Ryusankun

編著『左川ちか全集』(書肆侃侃房)『左川ちか モダニズム詩の明星』(河出書房)『左川ち…

Ryusankun

編著『左川ちか全集』(書肆侃侃房)『左川ちか モダニズム詩の明星』(河出書房)『左川ちか論集成』(藤田印刷エクセレントブックス)他。共著『昭和の文学を読む』(ひつじ書房)。北海道立文学館特別展企画監修。大学ではピグマリオニズム文学論を講義。他にNHKカルチャー講座など。

最近の記事

「左川ちか」のテキストをめぐる雑感④資料集成と岩波文庫の関係と遺族の思い

第4回:資料集成と岩波文庫の関係  岩波文庫では、底本とした昭森社版詩集の本文と別のヴァリアントとの異同を、「校異」として掲げている。すなわち、文庫に「この校異は、『左川ちか資料集成 増補普及版』(紫門あさを編纂、東我刊我書房、二〇一一年)に掲載された雑誌・単行本の影印に拠って作成した。」(p188)とある。また、昭森社版詩集に収録されていない散文三篇についても「『左川ちか資料集成 増補普及版』に掲載された影印を底本とした」(p232)と明記している。なお、資料集成未

    • 「左川ちか」のテキストをめぐる雑感③岩波文庫における私の研究の扱い

      第3回:岩波文庫における私の研究の扱い  まず何人かのレビュアーを引こう。 ・ブクログ knkt09222さんの感想(2023年9月25日) 『左川ちか詩集 (岩波文庫 緑232-1)』(川崎 賢子)の感想(8レビュー) - ブクログ (booklog.jp) 引用>島田龍・編の「全集」が書肆侃侃房で刊行され話題になった1年後、文庫で出た。 岩波文庫なので、印象としては「列聖した」感じがするが、多くの研究者のタマモノなのだろう。 本書、編者は川崎賢子で、津原泰水

      • 「左川ちか」のテキストをめぐる雑感➁岩波文庫における森開社版全詩集の扱い

        第2回:岩波文庫における森開社版全詩集の扱い  森開社版全詩集の構成は、昭森社版詩集を底本としつつ(ただし詳細なテキストクリティークを施した上で再検討されている)、新たに確認した補遺を追加、さらに散文を加えた構成となっている。1983年に出版、2010年にさらに新版が出た。岩波文庫版は、昭森社版詩集に掲載されなかった作品「補遺」については森開社版全詩集新版を底本(p232)としている。その配列も森開社版のままである。  拙稿「左川ちか研究史論」や全集解説でも述べたよ

        • 「左川ちか」のテキストをめぐる雑感➀岩波文庫における昭森社版詩集の扱い

          「左川ちか」というテキストをめぐる雑感 はじめに  テキストを編むとはどういうことだろう。最近そんなことを思う。  左川ちかの詩集は主に以下のものがある。それぞれに編者の見識のもと編まれたものだ。 ・伊藤整編『左川ちか詩集』(昭森社、1936) ・小野夕馥・曾根博義・川崎浩典編『左川ちか全詩集』(森開社、1983)※2010年に新版、2011年に飜訳詩集 ・紫門あさを編『左川ちか資料集成』[The Black Air:Collected Poems

        「左川ちか」のテキストをめぐる雑感④資料集成と岩波文庫の関係と遺族の思い

        • 「左川ちか」のテキストをめぐる雑感③岩波文庫における私の研究の扱い

        • 「左川ちか」のテキストをめぐる雑感➁岩波文庫における森開社版全詩集の扱い

        • 「左川ちか」のテキストをめぐる雑感➀岩波文庫における昭森社版詩集の扱い

          『昭和文学研究』に寄稿

          今月下旬に刊行された学会誌『昭和文学研究』第86集(昭和文学会編・笠間書院)に研究展望「『左川ちか全集』を編纂して―開かれたテキストへ」を寄稿しました。全集刊行の経緯と編集方針、研究の可能性について述べています。宜しければご高覧下さい。 昭和文学研究 第86集 | 書籍検索 (kasamashoin.jp)

