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映画「怪物」ラストシーン。

ラストシーンの美しさがなんなのか


草むらを駆けるふたり。
そのときわたしもそこにいた。

ふしぎで、なつかしかった。

幼いころに抱いていた、心の不可侵領域を取り戻していく感じがする。

もう怪物が一体だれなのか、
どうでもよかった。

ただ、
わたしには、心があり、
あなたのことや、生きた場所を、
美しいってつよく思える
感受性がたしかにあるから。

心の豊かさというものは、
だれにも脅かせないような、
そのやわい、生(なま)の部分を
じぶんのなかにひたすらに、
大事にもっていることだと思う。

それってたぶん、だれかの心の代わりをしてたりとか、
だれかの価値観、感性とすり替わってるわけじゃない。

「わたし」が主語になって、
世界の側をみてやろうって
あふれる感覚が生きることだ。

そういう、美しさだ。


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