き器も持っていればホンモノの関西人といえるのかもしれない。

お喋りが過ぎた。
薄いので、早くしないとあっという間に焼きあがる。

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両面焼けたら、ソースを塗る。

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ソース面を中にして半分に折ればできあがり。

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これはうまそう…

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いや、うまかった。
モチモチの生地の中にプリプリのイカ。
至極簡単に作れるのにこの旨さは偉大だ。

イカといっしょに買ってきたサッポロ〈クラシック〉といっしょに。

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この〈クラシック〉は飲みやすくて好きだが、北海道限定だから旅行や出張のときのお楽しみだったのに、たまにこうして道外で売る。
今は自由に旅行ができないから特別、というのなら頷けるのだが、以前からちょくちょく見かけることがある。
ありがたいといえばありがたいが、限定ものはやはり限定であるべきだし、こんなことしてるとそのうち価値が目減りする。

前職で村おこしの限定レアものを製造販売し、全国のバイヤーから引く手あまただったが、その限定を崩した時にすべてが瓦解することはよく分かっていたから、15年間そこだけは気をつけた。

〈クラシック〉はやはり北海道でしか手に入らないビールであってほしい。

(2021/8/8記)

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