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兎がほざく

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ショート•エッセイ、140字以内。毎日投稿、どこまで続く?
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#芸術

兎がほざく1163

兎がほざく1163

自分が現実と夢とに挟まれたものだとして、身体を取り戻すのは現実からでも夢からでもあり得るのでしょう。

歌をうたう、絵を描くなど、現実において身体を取り戻しています。

眠るのは夢において身体を取り戻しているのです。

眠りは万人のする芸術なのかもしれません。

兎がほざく1041

兎がほざく1041

芸術作品の良さとは、常に「誰にとっての」良さかの問題です。

「誰」とは顧客層ともいえます。

顧客層の人が払える金額で作品は売れます。

はじめからそれぞれを好む顧客層が限定された特殊な市場です。

そしてどの顧客層もきっと今は懐具合があまりよくないのです。

兎がほざく983

兎がほざく983

修業とは芸を盗むこと、という言い方があります。

他人の芸は簡単には再現できません。
どんな芸も自分の中に作り込んで初めて人様に見せられるのです。

だから芸を盗めという言葉は「できるものならやってみろ」という師匠の挑発と思います。

うまくゆけばオリジナルの完成です。

兎がほざく854

兎がほざく854

ユングは美とは過去の残照と言っています。

それは過去の複製ではなくて現在のものが過去の残照を受けて輝くことだと思います。

残照は向こうから照らしにやってくる光なので作者を制約したりしません。

むしろ新しいものの創造でないといけないと焦る方が制約されています。

兎がほざく781

兎がほざく781

眼の前のこの瞬間に対して額縁を与えれば芸術になるだろうか?

写真を芸術にした人はそう思ってやってみたのでしょう。

詩や絵画の作品は現実や夢に額縁を与える試みでもあります。

そして作者は額縁を与えることで自分を現実や夢の渦潮から救い出しているのです。

兎がほざく🐇その428

兎がほざく🐇その428

昔の日本の絵師は象も虎も実物を見る機会がなくて想像だけで描いたそうです。

それで象や虎のリアリティを表現したのです。

天国や地獄に行って帰ってきた人はいませんがそれらが語られるのを多数の人が信じています。

表現の必要が本物ならばそれがリアリティになるのかな?