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荀先生ありがとうございます

1 執筆中の小説

 現在、自分は以下の戦争と平和の哲学小説を書いている。

 そして、表紙・目次・序文は、以下の通りである。

2.1 表紙・目次

2.2 序文

không có gì quý hơn độc lập, tự do 
自由と独立よりも尊いものは何も無い
トゥパク・アマル殿への献本
 再拝頓首して、謹んで哀悼の意を表します。
 トゥパク・アマル殿、貴殿が処刑されてから、来年の二〇二二年で、四百五十年目となります。貴殿が処刑され、祖国のインカ帝国が滅亡されたことに、心より深く哀悼の意を表します。
 かつて、私達の祖国ベトナムもまた、他の多くの諸国と同様に、植民地時代と独立戦争を経て、二十一世紀にまで至りました。
 世界は相変わらず、個人から国家に至るまで、形態は大きく変化しているものの、本質的には、生存を掛けて闘争と暴力が繰り広げられております。これは、天命であり、そして、私達人類、いや、万命の宿命でしょう。
 世界は、昔から今まで、そしてこれからも、全てが終焉の時が来るまでは、理不尽・不条理に満ち溢れ続けることでしょう。苦痛・戦争・災禍等は、多くかつ長く続き、喜楽・平和・福徳等は、極稀しかなく、しかも刹那に儚く終わります。
 ですが、『荀子』(賦 26:6)に、次のようにあります。
【知が明らかで、輝き照らしているものの、境遇と時代が不祥で、それでいて文化や香気が盛んであり、欲を払い除けて、礼儀を大いに行うものの、天下は、道理に暗くて、盲目的であり、闇愚な状態である。
 清くて、明るく、純然たる天は、もはや来復することは無く、憂愁に限りは無い。しかし、千年も経てば、必ずや反転する、これが古からの常法である。弟子よ、学に勉めよ!天は忘れないぞ!
 聖人ですらも拱手傍観している有様だが、時機というものは、事が幾多に亘って、積み重なってこそ、来るものだ。もし、愚かさを以て疑うのであれば、願わくば「反転」の訓辞を聞いてくれ!】
 今、私達は、科学によって大いに進歩した文明社会に住んでおり、それも、精神的にも、経済的にも、裕福であり、そして、道徳的にも、倫理的にも、恩沢に浴しており、さらには、科学的にも、哲学的にも、福徳を享受しており、この上ない幸せ者でございます。毎日、死を勇ましく覚悟しながらも、生に大いに喜び、徳を楽しく学び修めております。
 私達は、不徳な者どもではございますが、志を立てては、意を誠にし、天に誓って、徳を学び修めて、行い成そうとしております。故に、先哲である荀子の遺徳を中心に学び受け継いで、戦争と平和の哲学小説である「アメリカ解放大戦争」を著述して、こちらの拙作を、貴殿に献本いたします。
 個人の心身から国家の実態に至るまでが、独立かつ自由になってこそ、幸福になるのです。そして、これを実現するには、徳が必要不可欠であり、そして重要不可欠でございます。
 「徳治国家」と「幸福な国家」…ああ、人間というものは、善悪正邪・賢愚強弱を問わず、極めようとする者は、叶わないことを願い求めては、探し求めて、追い求め、そして気が付いたら、死に至ります。全く、儚く、虚しくて、空しいものです。
 ですが、徳を愛する者として、思うに、儚さに本当の美しさが、虚しさの中に本当の実りが、空しさの中に本当の想いがあるのです。美しさ・実り・想いとは、「至徳」即ち「中庸」です。高遠・深遠な存在で、実現不可能でありながらも、日常生活でも、実現に挑戦することは極めて容易であり、実現に挑戦する可能性や機会等が、彼方(あち)此方(こち)に常に遍在しております。
 私達は、実現不可能な存在の実現を楽しく挑戦していきます。こちらの拙作もまた、その挑戦の一つでございます。決して見られない美しさを願い求めては、決して得られない実りを探し求めて、決して叶わない想いを追い求め、そして、深く苦悩しては、あちこちを彷徨(さまよ)って、苦しく悲憤慷慨し、こうして、最終的には、徳を幸せに成します。
 それでは、謹んで、拙作を献本いたします。
Gracias(グラシィアス)!(ありがとうございます!)
二〇二一年七月十六日(金)、LVN・
Nguyễn(グエン) Hoài(ホアイ) Minh(ミン)・Tạ(タ) Hướng(フゥオン)・Nguyễn(グエン) Trọng(チョオン) Đức(ドゥック) より

3. 荀子への深謝

 今回の拙作の最重要参考文献は、『荀子』である。そして、訳注は、藤井専英先生のものを使わせて頂くことにした。

 こちらは、大学生時代、技能実習生の監理団体の時に購入したものである。さて、本日は、半日掛けて精読し、小説を書くぞ!

4 紹介文献

「礼が守れぬ者は法も守れない」今からおよそ2300年前に、現代のコンプライアンスにつながる考え方を説いていた中国の思想家・荀子。性悪説にもとづき、「法」の前に「礼」を理解するべきとする「礼治」の思想とは、どのようなものだったのか。「青は藍より出でて藍より青し」など、現代も使われる名言の本質を、現代語訳、書き下し文、返り点付き原文、解説、コラムで紹介。これ1冊で、中国思想家「荀子」がよくわかる入門書。

ありがとうございます。心より感謝を申し上げます。