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動物病院での犬と猫の病気:下痢(3) 動物病院には便を持っていこう!

千葉市で働く臨床経験17年目の獣医師です。

前回のnoteでは

動物病院に行く前に愛犬愛猫の下痢に関する情報を集めておこう!

という話をさせていただきました。



『それではいざ動物病院へ!』


と思われているご家族はもう少しお待ちください。

実はもう一つやってほしいことがあります。

それは

愛犬愛猫の最後にした便を動物病院に持ってきてほしいのです!

そのため最後にした便はぜひ捨てずに取っておいてください。

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よく便の写真を撮ってそれを診察室で見せてくれるご家族がいます。

写真はもちろん貴重な情報源なので可能であればご自宅でした便を撮ってもらい写真も見せていただきたいです。
特に何回か排便をしているうちにどんどん水下痢になってしまうようなケースでは、毎回の便の写真があればその変化もより分かりやすくなります。

百聞は一見に如かず

というようにご家族から口頭だけで便の説明をされるよりは、写真があった方がより理解が深まります。

さらに写真よりも実際の便を持ってきてもらった方が、形状や硬さ、臭いなど様々な情報が得られますので、写真だけではなくぜひ動物病院に来院される際は便をご持参ください。
よろしくお願いいたします。


よく
「便をどのように持ってきたらよいですか?」

という質問をされることがありますが、普通のビニール袋、犬のご家族であればお散歩で使用しているうんち袋でもかまいません。


また冒頭の方で

最後にした便

とお伝えしましたが、ご自宅でしたすべての便を持ってきてもらってももちろん構いません。

ただご家族としてもすべてを持ってくるのは大変だと思いますし、時間がたった便だと固くなってきたり乾いてしまったりと形状も変化してしまいます。

また次回お話ししようと思っていますが、便検査で使用する便は最新のもの(最後にした便)を使うことがほとんどです。

そのため動物病院に持ってきてもらう便は最後にした便だけで構いません。残りの便に関しても写真に撮って見せていただけると獣医師の立場からするととてもありがたいです。

ただここで注意点が一つあります。

下痢が続いている子はだんだん便自体が少なくなり、徐々に血液やドロッとしたゼリー状の腸の粘膜が出てくることが多くなります。
そのため最後にした便が血液や粘膜が中心だった場合は、少し前にした便を持ってきてください。。
よろしくお願いいたします。


これまでのまとめです。
これから下痢で診察に行こうとしているご家族に、獣医さんからのやってきていただきたい理想の準備をお伝えします。


<愛犬愛猫が下痢した際の動物病院に行く前の準備>

① ご自宅での下痢に関する情報をまとめてもらう。(前回のnoteに詳細あり)
② 何回も下痢を繰り返しているときは写真を撮って経過をわかるようにしておく。
③ 最後にした便をビニール袋に入れて動物病院に持っていく。

この3点ができていれば完璧です。


これらをご家族が行ってくれることにより、獣医さんは前回お話ししました除外診断も進みやすくなるため、愛犬愛猫に適切な治療を早く行うことが出来るはずです。

愛犬愛猫が下痢した際は、ぜひとも上記の3点を参考にしていただけたら嬉しいです。

今回のnoteは以上です。

次回は動物病院での便検査についてお話ししようと思います。



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