夜ふかししたけれど、今日は撮影だ。

私は大阪の某私大の非常勤講師をしている。確か4月に入って「今学期は遠隔授業になります」という連絡が届き、その後「大学のシステム(ユニパ)はアクセス集中でダウンする恐れがあるので、Google Classroomを使います」と一方的に通告があり、「ユニパからClassroomに誘導してください」と通告があり、やがて「ユニパの掲示板システムは使えなくなります」となり、とにかく教員も学生も大学のシステムには頼れなくなり、Googleの提供するサービスを使うことになった。怒涛の1ヶ月であった。

幸い私は慶應SFCの出身なので、Googleのサービスに慣れるのは割と苦ではなかった。私からすれば、Macのほうが厄介だし、フェイスブック・インスタのデザインはカオスでしかない。Google傘下?のツイッターは実にシンプルで使い易い。インスタに関しては、中年が参加できないように、わざと複雑なデザインやパソコンから投稿しづらくしている(Google Chromeのデベロッパーツールを使えば投稿できる)のではないかと勘ぐっているが、それはまた別の話になるので、このへんで終えておく。

このようにGoogleと親和性が高い私だが、それでもマスターするまで時間がかかった。一番の難題は、Google Meetの録画ができないことだった。ヘルプをみても、G-Suiteに入ればメニューに録画ボタンが表示されるからそれを押せ、とあるだけで、結局G-Suiteは自腹で購入した(といっても、Basicなら月680円)。

これら労力、それから授業動画のために買った機材(ハンディカム・三脚・iPad、G-Suite等)の「補償」を国(文科省)はしっかりやってほしいと思う。常勤・非常勤を問わず、一律10万円の特別給付金でいい。本当はそれ以上の労力と機材費がかかっているけれど、学生のことを考えれば、教員はまだましなので、がまんする。何と言っても、私の通う大学は教職員は入構できるので。

ということで、いまは朝の5時近くだが、9時半に起きて、大学に出講し、私物のハンディカム・三脚・iPadを持って、無人の教室で60分の講義動画を撮影するつもりだ。チュンチュンと雀が鳴く声が聞こえる。そろそろ寝よう。

最後に一つ自慢。金曜日は上野千鶴子さんとGoogle Meetのチェックをした。上野さんにコメンテータを依頼しているからだ(Meetで参加してもらう)。上野さんに私の講義のパワーポイントを見せたところ、「ホモソーシャルな絆」のスライドが適切でないと、丁寧に指導して頂けた。これは本当に勉強になった。大学教員は教え方等について誰かに教わる機会がまずない。その指導役が上野千鶴子さんだなんて。こんな幸せなことがあるから、大学教員・研究者をやめられない。

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