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へんいち文庫、ベビーラッシュ!

このところベビーラッシュ!

といっても日本の人口が増え始めたわけではない。
もちろん僕んちに次女や三男が産まれるわけでもない。

出版だ。
僕が編集に携わり、制作のお手伝いをした本。

先日、ゆきママさんの『絶叫系育児』を世に送り出したばかり。
まだその感動も冷めやらぬ中——

なち@心動くnote×エッセイさんの『有名人との恋愛体験記』がまもなくKindleで発売となる。

「あの子がサッカー選手の彼女?」
——身近な人が有名になり、周りが変わっていく。
執拗な妬みや追っかけに振り回される捺(なち)はどうするのか?
人の変化は十人十色

帯より

なちさんの実体験を赤裸々に綴った、私小説と呼ばれるジャンル。
帯にあるように、身近な存在が有名になることで周囲の反応が変わり、そこで苦しみもがき、そして成長するなちさんの物語だ。
「人はどうやって変わっていくのか」が本書のテーマ。

私小説はリアリティを追求するあまり、文筆のエネルギーが内にこもる恐れがある。
いわゆる「一般読者おいてけぼり」状態だ。
原稿を見せてもらい、編集を引き受けるかどうかの最初の時点で、僕はなちさんにそう指摘した。
もしかしたら、なちさんは出版を諦めるかもしれない、そうでなくても別の編集者にスイッチするかもしれないほどの厳しさだったと思う。
が、なちさんは改稿し、エネルギーの向かう先をコントロールし直した。
その固い決意を見て、僕はなちさんの伴走を決めた。

今やPCで「ゆ」と打てば「有名人との恋愛体験記」と変換されるほどに、この数か月みっちり編集作業を行った。
細かな文章の入れ替えや書き換えを提案したとき、なちさんはその理由や思いを丁寧に質問してくる。
こうしたいんだけど、という逆の提案もいっぱい。
その質問や提案に僕も答える形で、2人でいっしょに作り上げてきた。
そんな印象が強く残る一書だ。

僕が手がけた本では初めての縦書きということもあって、レイアウトはかなり苦心した。
そもそも欧米で誕生したコンピューターは縦書きになじまないうえ、電子書籍のベースとなる規格も縦書きに弱いときている。
電子書籍を乱造するデジタル編集者ならまったく気にしないだろう細かな組版指定も、僕は見逃すことはできない。
うまくいかない箇所は、HTMLやCSSを直接いじってレイアウトし直した。
デジタルとアナログを融合させたハイブリッド編集だ。

『有名人との恋愛体験記』の発売日は1/15、定価は398円だが、なんと今日明日(1/13・14)の予約注文に限り99円という特別価格に。
さらにこの予約注文には特典もあるとのことなので、なちさんのページでぜひ詳細を確認してほしい。

ここまで僕が編集を手がけた大切な本はこちら。

さらにあとひと月もすれば、新たな書がここに加わる予定。
へんいち文庫、やっぱりベビーラッシュだ!

(2024/1/13記)

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