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やっぱりこれが僕の天職だ

昨日は、ある県立高校へ出向き、就職ガイダンスを行った。
厚労省からの委託を受けたプログラムで、ガイダンスというより授業。
8:45から始まり15:00まで、1日みっちり高校生と過ごす。

最寄りの駅に着いたのは朝早くだったが、1秒たりとも日なたには立ちたくないほど、外は殺人的な暑さだ。

高校生向けに話すのは愛媛時代以来だから、7年ぶりだろうか。
このところ就職ガイダンスといえば大学生向けで、1コマ90分に慣れきっていたから、1コマ50分と何度も念じながらバスに揺られる。

1日を通して高校生に伝えたいこと、そのための授業の進め方は、厚労省からある程度のガイドラインは受け取っていて、高校生にもテキスト類はすでに配布されている。
ただ、大きく目的を逸脱しなければどんな進め方でも構わない、話す内容も自由とあって、ここぞとばかり腕が鳴る。

大学生を見慣れた目には、高校生がかわいすぎて気分も上がる。
起立! 礼! 「よろしくお願いします!」
50名から初々しい挨拶を受け、授業がスタートする。

教室はエアコンが効いてはいたが、つい10分ほど前に炎天下をチャリで当校したばかりの高校生はみな上気し、噴き出す汗を拭っている。
灼熱に当てられたか、開始早々寝入る生徒もちらほらだ。

ふだんあまり学生の前に立つことはないというアシスタント講師とのペアだったが、授業の進め方をいろいろ学んで帰りたいと事前に聞いていたから、そちらも意識した。
アシスタント講師も同じキャリアコンサルタントだから、キャリコンとして高校生に向き合うなら必ず要るだろう語句を各コマに忍ばせていく。

午前の4コマを進めるうち、高校生向けの授業の勘を取り戻す。
と同時に生徒たちがノってきているのが分かる。
不安か照れか、最初は目を合わせる生徒が少なかったが、どんどんこちらを見るようになり、呼びかけにも応答してくれるようになった。
睡眠学習の子たちもいつの間にか顔を上げている。

テキストに書かれていないことを、とくに力を入れて話す。
大切なのは、他人と比べてではなく自分の中で優れている部分。
データを見て分かった気になるのではなく、自分で必ず考えること。
自分はどんなときにどんな選択をするのか、それが自分の価値観。
面接は自分のことを話すのだから原稿の丸暗記は必要ない、などなど。

午後の模擬面接では、午前のワークで作成した自己PRを順に語ってもらう。
各自、自分と向き合った成果をしっかりと見せてくれ、少しホッ。
そうして長い長い1日のプログラムを締めくくった。

終了後の控え室で、1日ペアを組んだアシスタント講師、高校のキャリアセンター教員から嬉しい言葉をいただく。
なんであんなに聞ける授業ができるのかと。

だって好きなんだもん。

終日参観していたハローワークの担当官も言う。
昨年までいろんな講師が来たが、みな体育会系というか、言うことを聞け、これだけやっとけば大丈夫、というような上から目線の授業がほとんどだったが、僕は全然違っていたらしい。
高校生にとって本当に大切なことを、生徒の目線まで下りて伝え、だからみんな前向きになって聞けるのだと。

やっぱりこれが僕の天職だと確信した。
帰りの電車では冷房が故障しているのではないかと思うほど一人暑かったが、それは何も暑気にやられただけではあるまい。

つづいて本日は大学の就活セミナー。
今日は1コマ90分と念じながら大学へ向かう。

(2024/7/10記)

サポートなどいただけるとは思っていませんが、万一したくてたまらなくなった場合は遠慮なさらずぜひどうぞ!