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腰が引けて力が入ってないのは(豆柴ヘルニア生活日記③)
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■20240105
さっそうと散歩を始めたのも束の間、いつもの公園までたどり着くとやっぱり様子がおかしい。
腰痛持ちの人、というのは、自分もそうだから余計にぱっと見ですぐわかる。
勤め人だったりすると、シャキッと仕事しないといけないという思いからか、ついつい痛くないふりをする。普通の様子で振る舞おうとする。しかし、痛い腰をかばってるのでしめたケツが突き出て腰が抜けつつも無理して背骨を張るような、妙ちくりんな姿勢になる。
4つ足の柑太くんにとっても、その様子がほぼ当てはまるような、痛々しい姿勢だった。
あーそれは・・・きっと腰が痛いのね。うんうん。わかるよ・・・
俺もよくそうなるよ。
てか 同情してる場合じゃないだろ。
柑太くんは 腰が痛いと言ってるのだこれは。
片足を上げておしっこをするのではなく雌犬のように腰を屈んですることが多くなってきた。
うんちのときに力みきれなくてあまり出せてないんじゃないかというほど量が少ない。
抱き上げる時にキュキュキュキュィィィィィイイインと鳴く。
・・・そのあたりの様子は「腰が痛い」のだとすれば、すべて合点がいく。
歩いては、止まる。
そしてまた、トボトボと少し歩いては、また止まる。
その繰り返し。
公団住宅の端にあるウッディなベンチに腰を下ろして柑太くんを「よしよしよーしよしよし」と撫でた。
腰の辺りを中心に、身体中を撫でた。
とにかく撫でた。
よーしよしよしよしよし、だいじょうぶだよ、だいじょういぶ、と言いながら、俺の手のひらからなんかええもんが出ますようにと祈りながら、手を当てた。
30分くらい撫でたら柑太くんの身体の力みがだいぶ取れたので、ゆっくりゆっくり歩いて、帰ることにした。
あした 正月休み明けのかかりつけの獣医さんに 診てもらおうね。
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帰り道。
谷間の更地に冬の日差しがあたたかくふり注いでいた。
誰から褒められることもなく責められることもなく ひっそりと その谷間の更地に 野生化したランタナが咲いていた。
おそらく かつてここに暮らしていた家人が植え愛でていた ランタナなのだろう。
さまざまな想いが去来する。
いのちは どんなかたちであれ 尊く そして美しい。
(つづく)
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