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wawabubu
2021年9月7日 11:51
小西由紀とのその後の進展はなかった。わかったのは、彼女が「気分屋」だということだった。天文部の例会で顔を合わせて「あのこと」に触れてもそっけなかった。「あたしね、ちょっとおかしくなってたんよ」「おかしく?」「もういいでしょ」こんな具合で、取り付く島もなかった。今年の天文部の合宿は花背(はなせ)の大悲山(だいひざん)付近のポイントでキャンプすることになった。本田さんが前に行ったこと
2021年9月7日 11:24
赤川鉄橋を貨物列車が、牛のよだれのように長々と、カタンコトンと時を刻むように進んでいく。西日(にしび)を背にしたその光景は、この淀川端の堤防からのおなじみの景色だった。このゴミ箱のような街にあって、唯一といってもいいほどの自慢できる景色だった。おれは、授業が引けて、部活動もない日には、こうして堤防を歩くようにしていた。赤川鉄橋の反対側には豊里大橋という「斜張橋」が、これまた美しい点景を添
2021年9月7日 11:02
机がなかったので、天文部先輩の本田昭(あきら)さんから折りたためるデコラ天板付きの机を頂いた。椅子も付けて…それを本田さんのお兄さんが西三荘(にしさんそう:京阪電車門真市駅の次の駅)の実家から軽自動車で持ってきてくれたのである。「ありがとうございます」「いや、うちも助かってんねん。邪魔で、ほかそう(捨てよう)と思ってたとこやから」本田さんのお兄さんもそう言ってくれたのだった。「すごい