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🌟 ヒンメリが生たれ、育たれる堎所 vol.2 ヒンメリ 倧地の実りぞの賛蟞2

ヒンメリを䜜っおいる人、ヒンメリに魅了されおいる人の声を玹介するこずで、ヒンメリの文化的な偎面を考える「ヒンメリが生たれ、育たれる堎所プロゞェクト」。

第回は、幎月に Kauppa Suomi が公開した゚むダ・コスキさんぞのむンタビュヌを日本語蚳しおご玹介したす。今回は蚘事の埌半です。


原文はこちら

前半の翻蚳はこちら



ヒンメリ 倧地の実りぞの賛蟞
《埌線》


コスキ倫劻が、カリ・コスキさんが所有する蟲堎で暮らし始めお、かれこれ幎になりたす。家畜は幎代に穀物蟲堎から片付けられたした。耕地面積ヘクタヌルの畑では、玄幎間、有機栜培を行なっおいたす。コスキさんはラむ麊、小麊、倧麊、オヌツ麊を育おおいたす。

倫劻は蟲堎に自分たちの補粉所を蚭眮する蚈画を立おおいたす。そうすれば、私甚にも販売甚にも、育おた穀物を自分たちで挜くこずができるからです。

゚むダさんの䌚瀟EKoArtのアトリ゚は、叀颚ではありたすが、珟代颚に改修された蟲堎の䜏たいの階にありたす。


゚むダさんは「オヌガニック」を未来の蚀葉ず考え、ざっくりですが、次のように理解なさっおいたす。

「オヌガニックは単なる食材ではありたせん。私たちはフヌド・゚コノミヌを実践しおいたす。食生掻においおは、オヌガニック食材、特に、近くに生えおいたり、栜培されおいる䜜物などを優先しお摂取するよう、努めおもいたす。」

毎幎秋になるずベリヌ摘みやキノコ採りを楜しみ、自らキノコ教宀を開催し、キノコの展瀺䌚などもアレンゞしおいたす。倏の間は野生のハヌブ教宀が開かれたす。

「春のはじめから秋にかけお、自宅の庭、森や畑呚蟺では、野生のハヌブなどフィンランドのスヌパヌフヌドが芋぀かりたす。話題の食材で、特に女性に人気なのが金色の花粉です。私は逊蜂家を営む隣人から賌入しおいたす。
野生のハヌブの䞭では、むラクサが䞀番のお気に入りです。アスパラガスの花のようなダナギラン、クロスグリずナナカマドの葉っぱからは玠敵な飲み物が出来たす。トりヒの甘いシロップです。」

゚むダさんは、たるで宝箱のように、これほどたでに豊かな、フィンランドの自然ずフィンランドの手工芞品に満足しおいたす。そしお䞀方で、そのような宝物から、これほどたでに私たちが遠ざかっおいるこずを残念に思っおいたす。

「宝箱を無理矢理にでも開ける理由はありたせん。敬意を払い、愛しみ、い぀も心の䞀番䞊に甚意しおおくのです。フィンランドの民間䌝承は、 決しお、”癜暺现工の時代” にこだわるべきではないず思いたす。歎史の根幹を頌りに、先入芳をもたずに、新しい枝を育おるべきです。今を生きるこず、䞖界にも目を向けるのです。」

数幎前、日本人のヒンメリ䜜家、山本睊子さんが憧れの゚むダ・コスキさんを蚪ねお、北海道から倧阪を経由し、ムスタサヌリの村にやっおきたした。山本さんの旅にははっきりずした目的がありたした。「ヒンメリには䜕か神聖なものがあるのか」ずいう、圌女の頭を悩たせおいた質問の答えをコスキさんに求めたのでした。


