VB TIMES9月号Vol.3〜第4回i-Bankビジネスプランコンテスト結果発表〜

Venture Bankは、世界中で事業展開する企業、そして、世界を舞台に活躍している投資家たちによって組成された、ベンチャー支援プロジェクトです。

「起業したい」「事業を起こしたい」という未来の起業家たちをサポートするべく、私たちはビジネスプランコンテストの開催など、様々な取り組みを行っております✨

未来の起業家を更に応援するために、現役起業家やエンジェル投資家のインタビューや、現在企業に向けて奮闘する未来の起業家たちに注目し、その様子をお届けする『VB TIMES』🌳

今回VB TIMES9月号Vol.3では、第4回i-Bankビジネスプランコンテストの結果をお届けします！

海外でも人気が高い？日本の伝統文化

日本の伝統文化といえば、皆さんは何を思い浮かべますか？

ものづくり大国と言われる日本には、神社仏閣などの建築・浮世絵や着物の絵付けなどの芸術・全国のお祭りや催事などの習わしなど、その全てに現代まで脈々と受け継がれてきた技術者たちの「匠の技」や「文化」が存在します。

それらの中には、現代でも日常的に馴染みのあるものも存在しますが、近年は少子高齢化の影響などで、伝統文化の継承者の減少や若者の日本離れも影響し、一部の日本文化は衰退傾向になりつつあります。

その一方でサスティナブルの観点などから、日本古来の「良いものを長く大切にする文化」「無駄のないデザインや日本独特の芸術」などが、先進国を中心とした海外から高く評価され、注目度は年々高まっています。

中でも、日本の伝統文化が多く残る京都に関しては、2019年の京都観光総合調査で、海外からの観光客数が約886万人であったという結果が出ています。
この年の、日本への海外からの観光客数は約3200万人だと言われているので、そのうちの4分の1は、日本の伝統文化に溢れている“京都”への観光を目的に、来日したと言っても過言ではありません。

今回、Venture Bankのサービスであるi-Bankでは、海外からの評価や注目も高いのにも関わらず、日本国内で「日本の伝統文化が活性していない！」というポイントに着目し、日本の伝統文化を活性化させるための画期的なアイディアを募集しておりました。

＜i-Bankとは＞
i-Bankはオープンイノベーション及びオンラインインキュベーションの機能を兼ね備えたビジネスマッチングプラットフォーム（登録無料）です。

本来、Venture Bankのビジネスプランコンテストは、プレゼンの時間が設けられるものがほとんどですが、今回は【画期的なアイディア】というポイントに着目し、アイディアのみを提出いただくというシンプルなコンテストとなりました。

その結果、63件ものアイディアが集まり、多くの方にご応募いただきましたこと、ありがたく思っております。

それでは早速優秀賞と、入賞の結果について発表していきます！

【優秀賞】"日本伝統文化のVtuberによる擬人化×ライブ配信プロジェクト"（中川拓さん）

優秀賞の中川さんには、日本伝統文化をVtuberによって擬人化させ、ライブ配信で盛り上げ、さらには世界にも広めようといったアイディアをご提案いただきました。

以下中川さんのプレゼン内容
刀の擬人化をテーマとしたコンテンツ、「刀剣乱舞」の成功により、現代の若者にとって関わりの薄い文化でも、擬人化によるコンテンツ化で興味関心を引き、マネタイズすることができるという実証が生まれました。
その上で、昨今のおうち時間で大幅に市場が成長した、"ライブ配信"を掛け合わせた新規ビジネスを計画します。

○主な流れ
1.分野の選定
2.選定された分野のキャラクター化
3.各分野ごとのライブ配信チャンネルを作成
4.配信開始
5.ファン獲得のための配信企画

○ライブ配信のメリット
1.国境に影響を受けないプロモーションが可能
→17（イチナナ）ライブ、ミーミーライブなどの、国内ライブ配信市場は昨年450億円規模です。
ライブコマース化が強くなっている中国では、15兆円まで増加しています。
ライブ配信のプラットフォームは、越境のサービスが多く、最低限の中国語や中国文化を理解する日本人ライバーが中国進出に成功し、月間数千万の売上を上げるケースも出てきております。
そして、成功している日本人ライバーの共通点は""日本文化をアピールしていること""
日本人が中国に歩み寄る姿が、中国では好感を呼びファンの獲得に大きく起因します。
2.動画作成の時間、人員的デメリットがない
YouTubeなどと違い、動画編集の必要ないため、人件費や編集コストがかかりません。
そのため、初期コストが圧倒的にかからない点もポイントです。
3.支出について
基本的に、成果報酬のシステムなので、売上額の○%がバックされるようなビジネスモデルとなります。
そのため、お金の流れが明確で継続ハードルが下がります。
○今後の展望
ライブ配信のみで生計を立てれる環境を作るには、通常1〜3ヶ月程度の期間が必要です。
そして、その頃までに別なSNSを連動させておければ、最低1,000フォロワーのコアなファンを持つインフルエンサーの育成が可能です。
国内はもちろん、海外での展開も視野に入れ、基礎を身につけて、自ら発信できる能力を育成していきます。

