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決断の日の思い出の店として思い起こされるのかもしれない

神戸元町・海岸ビルヂング。

重厚な石造りのレトロビルが建ち並ぶ神戸でも最古級といっていいビルだ。
明治44年、商社・兼松商店(現・兼松)の本店として竣工。
築111年、登録有形文化財だ。

ビル全体レンガ造りなのだが、海側全面と山側の1F部分には石が貼ってあり、ビル全体の印象はどちらかというとグレーっぽい。

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ビルの東側に回ると、なんやらお店がある。

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〈Alliance Graphique(アリアンス・グラフィック)〉、カフェ&バーだ。

建てつけの悪いドアを開いて中に入ると、まるで骨董品のような店内。
映画撮影中でもおかしくない、いや映画に迷い込んだのかもしれない。

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重厚なビルにしては狭いが、それもそのはず、ここは倉庫だったそうだ。

このカフェのオススメは〈フランス人に教えてもらったカレー〉。
今回もちろんそのカレーを頼んだ。
10年くらい前に初めて来たときも同じカレーを頼んだ覚えがある。

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欧風のサラサラのカレーは辛さよりコクを楽しむタイプ。
半熟のポーチドエッグがドテッと置かれている。
ごはんの上にはマメで作ったパパドと呼ばれる塩辛い煎餅が載っている。
メニュー名にある「フランス人に教えてもらった」というのは、まんまフランス人の友人に作り方を教えてもらったからだとか。

夜は大人のバーとして営業しているが、行ったことはない。
この雰囲気に灯りがぼんやり加われば、またとないおいしいお酒が飲めるだろう。

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実はこの〈アリアンス・グラフィック〉、2/4に藤沢紀子さんが下の記事で紹介されていた。
秘密のカフェは子宮の中のように落ち着いて自然と足が向く、のだそうだ。
記事には店名もなかったが、写真を見ただけで、あぁ!と思った。

思わずコメント欄にいつか紹介するかもと書き、藤沢さんから楽しみにしていると返していただいたのに、2か月も経ってしまった。
10年前の写真ならあるが、「フランス人」が「中国人」に変わっているかもしれないし、再訪して食べ直してから書こうと思ったらこのざまだ。

2か月もの間、忘れていたわけではない。
ふだん淡路勤務で、元町を歩くことがままならないのだ。
先日もチャンス!と行ったら、開店まで1時間以上あって断念したり。

そして先週、再び機会が巡ってきた。
会社で自分の思いを告げた後に訪れた〈アリアンス・グラフィック〉。
後々、決断の日の思い出の店として思い起こされるのかもしれない。

(2022/4/12記)

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