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『推しを失ってから1年が経った』

11月1日。
祝日でもない、世間的にはなんの変哲もないこの1日が、1年前、私にとっては一生忘れられない日に変化した。

20年間、推してきたグループが解散した日。

そうか、もう1年経ったのか、なんて。
感慨深い気持ちにならなくもないけど、意外とどうってことない1年だったな、とも思う。

20年以上前、彼らに出会ってから、彼らのことを考えない日はほとんどなかった。
全国でコンサートがあればどこにだって足を運んだし、舞台やミュージカルは観に行かなかったけど、行けそうなイベントには参加したし、毎日のように原宿に通い、メンバーのご実家が経営するお店に訪れたりもした。

CDが発売されれば、数パターンある限定盤を全部揃えるのは当たり前で、TVの前にかじりついて、出演する音楽番組は録画しつつリアルタイムで毎回観た。

その頃はまだゴールデンタイムのレギュラー番組もあったから、それも毎週視聴したし、2時間SPの時は“推し“がメインのコーナーがあるかどうか毎度のようにワクワクしていた。

生活の一部だった。
日常を彩るどころか、日常に溶け込んでいた。

恋をしていた。確実に。
私の全てを埋め尽くすほど。

だから、彼らがいなくなった時に、自分がどうなるかなんて想像もつかなかったし、そもそもその頃は、彼らがいなくなることを想像出来なかったんだと思う。

まだ若かった、私も、彼らも。
毎年のように不仲説が囁かれて、売上も低迷していて、「解散間近」と報道されることがあっても、私は意地でもそれを信じなかったし、信じてる人たちを「ハッ」と鼻で笑う側の人間だった。

たぶん彼らのターニングポイントになったのは、「出せない手紙」という楽曲だ。
アレでオリコン連続1位を逃してから、明らかに風向きが変わった。

じわじわ、じわじわ、と。
何年もかけて蝕むように、少しずつ冷遇されていく推しの姿は、全盛期を知っている人間としては悲しかった。

でも、悪いことばかりでもなかった、と。
今となって振り返れば思う。

冷遇され始めたから、逆に肩の力が抜けた。
“自分達の好きなようにやっていいんだ“と、アイドルであることにこだわらないメンバーが増えた。

岡田くんは演技の道に邁進したし、長野くんは食べ物の世界を突き詰めたし、井ノ原くんは司会とかの喋る仕事が増えたし、私の推しはミュージカルスターになった。
健くんだけは、どこまで行っても最高にアイドルだったけどね。

第二幕、ってやつなのか。
昔みたいな勢いはないけど、それぞれが楽しそうに、嬉しそうにやる仕事が増えた。
V6という全体ではなく、個人に焦点を当て始めたのだと思う。

私も彼らも年齢を重ねて。
あの頃みたいに燃え上がるように応援するのではなく、活動するのではなく、コンサートも行くし番組も観るしCDも買うけど、どこか気持ちは静かだった。
冷めたというわけじゃない。
そう、“落ち着いた“のだ、みんな。
ファンも少しずつその変化に慣れていって、それぞれがそれぞれの推しを応援して、数年に1度、全員が集結するコンサートがある時は、ファンも含めて“全員で思い切り楽しむ“。

そんなサイクルが当たり前になってきたころ。
解散するよ、と告げられた。

正直に言えば。
晴天の霹靂ではなかった。
きっと、誰もが頭の片隅にあった。
「そう遠くない未来に終わりが来る」のだと、恐らくファンは全員覚悟していたし考えていた。
あの人たちに付き合ってきたファンは、そこまでお花畑でもなかった、ということだ。

解散が現実として横たわってから、V6のファンはかつての勢いを取り戻した。

怒涛のように過ぎていく日々の中で、流されないように、埋もれないように、見逃さないように必死になって、彼らにしがみついて離れなかった。
それは“見届けよう“という気持ちもあるけど、純粋に楽しかったんじゃないかな。

昔みたいに。毎日のように推しがTVに出て、コンスタントにCDが発売されて、目を離したら追いつけなくなりそうなくらい、精力的に活動していく彼らを見守るのが。応援するのが、楽しかったんじゃないかなぁ、と今では考える。

1年前、推しの最期を見届けたあの瞬間。
この世界からV6は消えた。
それは心が引き裂かれるような痛みだった。

私の生きるこの世界の、何かが変わってしまう予感がして、とてつもなく恐怖したこともあった。

でも毎日は変わらずやってきて、時間が止まったわけでも、推しが死んだわけでもない。

坂本昌行は生きている。
同じ刻が続くこの世界で。
私の目の届く場所で。今も。

だから、今はそれでいいと思えるようになった。

ジャニーズアクスタ戦争の戦利品

だって解散してもなんにも変わらずに、こんなことばかりやってるんだもの。

そこで、ファンが変わったらおかしいじゃん。

ちなみにこのアクスタの台紙には、トニセンのファンなら“ほんのちょっとだけ感動するかもしれない言葉“が書かれている。

なんか本当、いい意味で。
馬鹿だなぁ、と泣き笑いさせてくれる言葉。

そうだね。
彼らが変わらないなら、私も変わらない。
変わる必要がないんだ、と気づいた。

私はこれからも推していく。
人生でいちばん愛したこの人を。
“坂本昌行“という肩書きに、死が訪れるまで。

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