髭をはやした建築家皇帝 - ハドリアヌス帝
第14代ローマ皇帝であり、五賢帝の1人ハドリアヌス帝。
建築家としても優れていた皇帝が手がけた建造物は、今でもいくつも残ってます。
ギリシア志向のハドリアヌスは、ローマ皇帝では唯一ギリシア風の髭のある皇帝。
在位は紀元117~138年。
ハドリアヌスは帝、巨大化しすぎた帝国と、衰退しつつあったローマに、いち早く気づいた皇帝でした。
辺境の防衛強化のため、帝国北端にあたるグレート・ブリテン島を横断する「ハドリアヌスの長城」を建設。
この建造物は1987年に世界遺産登録。
ドームが象徴的なローマのパンテオン。
今も残る古代ローマ建築で最も完全なものとされます。コンクリートを使用した圧倒的な建築技術。
建設当時の神秘的で壮大な姿が、ほぼ完全なまま。
パンテオンは世界遺産「ローマ歴史地区」の中でも、自分が最も感動を覚えた建築物でした。
ティボリのハドリアヌス別荘は、ギリシアやオリエントなど様々な時代や様式を取り入れ建築。
ハドリアヌスの美意識の結晶。こちらも世界遺産。
現在のサンタンジェロ城は、もともとは皇帝が自身のため建造したハドリアヌス墓廟だったもの。
名建築家でもあったハドリアヌス皇帝は、21年の治世の後、62歳で亡くなりました。