          『昭和文学研究』に寄稿

          左川ちか展が開催されるよ

          【お知らせ】北海道立文学館(札幌)にて特別展「左川ちか 黒衣の明星」の開催(23・11/18土~24・1/21日)が公表されました。 企画監修委員の一人として参画しています。 左川ちかの多様な魅力を多くの方々に知って頂くため力を尽くします。 皆様のお力添えをどうかお願いしますm(__)m。楽しみにしてね

          左川ちか展が開催されるよ

          【イベントのお知らせ】「左川ちかを語る夕べ2022ー「わたし/たち」と世界を開く」

          【イベントのお知らせ】 青山学院大でおしゃべりしてきます! 「左川ちかを語る夕べ2022ー「わたし/たち」と世界を開く」 日時:2022年12月12日(月)17:00~18:30(開場16:45) 登壇者:川崎賢子、川野芽生、島田龍、ナカヤスサワコ 場所:青山学院大学青山キャンパス 2号館3階238教室(渋谷区渋谷4-4-25) 形式:対面のみ 日本語使用 参加無料:要参加申込 申込・問合先:青山学院大学人間科学部教員/ウェイクリング・コーリー→wakeling

          【イベントのお知らせ】「左川ちかを語る夕べ2022ー「わたし/たち」と世界を開く」

          ミナ・ロイと左川ちかの話を『詩と思想』に寄稿しました

          『詩と思想』2022年12月号にエッセイ「ミナ・ロイと左川ちか 翻訳のエクスタシー」を寄稿しました。 詩と思想  土曜美術社出版販売公式トップページ 佐藤正子詩集販売中 (vc-net.ne.jp) 先鋭的モダニスト&フェミニストだったミナ・ロイをヴァージニア・ウルフ(ロイと同年生まれ)とともに日本に紹介したのが左川ちかでした。 ロイの魅力をどれだけお伝えできたか心もとないですが良かったらご覧下さい。 彼女を知るには名著『モダニスト ミナ・ロイの月世界案内』水声社201

          ミナ・ロイと左川ちかの話を『詩と思想』に寄稿しました

          「声の在り処― 伊藤整と三人の女たち 左川ちか・伊藤貞子・伊藤マリ子」

          『文學界』12月号(11/7発売)に「声の在り処― 伊藤整と三人の女たち 左川ちか・伊藤貞子・伊藤マリ子」を寄稿しました。 左川ちか(詩人・伊藤の妹分)、伊藤貞子(歌人・妻)、マリ子(文章家・娘)。彼女たちの声と言葉がいかに失われ、再び届くのかー。よろしければご覧下さい。 https://bunshun.co.jp/business/bungakukai/backnumber.html... 川口晴美「声はここにある」(『現代詩手帖』8月号) 鴻巣友季子さんが提起した

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          左川ちか全集の反響・書評まとめ

          左川ちか全集についての書評や紹介頂いた記事などについて記録を兼ねてまとめています。取りあげて頂き本当にありがとうございます。 ※私自身の文章は全集に言及したものに限っています。 ◆第38回梓会出版文化賞の推薦図書として拙編著の刊行などが評価され書肆侃侃房が文化賞を受賞しました。御礼申し上げます。 ◆第23回詩人クラブ詩界賞最終候補作にノミネート頂きました。大変光栄です。有難うございます。 http://japan-poets-club.d.dooo.jp/award/3a