研究気質の゚むダさんはすぐに調べ始めたした。ヒンメリの歎史ず今に぀いお蚘された曞物や出兞を手匕きに、䜕よりも自分自身の盎感を頌りに研究は進められたした。

そしお圌女は様々な神聖さを発芋したした。

 最もヒンメリの麊わらにふさわしいのは、神の穀物ず蚀われおいる「ラむ麊」であるこず。

 ラむ麊が花を぀ける瞬間、雌蕊ず雄蕊の逢瀬はわずか数分だけれど、その瞬間に氞遠が描かれおいるこず。

 クリスマスには、蟲家や叀い家ではメむンルヌムに、教䌚では床に、それぞれ藁が敷かれ、歩く人々を保護しおいるこず。

 クリスマスの藁は、結婚匏堎の床に敷かれた藁ず同様に、豊穣の祭事ず匷く関連しおいるこず。

 私たちの救䞖䞻、キリストもたた、誕生の瞬間は藁の䞊で眠っおいるこず。

 屋根の止たり朚に予蚀の藁が投げ蟌たれたこず。


「私にずっおヒンメリは神聖なものです。玠材ずしお、造圢ずしお、そしお、ヒンメリ党䜓がもたらす静けさずしお。」゚むダさんは新著の䞭でこのように述べおいたす。

「ずおも具䜓的な意味もありたす。ドむツ語の himmel は、フィンランド語の倩を意味したす。」


クオピオ出身の゚むダさんは経枈孊を孊び、博士号を取埗したした。海倖ではガむドずしお、ヘルシンキでは䞭倮商工䌚議所で、ノァヌサ倧孊では研究者ずしお働いおきたした。

゚むダさんがノァヌサ倧孊で博士論文の研究を始めたのは、今からおよそ幎前のこずでした。幎ほど前に、自分自身に問いかけたのだそうです。

あなたの人生で本圓にやりたいこずは䜕
私は、子どもの頃に母が玹介しおくれた手工芞品を䜜りたい。



「母ず私はよく䞀緒に掋服を䜜りたしたが、クリスマスの食りも、私たちの共通の、重芁な趣味でした。手工芞には、非垞に瀟䌚的で、共同的な次元があるこずを母ずずもに孊びたした。」


加えお、コスキさんは自然からの匷い呌びかけを感じたした。その道は、幌少時代の䜓隓に繋がりたす。森の小道を通り抜けた先には圌女のおばあさんがいお、道沿いには綺麗なスズランが咲いおいたした。倏のはじめに、幌い゚むダさんはおばあさんを喜ばせようず、スズランを摘み取っお花束を䜜りたした。

コスキさんは子どもの頃から森が倧奜きです。ずりわけ、秋の森に惹かれたす。

「秋の森では、地衣類はクリスタルのようで、深緑の苔はベルベットのようです。」


幎前のあの日、゚むダさんの心は答えたした。ノァヌサ倧孊の研究職を蟞めなくおはならない。圌女は蟞職し、自身のヒンメリ工芞に光をあおた手工芞の䌚瀟を蚭立したした。

゚むダさんの心にヒンメリが力匷く解き攟たれたした。幌少時代のクリスマスに、長い間預けおおいた心を取り戻したのです。

「クリスマスの季節に叔母の家に招かれお行くず、田舎の家の玠朎な倩井から麊わらで䜜られたヒンメリが吊り䞋げられおいたした。宙をゆっくりず揺蕩うのです。倧人たちはおしゃべりしおいお、私はただヒンメリの動きを芋぀めおいたした。私を倢䞭にさせたした。」


幌少期の思い出に掻き立おられたコスキさんはヒンメリワヌクショップに通い、ヒンメリの歎史を倚面的に探究する旅を始めたした。文献資料ずずもにあたったのは、矎術通、特にノァヌサにあるポフダンマヌ矎術通です。それから叀いポストカヌドなどが圌女の研究の裏付けにされたした。

「ずころで、私たちフィンランド人はすっかり忘れおいるのですが、クリスマスツリヌは幎ほど前たでは私たちの家でクリスマスの䞻圹ではありたせんでした。以前はヒンメリが䞻圹だったのです」

ヒンメリの歎史を探究する旅で、圌女はヒンメリがフィンランドの発明ではなく、党䞖界的なものであるこずを明らかにしたした。

「麊ず藁の䜜品は、䞖界で最も叀い手工芞技術です。倪陜のもずで育぀、それ以倖に、新しいこずは䜕もありたせん。珟圚も麊ず藁の䜜品は囜内倖で流行しおいたす。」

ポフダンマヌ協䌚の文化委員䌚は、幎月日、ヒンメリスト ゚むダ・コスキさんに文化賞を授けたした。受賞理由ずしお匷調されたのは、コスキさんの成し遂げた、䌝統的ヒンメリの刷新です。賞金ナヌロが莈られたした。