中川さんのプレゼン内容にも出てきた、「刀剣乱舞」とは、日本の伝統文化である「刀」を擬人化したコンテンツです。

実際に存在する、刀がキャラクターとなっています。
そのため、刀の展示会には、好きなキャラクターが元となっている実物の刀を見るために、ファンの女性たちが長蛇の列を作っているようです。

また、擬人化されたキャラクターたちは、ゲームやアニメの二次元だけではなく、舞台化もされます。

その際には、「2.5次元俳優」と呼ばれる俳優たちが演じ、原作のファンだけでなく、演者のファンも取り込むことができ、大人気のコンテンツとなっています。

一方で、Vtuberといえば、現在話題の大人気コンテンツの一つです。
こちらも擬人化されたキャラクターが、Youtube上で、動画やライブ配信を投稿するコンテンツです。
Vtuberの市場は、日本のみならず中国などにも広がっており、様々な方面から注目されています。

中川さんのプレゼンは、実績や具体的な試作もわかりやすく表現されており、日本の伝統文化を活性化されるための素晴らしいアイディアだと、高評価が集まりました。

【受賞コメント】
この度は優秀賞へ選出いただき、誠にありがとうございました。
こういったコンテストに参加することは初めてでしたが、ご質問などもいただけたことで、ふわっとしたアイデアを現実に落とし込むために情報整理することができたことは私自身にとっても大きなプラスとなりました。
ご評価いただけたことを励みに、実現に向けてさらに加速して取り組みを進め、伝統文化の振興に貢献していきたいと存じます。
本当にありがとうございました。

素敵なアイディアをありがとうございました！

優秀賞を受賞された中川さんには、賞金10万円が贈呈されました。

【入賞】全国から！世界から！リモート芸者遊び（庄司陽介さん）

入賞の庄司さんには、オンラインで芸者遊びができるというアイディアをご提案いただきました。

以下庄司さんのプレゼン内容
昨今、新型コロナの影響で観光地は軒並みダメージを受けています。
それは、芸妓の世界でも同じではないでしょうか？
このままこのような状況が続けば、芸妓の世界も衰退し、貴重な日本の伝統文化がなくなってしまう恐れもあります。
そこで、私のアイディアでは、芸者遊びを「リモート」でやってみようというアイディアです。

お客さんは、自分の部屋でお酒を自前で用意し、料理は、芸妓が派遣されている料亭の提携先料理店が、ウーバーイーツなどを使ってデリバリー。
そしてメインイベントでは、Zoom、あるいは全国芸妓協会独自のアプリを使い、好きな芸者を指名し、会話を楽しみながら酒や料理に舌鼓。
さらに踊りや狐拳(きつねけん)、投扇興（とうせんきょう）なども楽しめます。

お支払いは、クレジットカードやPayPayなどを使用し、消費に冷え込む飲食、料亭、芸妓業界に光を射すビジネスとなっております。
また、本ビジネスの強みは、国内のみならず、全世界ネット環境が使えるところならば、どこからでも購入できるサービスということです。
ぜひ、海外の方にも日本の芸妓の芸の素晴らしさを体験していただき、芸妓業界の支援をお願いしたいところです。

コロナ禍でダメージが大きい、「芸妓業界」に注目したアイディアですが、普段は敷居が高い「芸妓」の世界を、より多くの人に広めるチャンスにも繋がります。

また、日本国内だけでなく、世界各国に住む「日本の伝統文化が好きな海外のファン」たちも、ターゲット層になっている点で、幅広いターゲット層の広さも、入賞選出へのポイントとなりました。

【受賞者コメント】
この度は素晴らしい賞をくださり本当にありがとうございます。こういった賞をいただくのは久しぶりで、自分のアイデアに限界を感じていたところだったので、自信を回復するきっかけになりとても嬉しかったです。
今後もこういった賞がいただけるよう精進して参る所存です。ありがとうございました。

庄司さん、ありがとうございました！
入賞者の庄司さんには、賞金として1万円が贈呈されました。

〜今回のコンテストを踏まえて〜

今回のコンテストでは、「画期的なアイディア」と題して募集をしましたが、実績や類似のビジネスモデルを提示があることによって、アイディア内容もより具体的なものとなります。

今後もVenture Bankやi-Bankではこのようなビジネスプランコンテストを開催する予定です！
これから挑戦しようとしている皆さんは、是非今回のコンテストのプレゼン内容も参考にしてみてくださいね！

沢山のアイディアをありがとうございました！！

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次回の更新もお楽しみに♪