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鬼の背後の呪いが金

なんだか、変な諺のようなタイトルだけど、調べてもそのような諺はもちろん出てこない。ただ、今から書くことをまとめたら、こうなっただけだ。

鬼滅の刃の次のブームだと言われているのかどうかは知らないが、その候補として、「呪術廻戦」という作品が挙げられているらしい。そういうネットニュースを、Googleのパーソナライズされたトップページから開いた。海外でも人気の様で、英語版も出版されているとか。後は、翻訳のスピードが速くなり、日本とそれほど時間差が無い状態で、アニメを見ることが出来るという環境も関係しているのだろう。

しかしそんなことはどうでもよく、私は、マスメディア或いは企業を呼ばれる組織というか、そういう経済を回す側の、移り変わりの速さ、金蔓の選定スピードみたいなものを感じた。鬼滅の刃が一時的に人気に成り、それで乗じてコラボレーションが行われる。どこでも鬼滅、鬼滅、鬼滅の刃。実に大衆の巣くう、オルテガが予想していたような社会である。

そこで、もう次の鬼滅の刃的存在を探しているのかと思った。人が集まるもの、ネットで共有されやすいもの、イメージとして利用することによって、金があつまるもの。(もちろん作品自体も優れていることも重要かもしれないが。)

経済とは、実にスピードの速い者だ。一年かそこらで、大衆は情報を消費し、イメージを消費し、イメージを買い、物を捨てる。鬼滅の刃鬼滅の刃言っている割には、そこにどのようなメッセージや教訓や、学ぶべきことや、逆にしてはいけないことがあるのかを吸収している人は、少ない気するが。消費者も企業も、そんな些末な事は考えないのだろう。

呪術廻戦が、次の鬼滅の刃になってしまったら。なんだろう。「煉獄?さんカッコいい」みたいに、「狗巻棘(いぬまきとげ)くんカッコいい」っていう空疎な文言が流れてくるのだろうか。

いや、呪術廻戦が例え人気にならなくとも、鬼滅の刃の代替としての存在が、必ずやってくるのだろう。まるで、儀式だ。システムでもあり、逃れられない無限ループでもあり、やはりシステムでもあるような。人気ものを設定し、それを貪りつくす。それが、なるほど人間という生き物が巣くう社会(システム)であったか。

あぁ、僕のヒーローアカデミアが、鬼滅の刃的存在にならなくてよかった。その作者でもないけれど、「ヒロアカ」という言葉が繰り返されすぎて、そこに何も思いがこもっていないような、淡々とニュースで流される殺人事件のような言葉にならなくてよかった。(そのような言葉が、ヒロアカにまったくついていないわけではないけれど。)

スキになるのはいい。だが、恰好の消費の対象、消費されるイメージ、これさえつけておけば売れるだろうというイメージになるのは、ちょっとキモイ。まぁ、変化の速すぎる経済に、ワタシが付いていけてないだけかもだけど。


鬼の背後の呪いが金


さぁ、次の消費と貪りと欲求は、どこに向かんでしょうか。



今日も大学生は惟っている




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