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「何食べたい?」ではなく「何飲みたい?」と訊きがち

僕はお酒が好きだ。
noteでも何度か書いているので、ご存じの方も多いかもしれない。
昔に比べるとずいぶん弱くなったけれど。

お酒デビューはきっと皆と同じ、梅酒をちびっと舐めた幼稚園の頃。
ビールをゴクリと飲んでみたのは小学校に上がった頃だったか。
小学校の遠足に友達と赤玉ワインをボトルで持っていった覚えもある。
何やってんねん。

その頃からアルコールに嫌悪感は抱かなかったから、たぶん大人になったら飲むようになるのだろうという予感はあった。
なにしろ父親がウワバミのように飲む人だったし。

ただ、アルコールが入ると別人格となって騒ぎ暴れる父親を見ていたから、自分がそうなることだけは絶対に避けたいと思っていた。
幸い、僕は酔いつぶれることはたびたびあっても、乱暴を働くようなことはこれまでに一度もない。
ただただそれだけはよかったと胸をなで下ろしている。

***

20代の僕は、ひたすら酔うためだけに飲んでいた。
アテなどなしで瓶ビールをラッパイッキ、酔って視界がグルグル回り出しても飲みつづけるなど、今思えばかなり危険な飲み方をしていた。
酩酊を楽しみ、そこからはじまる何かを期待していたのかもしれない。

30代になると、少し大人っぽいものをとワインにはまっていった。
でも良し悪しなどまったく分からないから、ワインリストにある数種のボトルのうち2番目に安いのを選ぶことを掟にしていた。
肉やチーズなど、アテと飲むとおいしいと覚え、次々ボトルを空けた。

40代になり、断然日本酒に。
肉から魚に移りつつある自分の趣向にあわせ、ワインから転向したのだ。
刺身を頬ばって魚のうまみを舌に感じたあと、キュッと日本酒をやって口の中でマリアージュ、あぁ至福の瞬間だ。

酔うのが目的でなくなった今、どんなお酒もいける。
ビール、ワイン、日本酒、ウイスキー、ブランデー、焼酎、紹興酒、ウォッカ、ラム、ジン、テキーラ、食事にあわせてどんなものでも。

しかし外食する時はたいてい、逆に「何を飲むか」から決める。
今日はワインを飲みたいから肉を食べよう、日本酒を飲みたいから魚を食べよう、という具合に。

誰かと食べに行く店を決める時も、まず「何食べたい?」ではなく「何飲みたい?」と訊きがちで、呆れられている。
でもそれはアルコールに冒されて言っているのではなく、おいしいひとときをさらに極上のものにするため。

***

note仲間と巡る神戸のグルメツアーを開きたい、と元日のnoteに書いた。
その後、僕の退職や入院などもあっていまだ実現はしていないが、この酷暑が和らいだらそろそろかな。
どんなツアーにするか、今あれこれ考えてワクワクしている。

何度かツアーを開くうち、参加者が全員お酒を飲める回もあるだろう。
その時はやっぱり、「何飲みたい?」から尋ねようと考えている。

(2022/8/18記)

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