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名前のない「その人」

私の頭の中で創り上げた、架空の、理想の、「その人」。

「その人」は、誰かから愛されることなんて気にせず、自分がどれだけ愛しているかに価値基準を置く。

「その人」は、嫉妬や怒りなどの負の感情(=ルサンチマン)に苛まれることもなく、自分が好意を抱く人の行動に一喜一憂しない。

「その人」は、自分がいかに無知であるかを知っていて、この世のあらゆる常識という名の偏見に対しても「?」を抱く。

「その人」は、他人の靴のサイズで自分を測らず、自分の羅針盤のみを片手に進んでいるよう。
でもその羅針盤も自分のもつ「色眼鏡」であることも自覚している。

「その人」は、この世に絶望している。
そのことを本人は自覚している。
でも同時に、心の奥で愛していることも知っている。

最後に。
「その人」とは、私が憧れ、畏敬の念を抱き、なりたいと思いつつも、きっとなれないであろう「(超)人」なのである。


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