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学んでこそ学生、教えてこそ大人

来年大学を卒業する学生の面談を行った。
採用面談だが、選考ではなく、あくまでお互いを知るために話す場だ。

数名と面談を行ったが、純朴な学生が多かった。
事業内容をよく理解していない学生もいたり、受け答えがボンヤリしている学生もいたが、それがマイナスには思えず、むしろ面談しながら、がんばれ!がんばれ!と見えない心のメッセージを送り続けた。
しかし面談後につける記録シートには、当社でやっていけそうかというような欄があり、その観点では「厳しい」に丸をつけざるを得なかった。

先週も同じ面談を行った。
その時は、事業内容はおろか業界動向まで精通した学生がいて、記録シートには「問題ない」に丸をつけた。
いや、つけるしかなかったというのが心情的には正しい。

業務ベースで判断すれば、昨日の学生は「厳しい」、先週の学生は「やっていける」ということになるだろう。
しかし中途採用のように、即戦力、即適合力を学生に求めていいのか。
学生の伸びしろに期待してはいけないのだろうか。
確かに今は不適かもしれないが、ここで働いてみたいという意志を持って面談に参加してくれただけで十分ではないか。
これから伸びるだろう学生を育てるのが新卒採用だと思っている。
甘いだろうか。

前職ではインターン、採用、教育もすべて担当していたから、伸びしろばかり探して採用し、育ててきた。
むしろ大学には、やる気はあるがどうしてよいかわからないという学生を紹介してほしいとさえ言っていたくらいだ。
しかし今の職場では、自分が担当できるのはそのごく一部だけだから、自分目線で採用することができない。
記録シートに、伸びしろはあるかという欄はない。

学んでこそ学生、教えてこそ大人、だと思うのだけど。

(2021/3/23記)

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