          左川ちか全集の反響・書評まとめ

          毎日新聞記者さんによるポッドキャスト「今夜、BluePostで」で『左川ちか全集』が紹介されました

          【毎日新聞記者さんによるポッドキャスト「今夜、BluePostで」で紹介されました】 https://mainichi.jp/articles/20221102/k00/00m/200/167000c 「今夜、BluePostで」毎週水曜日は〈ニュースをジェンダーの視点で読んでみる〉をテーマにデジタル報道センターの菅野蘭記者が担当しているとのことで、本日更新分は大阪学芸部の清水有香記者と〈ジェンダーと読書〉のお話をされています。 そこで清水さんに『左川ちか全集』(③の5

          毎日新聞記者さんによるポッドキャスト「今夜、BluePostで」で『左川ちか全集』が紹介されました

          『文學界』12月号に評論寄稿したよ

          【お知らせ】 文藝春秋の文芸誌『文學界』12月号(11/7発売)に拙論「声の在り処― 伊藤整と三人の女たち 左川ちか・伊藤貞子・伊藤マリ子」を寄稿しました。 女性たちの声がいかに失われ、再び届くのかー。左川ちか(詩人・伊藤の妹分)と伊藤貞子(歌人・妻)、マリ子(文章家・娘)から考えてみました。 ご依頼頂いた当初は気軽なエッセイを想定していたのですが、今の自分が一番書きたいことをと大幅に書き直しました。字数がかなり膨らんだため掲載号が一つずれましたが、その分気合いを入れて

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          『ブックインとっとり2022』に出展中

          地方発の出版活動を盛り上げる『ブックインとっとり2022』の展示会が6日まで倉吉市立図書館で開催中。 拙編著『左川ちか全集』書肆侃侃房も出品され、第36回地方出版文化功労賞の候補作として一般来場の皆さまの投票も受付中ですm(__)m https://bookin-tottori.co.jp 会場には沖縄から北海道まで全国各地の地方出版物が一堂に会しています! 30年以上にわたる鳥取の皆さんの素晴らしい取り組みですね 公式FB http://facebook.com/b

          『ブックインとっとり2022』に出展中

          第38回梓会出版文化賞

          【お知らせと御礼】 優れた出版活動に携わった出版社を顕彰する《第38回梓会出版文化賞》(選考委員:五十嵐太郎・小野正嗣・加藤陽子・斎藤美奈子・竹内薫諸氏)に福岡市の書肆侃侃房が選ばれました。 審査対象書籍として拙編著『左川ちか全集』や韓国女性文学シリーズの刊行をご評価頂いたようです。書肆侃侃房の皆さんには並々ならぬご尽力を賜りました。感謝とお祝い申し上げます。 ・一般社団法人出版梓会(出版社の団体) https://www.azusakai.or.jp/ ・西日本新

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          『ねむらない樹』9号「小特集・左川ちか」

          【お知らせ】 短歌ムック『ねむらない樹』9号が発売。 「特集 詩歌のモダニズム」ということで「小特集・左川ちか」を組んで頂きました。編集者の藤枝さんにはひとかたならぬご苦労をおかけしました。感謝申し上げます。 http://www.kankanbou.com/books/nemuranaiki/0534 左川ちかに関する、または言及しているエッセイなどは以下の通り(敬称略)。私は座談会に参加しました。ぜひご覧下さい。 内堀弘「地図にない町」 小澤京子「小さな部屋のポエティ

          『ねむらない樹』9号「小特集・左川ちか」

          左川ちか全集、ラジオ放送アーカイブ

          『左川ちか全集』を福岡のラジオ局 LOVE FM『OUR CULTURE, OUR VIEW』さんで特集して頂きました。何と1時間近くも。深く感謝申し上げます。 番組HP >今年4月に福岡の出版社・書肆侃侃房から出版され、いま日本中から注目を集めている「左川ちか全集」を特集します。左川ちかは1911年北海道生まれ。10代から翻訳家として活動を開始し、ジェイムズ・ジョイスやヴァージニア・ウルフなど数々の小説や評論の翻訳を手掛けます。1930年には詩人としてデビューし、24歳

          左川ちか全集、ラジオ放送アーカイブ