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「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問 細谷功 (著)
「具体⇄抽象」トレーニング 思考力
「具体⇄抽象」のトレーニングは、思考力を向上させるために非常に効果的です。このトレーニングは、具体的な事例や事象から抽象的な概念への転換、または逆に抽象的な概念から具体的な事例への具現化を含みます。以下に、具体的な方法やアプローチをいくつか紹介します。
具体例から抽象概念への変換:
具体的な事例や経験を選びます。例えば、自分の日常生活や職場での出来事を考えます。
その事例や経験から抽象的な概念や原則を見つけ出します。それが何を示唆しているか、一般的な原則は何かを考えます。
抽象概念から具体例への具現化:
抽象的な概念や原則を選びます。例えば、公平さやリーダーシップなどです。
それを具体的な事例や具体的な行動にどのように適用できるかを考えます。抽象的な概念が現実の状況にどのように関連しているかを明確にします。
逆説的な考え方:
逆説的な視点から問題やテーマを考えます。通常の期待とは逆の結論や視点を考え出すことで、柔軟性や視野を広げることができます。
アブストラクトな概念の具体的な事例への適用:
抽象的な概念や理論を選びます。例えば、経済学の法則や哲学的な概念などです。
これを日常の生活や個別の状況にどのように適用できるかを考えます。アブストラクトな概念が具体的な状況にどのように関連しているかを洞察します。
問題解決演習:
問題解決演習を通じて、具体的な問題に対する抽象的な解決策を見つける練習をします。逆に、抽象的な問題に具体的な解決策を見つけることも試みます。
これらのトレーニングアプローチは、思考力を磨き、柔軟性を高めるのに役立ちます。日常的にこれらの方法を使って、具体的な状況と抽象的な概念の間で自在に移動できるようになると、問題解決や創造的な思考が向上するでしょう。
人間の知的能力の「縦軸」と「横軸」
人間の知的能力を理解するために、「縦軸」と「横軸」という概念を用いることがあります。これは、異なる種類の知的なスキルや能力を位置づけるために使われるものです。以下に、一般的な理解のための例を挙げてみます。
縦軸: 広がりや深さを表す
縦軸は、知識やスキルの深さを示すことがあります。上方向に行くほど、特定の分野において深い知識や高度なスキルがあることを表すことがあります。例えば、特定の専門分野における専門知識や深い理解が縦軸上に位置します。
横軸: 多様性や広がりを表す
横軸は、異なる分野やスキルセットへの対応力や広がりを表すことがあります。左右に行くほど、複数の分野で広範であるか、あるいは多様なスキルを持っていることを示すことがあります。例えば、多岐にわたる知識やスキルを持っている人が横軸上に位置します。
この「縦軸」と「横軸」のアプローチは、知的な能力を単一の次元でなく、異なる次元で捉える試みです。例えば、一つの次元には深い専門知識があり、もう一つの次元には横断的な能力や広範な知識がある、といった風にです。
ただし、これはあくまで簡略化されたモデルであり、実際の知的能力は複雑で多面的です。人々は異なる分野で様々なスキルを持ち、深い専門知識と同時に横断的な能力も発揮することがあります。
なぜ具体と抽象が重要なのか?
具体的なものと抽象的な概念は、異なる認知プロセスや学習スタイルをサポートし、さまざまな側面で重要な役割を果たします。以下は、なぜ具体と抽象が重要なのかに関するいくつかの理由です。
理解のしやすさ:
具体的な事例や例を通じて情報を学ぶことは、新しい概念やアイデアを理解しやすくします。具体的な事例は身近で直感的であり、人が新しい情報を取り入れやすい状況を提供します。
記憶の促進:
具体的な事例や経験は、脳においてより強い記憶形成を促進します。人は抽象的なアイデアよりも、具体的でリアルな情報をより良く記憶します。これにより、学習がより効果的に行われます。
応用可能性:
具体的な事例や例を理解することで、それを他の状況や環境に適用するスキルが向上します。具体的な経験を通じて得られた知識やスキルは、他の状況においても有用である可能性が高まります。
創造性の促進:
抽象的な概念やアイデアは、新しいアイデアを生み出すための土壌となります。一方で、具体的な事例や観察は、そのアイデアを具体化し、実現可能な形にするのに役立ちます。具体的な事例を通じて問題や課題にアプローチすることで、創造的な解決策が生まれることがあります。
コミュニケーションの助け:
具体的な例はコミュニケーションを助けます。人々が共通の具体的な事例や経験に基づいて話すことで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。抽象的な概念だけではなく、具体的な事例を通じてアイデアを共有することがコミュニケーションの理解を深めます。
具体的なものと抽象的な概念はお互いに補完し合い、バランスが取れていることが重要です。これにより、豊かな理解と柔軟性を持った知的思考が促進されます。
「具体⇆抽象ピラミッド」で世界を眺める
「具体⇆抽象ピラミッド」を使って世界を眺めると、異なる視点から深い理解を得ることができます。このピラミッドは、具体的な事例や事象から始まり、次第に抽象的な概念や原則に移行するプロセスを表現します。以下に、具体的なレベルから抽象的なレベルまで世界を眺めるアプローチをいくつか挙げてみましょう。
具体的な事例からの観察:
ピラミッドの底辺に位置するのは、具体的な事例や出来事です。特定の国、地域、社会、または個々の人々の具体的な行動や状況を観察し、理解します。
パターンと傾向の抽出:
具体的な事例や観察から、共通のパターンや傾向を抽出します。これは、複数の事例にわたる共通の特徴や動向を理解し、それを抽象的なレベルで捉えることです。
一般的な原則や法則の抽象化:
パターンや傾向を基に、一般的な原則や法則を抽象化します。これは、異なる事例や状況に共通する根本的な原則や法則を見つけるプロセスです。
抽象概念の適用:
一般的な原則や法則を特定の状況や問題に適用し、具体的なケースにどのように影響するかを考えます。抽象概念を現実の具体的な状況に関連づけることで、深い理解が生まれます。
新たな具体例への応用:
抽象的な概念を元に、新たな具体的な事例や状況に対して適用します。これにより、抽象的な原則が実際の場面でどのように具体化されるかを理解し、新たな事例に対処できるようになります。
このピラミッドのアプローチは、世界を包括的かつ深い視点から理解するのに役立ちます。具体的な事例から出発し、抽象的な概念への移行を通じて、より幅広く深い洞察を得ることが可能です。
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