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朝ドラ「らんまん」終了に寄せて~個人的には「あまちゃん」以来のアタリ作

こんにちわ!病気と闘う気持ちだけ元気な #病んでもタダでは終わらない 渦巻(@uzumaki_628)です。え、闘病中なの⁉と興味を持ってくださった方は、各マガジンを読んでくださると嬉しいな♪

さて、それでは前置きが長くなってしまったが、今回は先週で放送を終えたNHK朝ドラ「らんまん」 (2023/4/3 ~ 9/29)について、少しだけ四の五の並べてみようと思います。

※記事は「だ・である調」で綴らせていただきます。


朝ドラの古参ファンとしての振り返り

まずは自分の朝ドラ歴を振り返ってみると、古くは子どもの頃に母親がハマりにハマっていた「おしん」(1983/4/4 ~ 1984/3/31)辺りからスタートしている。その後、自分の意思で視聴し始めたのは恐らく成人してからだが、結構な古参ファンだと思う。

中でも北三陸の海女と地下アイドルという思いもよらない組み合わせをテーマに描いた「あまちゃん」(2013/4/01 ~ 9/28)は、自分にとって過去最高の朝ドラ作品である。

「見ないと1日が始まらない!」とまで言わしめた「あまちゃん」

当時、自分はまだ独立前で、広告代理店にフルタイム勤務しながら中学生の長女と小学生の長男とをワンオペで育てるという、怒涛の日々を送っていた。毎朝、子ども達を送り出して自分が出勤するまでが第一ラウンド、職場での仕事が第二ラウンド、帰宅してから就寝するまでが第三ラウンドと、目まぐるしい日々を支えてくれたのが、毎朝の「あまちゃん」だった。
世間では幅広い世代から「あまちゃんを見ないと1日が始まらない!」と評され、あまちゃんブームが巻き起こったほど。

コメディ要素満載ながら、後半には東日本大震災を描くという、脚本の宮藤官九郎の決断には敬意を表したい。全体を三部構成にナレーションを母娘三世代交代で担わせるなど、数々の新しい取り組みを成功させ、お茶の間に笑いと勇気を届け続けた逸作だ。

BS再放送で「あまちゃん」からの「らんまん」

さて、それが「らんまん」のスタートと並行して、なんの陰謀かはたまたサービスか、BSでの早朝再放送にて「あまちゃん」が同時進行という偶然が起こった。
これ、毎朝7時30分から先駆け視聴できるもので、更にその前枠7時15分からは歴代の朝ドラが見られる、まさに早朝BS朝ドラ推しのための30分間。今シーズン「あまちゃん」からの「らんまん」2本立ては、ちょうど自分の闘病生活の始まりともリンクしており、なおさら感慨深いものとなった。

いやいや、あまちゃん愛はさておき。此度はらんまん終了に寄せて、万太郎と寿恵子の冒険物語について、語りたいのであったわ、失礼m(__)m

キャスティングと脚本に恵まれた「らんまん」

それなりに複数作品の朝ドラ視聴者なら承知のことと思うが、今回の朝ドラ「らんまん」は十二分にアタリといっていい。放送開始前に「日本の植物学の父・牧野富太郎をモデルに描く」という予告を知った時点では、ここまで面白いものになるとは、正直まったく予想していなかったので、いい意味で期待を裏切ってくれたのだ。

「らんまん」の成功は、何より「キャストのチョイスと脚本の出来」だろう。ドラマが終盤を迎え、後枠番組「あさイチ」のプレミアムトークに登場した主役・槙野万太郎を演じた神木隆之介と、さらに彼を取り巻く関係者としてインタビュー出演した脚本家・長田育恵の人となりを前に、そう確信した。(※個人の独断と偏見なりw

余談だが、あさイチでは長期に渡り、直前の朝ドラの感想と今後の予想を端的に述べる「朝ドラ受け」を担ってきた。これがまた賛否両論で、一時期はクレームにより自粛騒ぎまで勃発したほどの偉大なる雑談だ。この朝ドラ受けをセットで視聴してこそ、次回へ繋がると言っても決して過言ではない(いや言い過ぎ?

その神木隆之介だが、わずか2歳でのCM出演を皮切りに、8歳で「千と千尋の神隠し」にての役で声優デビュー、ちょうど30歳を迎えた現在では「アンチがほとんどいない」と評される愛されキャラの王道を行く俳優。彼を抜擢したことが、成功の一助となったことは間違いないと思う。

千と千尋の神隠し@坊

純粋に物語として楽しめる脚本の熱量

一方、長田育恵という脚本家だが、ミッション系の中高一貫女子校から早稲田の文学部へ進学。ミュージカル研究会を経て、井上ひさしに師事とある。が、この際、そういう経歴なんかはあまり関係なくって、自分が注目したいのは彼女の人柄だ。
あさイチで彼女を初見したとき、「え、この人が!?」と相当なギャップ萌えを覚えた。もっと全身自己主張していそうな方を勝手に思い描いていたからだが、いやはや――さもすると、迷いや葛藤に翻弄されるような線の細さを携えながらも、絶対に譲らない強い意思をうかがわせるまっすぐな眼差し。インタビューに受け答えする様子は、その物腰の柔らかさと、佇まいとは相反する内に秘めた情熱を裏腹に併せ持っていて、次の瞬間には「あぁ、この人だからか」と妙に納得してしまった。

脚本はノベライズされており、早速、読まさせてもらったが、純粋に物語として楽しめる。ものづくりに対する長田育恵の熱量を、改めて感じた。

※ちなみに、朝ドラのノベライズはエール以来となっている。

ヲタク道の頂点に君臨すべき牧野富太郎

そして最後に、もうひとつ。
モデルとなった牧野富太郎の圧巻な「植物オタクぶり」には、世のオタクたちが総出で対抗してもなかなかにかないそうもない、いわばヲタク道の頂点に君臨すべき人物である。「夢は叶う」「有言実行」など、数々の名言が思い浮かんでやまない。

生涯で集めた標本40万点、文字にするのは簡単だが正直、とんでもない天文学的な数だ。このメガデータをコンピュータが存在しない時代に創り上げたのである。以下、昨日の自分のつぶやきだが、

牧野富太郎という植物ヲタクこそ、成功して幸せを掴んだのではなく、多額の借金を背負い苦難の連続ながら常に好きな事へ没頭できる幸せを思い知っている男だったからこそ、成功を掴んだのだ。

この自叙伝がなかなか面白く、彼の「人たらし」ぶりがよく伺える。そういう意味では、神木隆之介と通じるものがあるのだろうな。

こちらは、ドラマに度々登場した万太郎の描く植物画そのものが再現されており(いやいや、こちらが本物でドラマの中でが再現なのだが)、その緻密さに見惚れてしまう。

後味の良さから生じる爽やかな「らんまんロス」

そして、波乱万丈ながら悲劇を悲劇らしく扱わぬ徹底ぶりからか、最後はなんとも後味の良い終わり方。いつになく、限りなく前向きで爽やかな「らんまんロス」は良い具合に消化され、次なる「ブギウギ」へと見事にバトンタッチされた。

さて、次作のヒロインに抜擢された水谷豊と伊藤蘭の愛娘、趣里。これがまた一風変わったチャームの持ち主で、童顔ゆえに三十路を過ぎているとは思えない可愛らしさだ。

明日からまた、新たな朝の楽しみがスタートだ!

以上、「らんまん」終了に寄せて

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