「ターミネーター」のようなディストピアは、すでに現実化しつつある

※この文章は、俺の独断と偏見と思い込み、いわゆる「それってあなたの感想ですよね」という内容にあふれたものとなっております。その旨ご承知の上お読みください。
※白饅頭こと御田寺圭先生のnote記事を引用させてもらっています。引用元の記事を読まなくても、この文章の内容は理解できると思いますが、興味を持ったならばぜひ課金して読んでみてください。


1984年に公開された「ターミネーター」という映画をご存知だろうか。有名な映画だから、見たことはなくても、一度や二度は名前を聞いたことがあるはずだ。
未来の世界で「スカイネット」というコンピューター(今風の言い方をすればAI)が、人類に対して反乱を起こし、人類対機械の戦争が起こるという設定である。そしてスカイネットは、人類側のリーダーを「生まれる前に抹殺する」ために、戦闘用ロボット「ターミネーター」をタイムマシンで過去の世界に送り、リーダーの母親となる予定の女性を殺そうとするというストーリーだ。
第一作では、筋肉が売りのアクション映画俳優、アーノルド・シュワルツェネッガーがターミネーター、つまり悪役を演じていたが、第二作では「ターミネーターが人類側に捕獲され、人類を守るようにプログラムを書き換えられた」という設定で、主人公たちを守る味方キャラを演じている。

さて、以上の文章は映画の話でもちろん現実ではないのだが、俺は最近「ターミネーターの映画のように、人類は機械に滅ぼされつつあるのでは?」と思うようになった。
もちろん、スカイネットのようなコンピューターがターミネーターのような殺人ロボットを作って人類に戦争を仕掛けてきているというわけではない。今起きているのは、もっと巧妙でもっと甘美な侵略、一言で言えば「ハニートラップ」である。

今の時代、パソコンやスマホをネットにつないでPornhubやFANZAなどのアダルトサイトにアクセスすれば、無料または低価格でいくらでもエロい物が見られる。月島さくらさんのような美人で巨乳のAV女優が演じるポルノがたくさんあるし、エロ漫画エロアニメエロゲーエロラノベといった二次元エロもよりどりみどりである。しかも最近は生成AIが急激に発達しており、自分の好みのタイプのAV女優や二次元美少女を生成し、好みのシチュエーションでバーチャルセックスをすることだって近い将来可能になるだろう。
そうなった場合、わざわざ現実で、三次元の女と付き合いたいと思う男がどれだけいるだろうか。「モテモテで、黙っていても女がたくさん寄ってくる男」ならともかく、努力しないとモテない大半の男にとっては、セックスに到達できるかも分からない、到達できても後になって不同意性交罪で訴えられるかもしれない、そんなことに価値を認めることができるとは思えない。

三次元女と付き合ったり結婚したりするために努力するより、パソコンやスマホと向き合っていたほうが幸せな時代になりつつある。
婚活をして、男性に「圧迫面接」「いじめ」のような態度で質問をする女性の相手をさせられるのと、

自分を励まし、よりそい、承認欲求を満たしてくれるAIと会話するのと、

どちらが幸せかなどと、考える間でもあるまい。

そしてその結果が、非婚化、少子化である。
当たり前のことだが、セックスとは本来子供を作るための行為である。
「自分と仲良くしてくれて、セックスしてくれる女」を入手する方法が「現実で恋愛、結婚する」ことしかない時代は、男はみんなそうしていた。「性的サービスを利用する」つまり「商売女を買う」という手段もあるが、一般的な財力しかない男性にとっては安い買い物ではない。ならば、「大して好きではない、容姿や性格に難がある女」とでも我慢して結婚してセックスし、結果として子供が生まれることになった。
しかし、パソコンやスマホが、ネットが、つまり「機械」が、いくらでも疑似的に恋愛やセックスを提供してくれるとなったらどうだろうか。「バーチャルでは満足できない。どうしても現実で、三次元女とセックスしたい」と考える男以外は、リアルで女と付き合うために努力することを「労力に見合わない馬鹿らしいこと」として軽視する男が増えるのは当然である。

なお、俺は男なので、ここまでの文章は俺の、男の立場に立って書いてきたが、女の立場でも基本的には同じであろう。「モテモテで、黙っていても男がたくさん寄ってくる女」がごく一部である以上、大半の女は「自分を愛してくれるイケメン彼氏」がバーチャルで入手できるとなれば、現実で恋愛する気力を失うだろう。「ホストにハマって大金を貢いでしまう」という女が社会問題になるレベルで存在しているということが、それを裏付けている。

ここで、「いくら理想的な彼女や彼氏がバーチャルで入手できたとしても、現実で結婚して子供を作って明るい家庭を築くという幸せには勝てないぞ」と反論する人もいるだろう。
だが、「理想の彼女、妻」や「理想の彼氏、夫」がバーチャルで作れるなら、「理想の子供」だって当然作れるはずである。
落ちこぼれになるかもしれない、ニートになるかもしれない、最悪の場合凶悪犯罪者になるかもしれない人間の子供と、確実に「いい子」になるようプログラムされている人工の子供と、どちらを選ぶだろうか。

この結果、最終的に行きつくところは、「全人類がバーチャルで幸せな家庭を持った結果、人間同士が恋愛も結婚も子作りもしなくなり、人類が滅亡し、地球の支配者が人類から機械に代わる」時代である。
まさに、スカイネットが目指した、「機械が人類を滅ぼす」という目標の達成と言えるだろう。

将来、「ターミネーター」の映画のように、地球規模の戦争が起きることになるだろう。しかし、映画と違うのは、単に「人類対機械」というような単純な構図ではないということだ。
戦争をするのは、一方は「人間同士で恋愛して結婚して子作りしないと人類は滅亡する! バーチャル恋愛を禁止しろ! お前らリアルで恋愛しろ!」という勢力、そしてもう一方は「うるせえ! 好きでもない相手と我慢して恋愛して結婚して子作りしたところで、俺たちも子供も、おまえら上級市民の奴隷として生きていくしかないだろうが! 俺たちはバーチャルで幸せをつかんだんだ! 俺たちの幸せを奪うな!」という勢力である。
そして俺は、後者の勢力として参戦し、エロ漫画エロアニメエロゲーエロラノベの二次元美少女との幸せな生活を守るために戦うことになるだろう。
総司令官、近藤顕彦元帥の下で。

※近藤顕彦さんに掲載許可はいただいております

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