【三間のない祭り】#01ショートショート
みんなが集うのは、満月の夜。
車の窓から眺める輝く月は、暗闇を照らす唯一の光、まるで昔見た街灯のようだ。蒸し暑い熱帯夜は、僕らから水分を奪っていく。
都心から離れた草木が茂る空き地、もうここも最後の場所となったと噂で聞いた。
僕が車から降りると、見慣れた顔ぶれがすでに並んでいる。指を指し、一人一人の顔を数える。
「今日の祭りの参加者は15人」
持ち寄った一人ひとつの遊びとお菓子。僕はここ最近、進行役を担っている。本当は率先して前に出て何かするなんで僕には向いてないし、やりたく