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ハイブリッド同窓会で30年を遡り、京都で過ごした時間をしみじみ思う

3連休の初日、京都で同窓会を開いた。
京都は大学の4年間を送った思い出の地。

2回生のとき、テニスサークルの代表を務めた。
そのせいで、卒業して結成した同期の集まりの代表も任された。

大学を出ると、その後の人生はもうバラバラだ。
ほぼ男子の大学だったから、サークルの女子は近隣のいくつかの女子大・短大から集まっていて、バラバラ度合いはさらに大きかった。

放っておくと、もう二度と連絡を取らない可能性が大。
せっかく全国から同じ年に京都に集まり、同じサークルを選んだ偶然を、卒業を機に何もなかったことにしたくはない。

そう思って、毎年欠かさず名簿を発行してきた。
名簿といっても単なる住所録ではなく、統一の用紙に自由に記入してもらう近況報告冊子だ。
名簿の表紙を描くのは、毎年楽しみな作業。

そしてもう一つ大切にしてきたのは、4年に一度の同窓会だ。
名簿で毎年の近況を知り、同窓会で4年の歳月を語り合う。
そうやってバラバラを繋ぎとめてきた。

今年はその4年に一度の、そして卒業30周年の同窓会の年だった。

***

会場は、建仁寺近くの〈八坂通り 燕楽〉という店にした。

呉服屋の居宅を改装したという「ザ・京都」な雰囲気と、庭園を望む座敷を借り切れることが決め手だった。

八坂通り 燕楽

全国から10名が集まった。
わずか数時間の昼の宴席に、それ以上の時間をかけて駆けつけてくれることに泣けてくる。

この店に決めた決め手がもう一つある。
古い店構えに似合わず、プロジェクターとスクリーンを借りられる点だ。
都合で来れない人が、たった数分でもいいからリモートで同じ時間を共有できるようにしたかったのだ。

PC、三脚、スピーカー、マイク、Webカメラを持参し、卓上はこんなことになった。

ハイブリッド同窓会のセッティング

はっきり言って、僕のところには料理を並べるスペースもない。
さらには、常にPCを操作して料理もあまり覚えていない。

でもいいのだ。
青森と富山から繋いでくれたから。
富山の友は卒業以来、名簿だけの繋がりだったから、顔を見て話すことができて、こんなに嬉しいことはない。

大学時代の写真も30枚ばかりスキャンしてPCに忍ばせ、スライドショーにしてスクリーンに映してみたら喜ばれた。

リアル10名、リモート2名。
ハイブリッド同窓会で30年を遡り、京都で過ごした時間をしみじみ思う。

料理は、創業330年のあの〈半兵衛麩〉の麩も楽しめる豪華なものだった、らしい。

(2022/10/12記)

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