マンガの一コマから垣間見える、隠れた言葉の考え方。:僕のヒーローアカデミア
不思議なものです。
少年ジャンプの漫画と、図書館で見つけたフランス語の文法書を読んで
意外な共通点を見つけてしまうのですから。
My hero academia
そもそも私が、「僕のヒーローアカデミア」を外国語で読もうと思ったことが、意外にもこの発見につながっていたのかもしれない。
私が次に読もうとしたのは、
「My hero academia」 から
「Mon héro académie」へとたまたま変わったのはこの発見のためだったのでしょうか。
(フランス語の版のタイトルも「My hero academia」ですが・・・)
Mon héro académie
さて本題。
私が気になったのはこのシーン!
出典:堀越耕平、(2014)、『僕のヒーローアカデミア』、(David Le Quéré訳)、集英社
「MON CORPS A RÉAGI AVANT MÊME QUE JE PUISSE RÉFLÉCHIR !」
まぁ・・・
あなたが見ても「?」となるので、英語版も見てみましょう・・・。
「THEIR BODIES SIMPLY MOVED BEFORE THEY COULD THINK !!」
ここまで見たら分かる人もいるかもしれない。
注目してほしいのは
「MON CORPS(仏)」と
「THEIR BODIES(英)」そして
「JE(仏)」と「THEY(英)です。」
「MON」は「私の」を意味し、「THEIR」は「彼らの」を意味します。
加えて
「JE」は「私」、「THEY」は「彼ら」を意味します。
同じ意味を持っているはずなのに、主語や形容詞の解釈が違ってくるのってとても不思議じゃありませんか・・・?
私は見た瞬間に、
「ん・・・!どうしてだろう・・・?」とビビりました。
フランス語の一般的特性
さてさてさーて、
フランス語の文法書には
フランス語の一般的特性として、
「能動表現」を好む、というものがあります。
と書いてありました。
つまり、主語+動詞(受動態を除く)表現をフランス語は好むのかなと私は思いました。
たしかにフランス語の授業を受けていた時に、
財布を盗まれた!は
「Je me suis fait voler mon portefeuille」という風に使役表現を使って表すことができますが、長いので
「On a volé mon portefeuille」という風に言い換えられます。
上の文も能動態の形ですが、
下の文の方が、より「能動態」らしく、主語と述語が分かりやすいです。
このことからも、「能動表現」を好む、ことが分かると思います。
参考文献:「あらわす文法」東郷雄二
もう一度
さてもう一度、ヒロアカの例の表現を見てみましょう。
「MON CORPS A RÉAGI AVANT MÊME QUE JE PUISSE RÉFLÉCHIR !」
この文では、「私の身体」や「私が考えられる」のように、英語に比べて「私」という意識が強いのかなということが伺えます。
英語、そして日本語よりも
「私」つまり「能動的」「積極的」なフランス語の特性がこのわずかな翻訳の差に影響を与えているのかなと思います。
そうでなければ、英語のように
「彼らの~」という形で表現されているはずだと私は思います・・・!
まぁガキの勝手な推測には変わりありませんが。
問いは終わらない
でも、ここで新たな疑問が生まれてきました。
なぜ日本語では、明確に「誰か」が示されず
そして英語では「彼らの」という不特定多数的な表現になっているのでしょうか・・・?
ん~。
困った。ものだ。疑問を解決しようとすると、新たな疑問がどんどん出てくる・・・
と
今日も、大学生は思巡らしている。
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