ポストモダン以降の思想史兼ブックガイド~『いま世界の哲学者が考えていること』
「哲学者が」と題されてはいるけれど、広く現代が直面する多くの問題に人文諸学がどう立ち向かっているかを紹介する本。
カバー範囲が広い代わりに、それぞれの論点概説は最小限、難しい言葉もほとんど使われていないため、「現代思想キーワード集」といった感じで使えるし、その観点ではよくまとまっている。全体が読みやすいわりに各章末のブックガイドは未邦訳本も多く重たい印象だが、文中に散りばめられる大量の学説や書籍自体が秀逸なブックガイド、ブックリストとして機能している。読者おのおのが興味を深