Vaio Stera ~転生先で推し変しかけてる~ 2章#16 強情な騎士とどうしようもない偽花の二組の回 Vol.8
スノウの画面を見て疑問に思っていた事があった。
え? それで終わり? という疑問が。もっと何かがあるのではないか。ここの幽霊たちを閉じ込めさせる根本的な理由が、と。
そこで久遠多夢がとった行動はあれだった。
タバコのフラグを達成する前に、マスターキーを取って204号室に入る事だった。
そこでは、204号室の幽霊には襲われなかった。
『誰じゃけぇお前。お前じゃない』と。
そこでは、なんと調べるを押すと、話しかける事ができた。
「お前はここで囚われているのか?」
「そうじゃ。ここで何年もな」
「どうして襲わないんだ?」
「閉じ込めたのはお前じゃないし。白衣かどうかでわかる」
「まぁ、俺は見ての通り軍人っぽい服を来てるしな」
「にいちゃんよう来たのおお、で頼みなんじゃが聞いてくれるか?」
「なんだ」
「ここを燃やして欲しい」
「どうして?」
「ここの皆は何か不思議な磁場発生装置? か何かで囚われているじゃき、それをどうにかして壊せばどうにかなるんじゃ」
「でもどうやって? 燃して壊せるのか?」
「理由はある。ここの麻雀じじい達の酒じゃ。あそこにはまだまだアルコールがあるからな。あれで炎が伝わって、磁場発生装置を壊せるんじゃ」
「雑だなぁ。でも思い出せてよかったよ。炎は任せろ」
「おう、がんばってくりー」
と、なんとも気楽な会話だった。
「時光さんだからこそ、できた攻略でしたね」
「別に空想の幽霊なんて怖いと思わん。今一番の恐怖は、大切な人がいなくなる事だ」
「ふん、これだからたらしは……」
久遠多夢が幽霊を怖がらない理由に、やれやれといった感じの三億。
問題は、ここからだった。
「スノウに腕立て伏せポイントを稼がれる前に、脱出する!!」
そう、スノウに先を越されている事だった。
お互い、腕立て伏せの回数は覚えていない。途中途中でやっていたからだ。
そこで、久遠多夢はある作戦に出る。
さっきまで怖がっていたHALHALがその姿を見て驚く。
「!?!? 片腕で腕立て伏せをしながら脱出ですか!?」
そう、久遠多夢の力任せによる、片腕立て伏せだった。
「久遠多夢さん! それはキツイですよ! 脱出すれば勝てます!!」
「それは、……あるな! だけど……、まだ、腕立て伏せでも、負けたく。ないんだよ……!」
「お嬢様。多分男の意地ってヤツですよ。これだから男というのは……」
「お前の言う通りだよ三億! ここまで来て腕立て伏せできません、でしたじゃ、ある意味負けてる!!」
「言うねぇ、久遠多夢くん。じゃあ僕も片腕立て伏せしようかな!!」
そういうと、スノウは片腕立て伏せの状態になり、そこで更なるポイントを稼ぎ始める。
「これを、やるなら、エンディングでの差は、埋まる!! 勝つのは、ボクだ!!」
「あああああああああああああああああああ!!!!」
ここで更に、久遠多夢は負荷に加速を書ける。
「なっ、片方の腕だけで指立て伏せ!?」
ここで驚きの声を上げたのは、ガテリアだった。
「ぜってぇ!! まけてぇ!! あああああああ!!! たまああ!! るああああ! かあああああああああああああああああああ!!! ああ!! ああああ!!! あああああああああああああああ!!!」
「ぃいいいいいいいいいいい! いやだああああああ!! 負けるものかあああああ!!!」
「すのう!? 更に加速を!?」
男の腕立て伏せ対決となり、最早エンディングがどうとかの内容どころではなくなった。
「ああ! ああ! AAA! あと!! すこ!!! すこ!! すこし!! クリア!! あああああああああああああああ!!」
「まけ!!! る!!! か!!! この!!! ばか!!!」
「スゴイ!! まさに男同士のロマン対決!! 勝つのはドッチだ!?!?」
殆どから忘れられていたメッセンジャーPが実況に周り、解説として盛り上げていく。
ここで状況を変えたのは、ある1人の応援だった。
「久遠多夢ー---!!」
「あ、ああ!?」
「が、がーんばれ!」
「うああああああああああああああああああ!!」
そこで火が着いたのか、久遠多夢の腕立てが更に加速していく。
肩の機械にはショートなのかプラズマが走るも、限界を超えて腕立て伏せをしていく久遠多夢。
「う、ヂクショオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
スノウは、限界を迎えたのか、腕をぷるぷるとさせながら、哲也をエンディングに突入させた。
対する久遠多夢は、スノウがエンディングに入ったのを見て、哲也を瞬時に脱出をさせる。
そこで、男同士の意地の張り合いが終了した。
「さて、勝ったのは?」
ガテリアが計測係のアバターに声をかけ、計測結果を聞く。そこで、計測結果を発表する。
「スノウ、タイム23分7秒、エンディングB、腕立て伏せ207回!!」
おおー、と言うヴェイン。
次に、発表されるのは、Fakers Flowerだった。
「時光久遠多夢、タイム26分53秒、エンディングC、腕立て伏せ254回!!」
よって勝者は、
「Fakers Flowerの勝利だ!!」
〇ー〇ー〇
「ごめん……最高にダサい形で……負けた……」
「いいって事だスノウ。途中怖くなかったしな。でもお前のおかげだ。ゆっくり休んでくれ」
「うあ~~~~い」
「お前は寝とけ。あとはさんおくとはるはるから、勝利をもぎ取ってくる」
ヴェインとりぼんにゅーはスノウを寝かしつけ、目の前の三億とHALHALに対峙する。
「おい電脳危険料理女。くおんたむはたしかによくやった。だが、この程度で勝ちだと思わないことだ」
「その言葉、すっかり負け犬の遠吠えでしてよ?」
「ちょっと、セレナ、いい加減にして」
「いえ、お嬢様。あの強情っぱりは一度ぶっ飛ばしておかないとワタクシの気が済まないのです」
「はー、もうセレナはもうちょい仲よくするとかそういう発想はないの?」
「ワタクシにはお嬢様がいればいいのです」
「わかった。喧嘩が終わった後に、仲よくね」
「ええ。それは……考慮入れときましょう」
「話は終わったか? じゃあ行こうか」
「まてりぼんにゅー。この流れだと、クリエイトバトルをするのか?」
「いや、それじゃわたし達が盛り上がらない」
今からするのは、とりぼんにゅーが続ける。
「クリエイト組でフィールド侵略を支援する、シンガーとのタッグバトルを開始しようと思う」
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