あげくズタボロになって果てるの図は、われながら滑稽すぎる

ダイエットアプリというものがある。
画面内でトレーナーが身体を動かしているアニメを見ながら、マネしてやってみるというもの。
今の自分と、なりたい自分を入力すれば、30日で叶えてやろうじゃないか的なアプリを選んでスマホに入れた。

初日のエクササイズは、寝ててもできそうなライトなものだった。
が、インストール時の設定でお腹まわりが気になると入れたからだろう、日々の内容がどんどん腹筋寄りになっていく。
最初のチェックで、ン十年前のどこかに最後の微力を置いてきてしまったことが判明した腹筋は、10日目にはもう断裂しそうになっていた。

さらに床に何も敷かずやっていたから、お尻が痛い。
これ、もしかして尾てい骨を痛めた？
そういえば仰向けに寝て上体を起こす時、お尻がグギグギと妙な音を立ててたっけ…

腹は引きつり、しっぽは痛い。
小休止のつもりで3日経ち、アプリからは3日間やってませんと叱られる。
そんなこと言われましても、先生…

スマホの小さな画面に操られていそいそと身体を動かし、あげくズタボロになって果てるの図は、われながら滑稽すぎる。
体調回復アプリがあるなら入れたいくらいだ。
動けというアプリと休めというアプリ、同じ小さな画面の中でケンカを始めたら、自分はいったいどっちの言うことを聞くのだろう。

アプリの言うことなど大したことではないから聞くな、と言ってくれるアプリも必要かもしれない。

（2021/2/9記）