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残りわずかの十代を心ゆくまで楽しんでおくれ

娘は来年ハタチだ。
昨日、成人式の前撮りにつきあった。

神戸・北野のハンター坂にあるスタジオへ。
北野ならではの斜面のまっただ中にある。

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ちなみにハンター坂というのは、明治の昔、この地にE.H.ハンターという英国商人が3000坪もの広大な敷地を有したことに由来する。
ハンターだからといって、狩猟場だったわけではない。

美容師が鮮やかな手さばきでメイク、続いてヘアアレンジ。

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こういうの間近で見るのは初めてだ。
30分でいつもの娘をお嬢様に変身させる美容師のワザに、ただ見惚れた。

スタジオでさまざまなカットを撮り終えたあと、北野界隈でロケ。

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異人館のひしめく北野だから、道ばたで撮ってもサマになる。
撮影に好適な薄曇りでよかった。

小さかったあの娘がもうすぐハタチかと思うと、感慨深い。
よくここまで大きくなってくれた。
晴れ着に袖を通し、カメラににっこり収まる娘を見て、じんわりうるうる。

無事撮影を終えたが、150枚ものカットから12枚を選定。
あっちがいい、いややっぱりこっちと、これがいちばん大変だったかも。

帰りに、以前も記事にしたことのある〈トアロード デリカテッセン〉へ。
ソーセージやスモークサーモンが人気の老舗惣菜店だ。

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娘はミックスサンドイッチを。
村上春樹が神戸高校時代によく食べたという伝説のサンドだ。

僕はウインナーポトフを。

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ヴァイスヴルストは柔らかで、燻されていない分、ハーブがきいてうまい。
赤ワインをいっしょに頼んだが、実によく合う。

淋しいことに、娘もまもなく京都へ戻る。
京都で残りわずかの十代を心ゆくまで楽しんでおくれ。

滞在中に娘が作ってくれた鰻丼。
あぁおいしそう…ではなく、よく見てほしい。

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実はこれ、はんぺんと豆腐で作ったウナギもどき。
ちゃんと筋目も入れてあるうえ、写真でもうっすら見えるが裏には皮がわりに海苔が貼ってあって、どこからどう見てもウナギそのもの。
身のフワフワ加減、皮の噛みきりづらさはウナギそのもの。
タレもしっかり塗って焼いてあるから、味も香りも蒲焼きそのもの。

見た目、食感、味、香りのすべてがウナギの蒲焼きなのだ。
言われなければまったくもどきとは分からない。

唯一違うとすれば、脂っぽさがないことだが、僕はあの脂が得意ではないので、来年の土用の丑からこのウナギもどきがいい。
ホンモノと比べてヘルシーかつコスパ抜群。

ただ…精のつかないもどきを土用の丑に食べる意味やいかに。

(2022/8/21記)

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