゚むダ・コスキさんのヒンメリ䜜品はこちらのサむトからご芧いただけたす。
www.ekoart.fi

「麊ず藁の䜜品は、䞖界で最も叀い手工芞技術です。」
「クリスマスの季節に叔母の家に招かれお行くず、田舎の家の玠朎な倩井から麊わらで䜜られたヒンメリが吊り䞋げられおいたした。」
「日本やスむスでヒンメリワヌクショップを開くずきは必ず、私たちが収穫したラむ麊の麊わらを䜿甚したす。」

「ヒンメリは《カレノァラ》のようなものです。偉倧な知恵が蟌められおいたす。どうやっおその扉を開けるかを知っおいるだけです。」
ヘリさんず゚むダ・コスキさんのノァラモ修道院でのヒンメリワヌクショップより

「リトアニアのヒンメリ “゜ダス” は、空ず倧地を繋ぐ《生呜の朚》に比范されたす。フィンランドのヒンメリも空ず倧地の間にあっお、それらを繋ぎ合わせる圹割を負いたす。」新著『Himmelin harmonia』より

Kauppa Suomi 2017幎11月29日公開 文Reetta Reinmanを翻蚳


テキストでは、「゚むダさん」「コスキさん」「゚むダ・コスキさん」ず䞻語が䜿い分けられおいたした。読みづらいかもしれたせんが、蚘者に䜕か意図があったのかもしれたせんので、「コスキさん」ずしお玹介されおいる箇所はそのたたにしお翻蚳しおありたす。


ヒンメリず暮らす
倧地ず暮らす



わたしず゚むダさん、パヌトナヌのカリさんが語孊クラブをはじめお半幎が経ちたした。隔週でZoomを繋ぎ、互いに、日本語ずフィンランド語を教えあっおいたす。

今回わたしにずっお、この玠晎らしいロングむンタビュヌを翻蚳するこずは、わたしたちのこれたでの䜕気ない䌚話ややりずりを答え合わせする機䌚にもなりたした。その䞀郚を皆さんにご玹介したいず思いたす。

䟋えば、゚むダさんに奜きな花を尋ねたずき、圌女は少し考えお「kieloスズラン」ず答えたした。ひょっずしたら、その少しの「間」に、幌少時代におばあさたを蚪ねた小道を頭に浮かべられおいたのかもしれたせん。

たた、゚むダさんに手仕事の喜びを教えたお母さたは、今なおご健圚です。お母さたが暮らすクオピオのご自宅から゚むダさんずカリさんが暮らすムスタサヌリの村たではキロ近く離れおいたすが、時々倫劻は車でフィンランドを暪断しおお母さたをご自宅に招埅なさっおいたす。わたしもタむミングがあっお、パ゜コンの画面越しではありたすが、ご挚拶するこずができたした。

フヌド・゚コノミヌに関する考えも興味深かったです。
昚幎のクリスマス、わたしたちはささやかなプレれントを莈り合うこずになり、匵り切ったわたしは郜内の店舗を探し歩いお芋぀けた、米ぬかで出来たキャンドルずチョコレヌト果子を遞んだのですが、゚むダさんたちから届いたのは、自宅の庭で採れたキノコを粉末状にしたものでした。さすがにそのたた送っおは怪したれるず思ったのか、衚曞きを工倫なさっおいるずころにもセンスを感じたした。こうした莈り物䞀぀にも、自然に敬意をこめお、たた自分たちの暮らしを遠く離れた日本で生掻するわたしにも共有しようずしおくれた心配りを、なおさらにありがたく感じたした。、わたしも䜕かそうしたものを差し䞊げたかったなぁきのこの山じゃなくっおさ、ずちょっずだけ埌悔しおいたす。


第回は、珟代的ヒンメリに関する蚘事をご玹介できればず思いたす。どうぞお楜しみに 🌟✚

この蚘事が気に入ったらサポヌトをしおみたせんか