15年経ったら大阪に行く…とか言わないでよ

しれっと大阪へ行ってしまったオリックス。
神戸のチームだったオリックスが大阪のチームになったのは、神戸人としては言いようもなく淋しいものだ。

1988年、西宮が本拠の阪急ブレーブスが球団譲渡でオリックスブレーブスとして再出発し、3年後、本拠を神戸に移した。
「球団名募集！」の全面広告が新聞に載ったのは前年秋だったか。
完成間もないグリーンスタジアム神戸がプロ野球の本拠地になるなんて！と舞い上がった僕は即応募した。

「神戸オリックスパイレーツ」

神戸といえば港、港といえば海賊。
もう絶対これだと信じて疑わなかったが、なんとブルーウェーブに。
野球のチーム名が2単語ってどうなん…と意気消沈したのを覚えている。

イチローの活躍に沸いた1994年。
震災の年、傷ついた神戸市民を「がんばろうKOBE」の合い言葉で元気づけ、ぶっちぎりでリーグ初優勝を飾った1995年。
イチローのサヨナラ打でリーグ連覇を果たし（この試合は外野で応援していた）、さらに巨人を圧倒して初の日本一に輝いた1996年。
この3年がオリックスのピークだ。

その後、2004年には近鉄バファローズとの合併でもめたあげく、球団名がオリックスバファローズになってしまう。
球場名もYahoo! BBスタジアム、スカイマークスタジアム、ほっともっとフィールド神戸とコロコロ変遷。
最下位が定位置になるなどチームがどんどん弱体化する中、2006年には名実ともに大阪のチームとなってしまった。
今でも申し訳程度に年間数試合のみ神戸で開催されてはいるが。

けど快進撃でついには25年ぶりにリーグ優勝までしてしまった今年のオリックスを見て、気持ちが昂ぶらないはずがない。
大阪のチームだけど、そんなことどうでもいい。
がんばれ、オリックス。

もし日本シリーズに勝ち進めば、なんと第6戦・第7戦は神戸という。
セリーグチーム相手に4連勝してしまったら幻と消える、なんとも複雑な状況だが、ぜひ3勝2敗で神戸に帰ってきてほしい。
いや、その前にまずは日本シリーズに行かなければ、だけど。

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ちなみに本拠を神戸に移した理由は、西宮球場が競輪場兼用でガラが悪く、女性受けしなかったからというのは有名な話。
だが、せっかく神戸を選んでくれたのに、15年で大阪へ行ってしまった。

折しも、プロバスケットの西宮ストークスが、本拠地の西宮体育館では1部リーグ昇格の要件を満たさないとして、神戸への移転を決めた。
2024年、ウォーターフロントに完成する巨大なアリーナに移るのだ。

またまた西宮からようこそ、神戸市民として心から歓迎する。
でも…15年経ったら大阪に行く…とか言わないでよ。

（2021/11/12記）